諸外国の動き(2014年5月8日)

米財務省は、共和国護衛隊司令官の一人で大統領付の治安問題担当顧問のバッサーム・ハサン氏、フサイン・アルヌース公共事業大臣、アフマド・カーディリー農業大臣、イスマーイール・イスマーイール財務大臣、キンダ・シャンマート社会問題大臣、ハサン・ヒジャーズィー労働大臣、バーニヤース石油会社、ロシアのテンプバンク銀行(本社モスクワ)および同銀行のミハイル・ガグロエフ頭取を対シリア制裁リストに加え、資産凍結、取引禁止対象とした。

米国の対シリア制裁において、ロシアの企業、個人が対象となるのはこれが初めて。

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国連安保理で、シリアの化学兵器廃棄プロセスの進捗状況に関する非公式会合が開かれた。

会合で化学兵器禁止機関・国連合同派遣団特別調整官のスィグリッド・カーグ国連事務次長補は、ダマスカス近郊の2カ所に化学兵器関連物質約100トンが依然保管されているとしたうえで、反体制武装集団が包囲しているため、シリア政府がこの2カ所からの搬出作業を行うことができないでいると報告した。

この2カ所には、16の保管庫があり、うち5つの保管庫には危険度の高い化学物質が、11カ所には危険度の低い化学物質が保管されており、ヘリコプターを使用した搬出作業などについてシリア政府と協議・検討している、という。

『ハヤート』(5月9日付)が伝えた。

AFP, May 8, 2014、AP, May 8, 2014、ARA News, May 8, 2014、Champress, May 8, 2014、al-Hayat, May 9, 2014、Iraqinews.com, May 8, 2014、Kull-na Shuraka’, May 8, 2014、Naharnet, May 8, 2014、NNA, May 8, 2014、Reuters, May 8, 2014、SANA, May 8, 2014、UPI, May 8, 2014などをもとに作成。

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イラクの動き(2014年5月8日)

イラキー・ニュース(5月8日付)によると、アンバール県サクラーウィーヤ市で軍とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が交戦し、ダーイシュ戦闘員12人が死亡、またマルハマ市での戦闘でもダーイシュ戦闘員4人が死亡した。

AFP, May 8, 2014、AP, May 8, 2014、ARA News, May 8, 2014、Champress, May 8, 2014、al-Hayat, May 9, 2014、Iraqinews.com, May 8, 2014、Kull-na Shuraka’, May 8, 2014、Naharnet, May 8, 2014、NNA, May 8, 2014、Reuters, May 8, 2014、SANA, May 8, 2014、UPI, May 8, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年5月8日)

ヒムス県では、『ハヤート』(5月9日付)などによると、反体制武装集団が退去したヒムス市旧市街の一部にシリア軍が展開した。

シリア軍は、旧市街中心に位置する時計広場にシリア国旗を掲げ、反体制武装集団の退去を祝う祝典のなか、シュクリー・クーワトリー通りを行軍した。

SANA News, May 7, 2014
SANA News, May 7, 2014
SANA News, May 7, 2014
SANA News, May 7, 2014

タラール・バラーズィー県知事は、ロイター通信(5月8日付)に対し、反体制武装集団とその家族は7日に2度、8日に1度の合わせて3度に分けてヒムス市旧市街から退去し、7日には約200人の戦闘員が、8日には約500人が退去したと述べた。

またバラーズィー県知事は、AFP(5月8日付)に対して、ヒムス市旧市街から退去した反体制武装集団戦闘員の数が980人に達する一方、300~400人が市内にとどまっているものと思われると述べた。

その後、バラーズィー県知事は、軍部隊および記者団らとヒムス市旧市街のシュクリー・クーワトリー通りを視察し、SANA(5月8日付)などに対し、ヒムス市旧市街からの武装集団退去が完了し、国民和解が実現したと述べた。

一方、SANA(5月8日付)によると、タドムル市とダマスカス郊外県サブア・ビヤール区(砂漠地帯)を結ぶ街道、カフルラーハー市、タッル・ザハブ町、ハリージャ村、ラッフーム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ県では、フェイスブックページ「バッシャール・アサドに対するシリア革命」などによると、イスラーム戦線がアレッポ市旧市街のカールトゥーン・ホテルを爆破し、軍兵士約50人(シリア人権監視団によると死者数は少なくとも14人)を殺害、またイスラーム戦線は、ホテルおよび周辺の建物が爆発で破壊される映像多数をインターネット上に公開した。

同フェイスブックページによると、この爆破攻撃は「ヒムス市住民への報復」だという。

カールトゥーン・ホテルは軍が拠点として使用していた。

AFP(5月8日付)によると、爆発はホテル地下に掘られたトンネルに仕掛けられた爆弾によるもので、『ハヤート』(5月9日付)によると、爆発直後、ホテル周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

また、シリア人権監視団によると、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ハーン・アサル村、アレッポ中央刑務所周辺、カフルハムラ村、アレッポ市、シャイフ・マクスード地区、シャイフ・ターハー地区、アーミリーヤ地区、ライラムーン地区で、軍とシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団が交戦、軍が砲撃を行った。

一方、SANA(5月8日付)によると、シャイフ・ナッジャール市・ブライジュ村交差点、シャイフ・ナッジャール市、ハーン・アサル村、アッザーン村、アレッポ中央刑務所周辺、カフルハムラ村、アレッポ市ライラムーン地区、シャイフ・サイード地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、『ハヤート』(5月9日付)によると、反体制武装集団がカフターニーヤ市を軍との交戦の末に制圧した。

これに関して、シリア人権監視団は、ジハード主義武装集団が進軍し、カフターニーヤ市周辺、クナイトラ市に通じる通行所周辺、ラワーディー検問所、ハミーディーヤ検問所で軍と交戦したと発表した。

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ダイル・ザウル県では、マサール・プレス(5月8日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がタービヤ村東部のCONOCOガス工場を制圧した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(5月8日付)によると、ダイル・アサーフィール市郊外、ザバディーン市郊外、アーリヤ農場、ハラスター市警察病院、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプおよびその周辺、ドゥマイル市東部、ルハイバ市近郊、ジャイルード市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イエメン人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(5月8日付)によると、ナワー市周辺、タイバ町、アブー・ウスマーン農場周辺、サムリーン村、ヤードゥーダ村・アトマーン村街道、ブスラー・シャーム市、ムサイフラ町、ヌアイマ村、ザアタル丘近郊で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 8, 2014、AP, May 8, 2014、ARA News, May 8, 2014、Champress, May 8, 2014、al-Hayat, May 9, 2014、Iraqinews.com, May 8, 2014、Kull-na Shuraka’, May 8, 2014、Masar Press Agency, May 8, 2014、Naharnet, May 8, 2014、NNA, May 8, 2014、Reuters, May 8, 2014、SANA, May 8, 2014、UPI, May 8, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年5月8日)

SANA News, May 7, 2014
SANA News, May 7, 2014

外務在外居住者省は国連安保理議長、事務総長宛てに書簡を送り、アレッポ市旧市街のカールトゥーン・ホテルに対する爆破攻撃をイスラーム戦線による犯行と報告、安保理に同組織を国際テロ組織として認定するよう要請した。

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SANA(5月8日付)によると、タルトゥース市コルニーシュ地区で、医師組合、歯科医師組合、薬学士組合、技師組合のタルトゥース支部が、軍による「テロとの戦い」と大統領選挙実施への支持を訴えるデモ集会を開催し、組合員ら多数が参加し、アサド大統領への支持を表明した。

デモ集会にはバアス党タルトゥース支部幹部らも参加した。

またタルトゥース県シャイフ・バドル市、バーニヤース市石油精製社でも、市民らが同様のデモ集会を行い、アサド大統領への支持を表明した。

AFP, May 8, 2014、AP, May 8, 2014、ARA News, May 8, 2014、Champress, May 8, 2014、al-Hayat, May 9, 2014、Iraqinews.com, May 8, 2014、Kull-na Shuraka’, May 8, 2014、Naharnet, May 8, 2014、NNA, May 8, 2014、Reuters, May 8, 2014、SANA, May 8, 2014、UPI, May 8, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月8日)

ジハード・フィー・サビール・アッラー旅団が声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によるラッカ市でのSNN特派員(ムウタッズ・ビッラー・イスマーイール氏)処刑(5日)に関して、報復を行うと宣言した。

ARA News(5月8日付)が伝えた。

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米国を訪問中のシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら一行は、ワシントンDCで、ウェンディー・シャーマン国務省政務担当次官、ジョン・マケイン上院議員(共和党)、カール・レヴィン上院議員(民主党)、ステニー・ホイヤー下院議員(民主党)、エリック・カントゥール下院議員(共和党)らと相次いで会談した。

連立メンバーのムンズィル・アークビーク氏によると、会談において、ジャルバー議長らはシャーマン次官から「我々はあなた方とともにある。我々はあなた方を支援したい。我々は、シリアの未来がアサドではなく、シリア国民の手にあるということを知っている」との言葉を受けたという。

またジャルバー議長らと会談した上下両院議員は、自由シリア軍参謀委員会のアブドゥルイラーフ・バシール参謀長との意見交換を争うように求めてきた、という。

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その後、のシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら一行は、ジョン・ケリー国務長官と会談した。

『ハヤート』(5月10日付)が伝えた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・トゥウマ首班を団長とする移行期政府使節団がカタールを訪問した。

使節団には、トゥウマ首班のほか、イブラーヒーム・ミールー財務経済大臣らが参加し、両者の協力関係について協議した。

ARA News(5月8日付)が伝えた。

AFP, May 8, 2014、AP, May 8, 2014、ARA News, May 8, 2014、Champress, May 8, 2014、al-Hayat, May 9, 2014、May 10, 2014、Iraqinews.com, May 8, 2014、Kull-na Shuraka’, May 8, 2014、Naharnet, May 8, 2014、NNA, May 8, 2014、Reuters, May 8, 2014、SANA, May 8, 2014、UPI, May 8, 2014などをもとに作成。

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