ダーイシュはダイル・ザウル県東部のYPG主体のシリア民主軍の拠点を攻撃し、戦闘員20人以上を殺傷(2018年1月12日)

ダイル・ザウル県では、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(1月12日付)によると、ダーイシュがガラーニージュ市近郊にある西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点複数カ所を攻撃し、シリア民主軍戦闘員20人が死亡、複数が負傷した。

一方、スマート・ニュース(1月12日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の「ジャズィーラの嵐」作戦司令室のライラウィー・アブドゥッラー報道官が、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末に、ガラーニージュ市の45%を制圧したと発表した。

AFP, January 12, 2018、ANHA, January 12, 2018、AP, January 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2018、al-Hayat, January 13, 2018、Reuters, January 12, 2018、SANA, January 12, 2018、SMART News, January 12, 2018、UPI, January 12, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はアレッポ県北部のアンダーン山一帯、ハイヤーン町一帯に進入しようとしたトルコ軍部隊を砲撃、トルコ軍兵士1人が負傷(2018年1月12日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月12日付)が複数の現地消息筋の話として伝えたところによると、トルコ軍部隊が12日、反体制武装集団の支配下にある県北部のアンダーン山一帯(アナダーン市近郊)およびハイヤーン町一帯に入ろうとしたところ、シリア軍がハイヤーン町近郊に向けて砲撃し、トルコ軍の兵士1人が負傷した。

トルコ軍の部隊は、同地にシリア領内で4カ所目となる基地を建設し、監視偵察任務を遂行するために派遣されたという。

スマート・ニュース(1月12日付)によると、トルコ軍部隊への砲撃を行ったのはラトヤーン村に進駐するシリア軍。

syria.liveuamap.com, January 12, 2018

AFP, January 12, 2018、ANHA, January 12, 2018、AP, January 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2018、al-Hayat, January 13, 2018、Reuters, January 12, 2018、SANA, January 12, 2018、SMART News, January 12, 2018、UPI, January 12, 2018などをもとに作成。

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ロジャヴァ支配下のマンビジュ市でYPG主体のシリア民主軍諜報機関による青年2人の拷問殺害に抗議するデモ(2018年1月12日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月12日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるユーフラテス川西部(右岸)のマンビジュ市で、人民防衛隊主体のシリア民主軍の振る舞いに抗議するデモが行われた。

デモは、シリア民主軍の諜報機関によって、ブー・バンナー部族の青年2人が拷問の末に死亡したとされる事件に抗議するため、アラブ人部族長や名士の呼びかけで組織され、住民数百人が集まった。

al-Durar al-Shamiya, January 12, 2017

AFP, January 12, 2018、ANHA, January 12, 2018、AP, January 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2018、al-Hayat, January 13, 2018、Reuters, January 12, 2018、SANA, January 12, 2018、UPI, January 12, 2018などをもとに作成。

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サトルフィールド米国務次官補「米政府はシリアでの対話へのロシアの影響力を低下させるさまざまな手段を持っている」(2018年1月12日)

米国のデヴィッド・サトルフィールド中東和平問題担当国務次官補は米上院の外交委員会で、ダーイシュ(イスラーム国)根絶後のシリアへの対応について証言、そのなかで、シリアでの政治移行を実現することなしに、ロシアとアサド政権の軍事的勝利は達成されないだろうと述べた。

サトルフィールド次官補は「米政府はシリアでの対話へのロシアの影響力を低下させるさまざまな手段を持っている…。シリア危機解決に向けた米国のアプローチは国際社会において大きな支持を受けている…。米政府はシリアで、国連の監視のもとに憲法が改正され、透明性のある選挙が実施されることを支持する…。選挙や憲法改正を伴わないシリアでのいかなる戦直に対しても正統性を認めるべきでないという国際合意がある…。それは、ロシア政府とアサド政権以外の誰も勝利を認めないということを意味する…。ジュネーブでの交渉を通じて、米国と国際社会が行っていることを進める必要がある」と述べた。

そのうえで、ロシア、イラン、トルコを保証国として進められているアスタナ会議への米政府高官の参加を見合わせるとの方針を明らかにするとともに、国連がアスタナ会議を承認し、米国の参加を促そうとすることに懸念を示した。

AFP, January 12, 2018、ANHA, January 12, 2018、AP, January 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2018、al-Hayat, January 13, 2018、Reuters, January 12, 2018、SANA, January 12, 2018、UPI, January 12, 2018などをもとに作成。

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ロシア外務省報道官「米国はソチでのシリア国民対話大会を頓挫させようとしている」(2018年1月12日)

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は記者会見で、米国が1月29~30日にソチで開催が予定されているシリア国民対話大会を頓挫させようとしていると暗に批判した。

ザハロワ報道官は「我々は、ジュネーブ、アスタナ、そしてソチのプロセスが結びつき合っていると何度も言ってきた。それらすべてが事態正常化のプロセスの構成要素である…。しかし、米国のデヴィッド・サトルフィールド中東和平問題担当国務次官補は1月11日、「米国は(ソチでの)国民対話大会とは逆方向に向かって、国連を通じてさまざまな措置を講じる」と述べた…。シリアの反体制派の一部がソチでの大会への参加を拒否する背景、そして関係正常化を妨害している者が今や明らかになった」と述べた。

RT(1月12日付)が伝えた。

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ジュネーブ会議に参加する反体制派の一つ最高交渉委員会のナスル・ハリーリー議長は、1月29~30日にソチで開催が予定されているシリア国民対話大会に関して、「いまだ正式の招待状を受け取っていない」と述べ、参加の是非を決定する措置をとることができないと強調した。

『ハヤート』(1月13日付)が伝えた。

AFP, January 12, 2018、ANHA, January 12, 2018、AP, January 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2018、al-Hayat, January 13, 2018、Reuters, January 12, 2018、SANA, January 12, 2018、UPI, January 12, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はイドリブ県で後退するも、アレッポ県南部でシャーム解放機構などからなる武装集団との戦闘の末に13カ村を制圧(2018年1月12日)

アレッポ県では、SANA(1月12日付)によると、シリア軍が予備部隊とともに県南部でシャーム解放機構などからなる武装集団に対する掃討作戦を続け、13カ村を制圧した。

シリア軍が制圧したのは、ウンム・アンカシュ村、サーリヒーヤ村、ブルジュ・フサイン・ダーヒル村、タッル・スーマア村、上ジュッブ・アトナーシュ村、下ジュッブ・アトナーシュ村、スフール村、ハルダーナー村、アサディーヤ村、ラスム・アミーシュ村、フワイル・フッス村、バンナーウィー村、ジュッブ・アアマー村。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月12日付)によると、11日に「アッラーには彼らを助ける力がある」作戦と「暴君への抵抗」作戦を開始した反体制武装集団がアブー・ズフール航空基地南部でシリア軍と交戦し、イッザ軍などがラビーア村、ハリーバ村、ナッダーフ検問所、アトシャーン村を奪還した。

反体制武装集団はまた、カファルヤー村、アッジャール村、ハイヤーラ村、スィンジャール町一帯でシリア軍と戦闘を続け、シャーム解放機構がスィンジャール町北部のタラブ村にあるシリア軍拠点に対して爆弾を積んだ車で攻撃を行った。

これに対して、シリア軍はジャルジャナーズ町、タッル・マンス村、ハーン・シャイフーン市、フバイト村を「樽爆弾」で爆撃した。

なお、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる武装集団は、11日までに喪失した村のうちザルズール村、ウンム・ハラーヒール、ムシャイリファ村を除く村を奪還した。

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月12日付)によると、11日に「アッラーには彼らを助ける力がある」作戦と「暴君への抵抗」作戦を開始した反体制武装集団のシリア軍が反転攻勢を強めるなか、シャーム自由人イスラーム運動などからなる武装集団も県北部でシリア軍と交戦を続けた。

シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる武装集団はアトシャーン村奪還に向けて攻勢を続けているという。

なお、シリア人権監視団によると、イドリブ県南東部、ハマー県北東部、アレッポ県南部での戦闘で、シリア軍および親政権民兵の死者は63人、反体制武装集団の死者は54人にのぼっているという。

またシリア軍側は兵士31人を反体制武装集団に捕捉されたという。

syria.liveuamap.com, January 12, 2018

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ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月12日付)によると、ラフマーン軍団がアルバイン市方面に進入しようとした共和国護衛隊の部隊を要撃した。

また、イナブ・バラディー(1月12日付)によると、シリア軍はハラスター市とドゥーマー市を隔てる農場地帯に進軍し、同地にある警察病院敷地内の拠点複数カ所を制圧した。

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ダマスカス県では、SANA(1月12日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が旧市街カイマリーヤ地区に着弾し、3人が負傷した。

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クナイトラ県では、SANA(1月12日付)によると、シャーム解放機構などからなる武装集団がハーン・アルナバ市に向けて発砲し、子供1人が負傷した。

AFP, January 12, 2018、ANHA, January 12, 2018、AP, January 12, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 12, 2018、al-Hayat, January 13, 2018、‘Inab Baladi, January 13, 2018、Reuters, January 12, 2018、SANA, January 12, 2018、UPI, January 12, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2018年1月12日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(1月12日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県3件、ラタキア県2件、ヒムス県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも3件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県2件、ヒムス県3件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 12, 2018をもとに作成。

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