諸外国の動き(2014年5月26日)

イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)は、テヘラン大学での講演で、シリア情勢への関与に関して、軍事支援を行っていないとしたうえで、同国での「テロとの戦い」のために軍事顧問を派遣していると述べた。

アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、シリアがロシアから軍事支援を受けていること、そしてイランによる武器供与が危機解決を阻害するとしたうえで、「イランの軍事顧問はシリア政府にテロとの戦いのための支援を行っていると発表した。我々は米国に、テロとの戦いに責任を負うとしてあなた方の制約に沿って、シリア国民を支援しなければならないと言ってきた」と述べた。

またアブドゥッラフヤーン外務副大臣は、イランが「シリア国内のすべての反体制勢力と接触し、国民対話実施を奨励している」と付言した。

メフル通信(5月26日付)が伝えた。

AFP, May 26, 2014、AP, May 26, 2014、ARA News, May 26, 2014、Champress, May 26, 2014、al-Hayat, May 27, 2014、Kull-na Shuraka’, May 26, 2014、al-Mada Press, May 26, 2014、Mehr News Agency, May 26, 2014、Naharnet, May 26, 2014、NNA, May 26, 2014、Reuters, May 26, 2014、SANA, May 26, 2014、UPI, May 26, 2014などをもとに作成。

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イラクの動き(2014年5月26日)

アンバール県では、合同作戦司令室によると、治安部隊がファッルージャ市南部でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)を攻撃し、戦闘員10人を殲滅、装備を破壊した。

マダー・プレス(5月26日付)が伝えた。

またイラク国防省は声明を出し、イラク軍部隊がハヤーキル地方のダーイシュの拠点3カ所を破壊した、と発表した。

これに対して、ダーイシュは声明を出し、ファッルージャ市東部のマズラア軍事基地上空でイラク軍のヘリコプターを撃墜、乗員全員が死亡した、と発表した。

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バービル県作戦司令室によると、イラク軍部隊がジュルフ・サフル地方でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のアジトを破壊した。

マダー・プレス(5月26日付)が伝えた。

AFP, May 26, 2014、AP, May 26, 2014、ARA News, May 26, 2014、Champress, May 26, 2014、al-Hayat, May 27, 2014、Kull-na Shuraka’, May 26, 2014、al-Mada Press, May 26, 2014、Naharnet, May 26, 2014、NNA, May 26, 2014、Reuters, May 26, 2014、SANA, May 26, 2014、UPI, May 26, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年5月26日)

レバノンの声(5月26日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外にシリア軍戦闘機が領空侵犯し、ミサイル4発を発射した。

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ナビーフ・ビッリー国民議会議長は、6月9日に大統領を選出(第2回投票)するための臨時会を改めて(6度目)召集すると発表した。

NNA(5月26日付)が報じた。

AFP, May 26, 2014、AP, May 26, 2014、ARA News, May 26, 2014、Champress, May 26, 2014、al-Hayat, May 27, 2014、Kull-na Shuraka’, May 26, 2014、al-Mada Press, May 26, 2014、Naharnet, May 26, 2014、NNA, May 26, 2014、Reuters, May 26, 2014、SANA, May 26, 2014、UPI, May 26, 2014、Voice of Lebanon, May 26, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年5月26日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がヒーシュ町周辺の軍検問所複数カ所とハーン・シャイフ・キャンプ東部のハッザーナート検問所、同西部のサラーム検問所を軍との戦闘の末に制圧した。

同監視団によると、これらの検問所を制圧したことで、反体制武装集団はハマー県ムーリク市からイドリブ県南部に至る軍の兵站路を寸断し、ワーディ・ダイフ軍事基地、ハーミディーヤ航空基地への締め付け強化が可能になったという。

これに関してクッルナー・シュラカー(5月26日付)は、ハーン・シャイフーン市、マアッラト・ヌウマーン市郊外、アルバイーン山一帯で反体制武装集団が完全制圧した軍検問所の数が41カ所に達していると報じた。

一方、SANA(5月26日付)によると、Syriatel陸橋、アルバイーン山周辺、ハーン・スブル町、カフルラーハー町、マジュダリヤー町などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ラーシディーン地区周辺で、軍と反体制武装集団が交戦、またブスターン・カスル地区を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃した。

一方、SANA(5月26日付)によると、クワイリス村、ラスム・アッブード村、ムスリミーヤ村、マーリア市、アナダーン市、アターリブ市、マンスーラ村、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、ハーン・アサル村、フライターン市、ダーラト・イッザ市南部、カフルダーイル村、タッル・リフアト市、アレッポ市ハナーヌー地区、ハラク地区、ブアイディーン交差点、ジャンドゥール交差点、ライラムーン地区、バニー・ザイド地区、スッカリー地区、ブスターン・カスル地区、サラーフッディーン地区、旧市街、カースティールー地区、ジャンダラート地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市各所を軍が空爆・砲撃し、同地一帯で軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(5月26日付)によると、アーリヤ農場、アイン・タルマー渓谷、ムライハ市北部、ナシャービーヤ町郊外、ビラーリーヤ村郊外、ハーン・シャイフ・キャンプおよびその周辺、キスワ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(5月26日付)によると、スブハ村周辺で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とシャームの民のヌスラ戦線が交戦し、ヌスラ戦線のクーリーヤ地域方面司令官らが負傷した。

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ダマスカス県では、SANA(5月26日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(5月26日付)によると、ダルアー市マンシヤ地区、バジャービジャ地区、アトマーン村、ジャディーヤ町、ヌジャイフ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(5月26日付)によると、タッルドゥー市、カフルラーハー市、ナースィリーヤ村、サムアリール村、ラスタン市、タルビーサ市、カッバーン市、ガジャル村、西サラーム村、アルシューナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 26, 2014、AP, May 26, 2014、ARA News, May 26, 2014、Champress, May 26, 2014、al-Hayat, May 27, 2014、Kull-na Shuraka’, May 26, 2014、al-Mada Press, May 26, 2014、Naharnet, May 26, 2014、NNA, May 26, 2014、Reuters, May 26, 2014、SANA, May 26, 2014、UPI, May 26, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月26日)

シリア民主主義者連合の執行部と広報局はそれぞれ声明を出し、トルコ(ガジアンテップ)でシリア革命反体制勢力国民連立を主導するミシェル・キールー代表、サミール・スアイファーン氏、マーズィン・ハッキー氏、ファーイズ・サーラ氏を「路線から逸脱した党派主義・離反主義」と批判、事実上除名した。

声明で執行部と広報局は、キールー代表らが執行部を排除したかたちで会合を重ね、組織全体の総意を無視したとしたうえで、「偉大なるシリア革命に敵対する以外に何ら寄与しない」と指弾した。

またシリア民主主義者連合(シリア革命反体制勢力国民連立傘下組織)のバフジャト・トゥラード氏は声明を出し、執行部メンバーを辞任すると発表した。

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シリア人権擁護連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー代表はフェイスブックを通じて声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の離反者から、2013年7月末に拉致されたイタリア人宣教師パウロ・ダルリオ氏(ダイル・マール・ムーサー修道院修道長)が、身柄拘束の数時間後にダーイシュ司令官の一人によって処刑されていたとの情報を得たと発表した。

ARA News(5月26日付)が伝えた。

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シャームの民のヌスラ戦線はツイッターを通じて声明を出し、25日にヒムス市内各所で発生した連続爆弾テロの犯行を認めた。

ヌスラ戦線は声明で「アッラーは、自らの僕であるヌスラ戦線のムジャーヒディーンにヌサイリー派体制のシャッビーハの拠点と…複数の検問所への侵攻をお許しになった」と発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、シリア人避難民受け入れをめぐって「レバノン国家はその権利と義務を果たしている」としつつ、「いかなる理由であれ、アサド体制の専制から逃れてきた難民を引き渡すことを許してはならない」と警鐘を鳴らした。

AFP, May 26, 2014、AP, May 26, 2014、ARA News, May 26, 2014、Champress, May 26, 2014、al-Hayat, May 27, 2014、Kull-na Shuraka’, May 26, 2014、al-Mada Press, May 26, 2014、Naharnet, May 26, 2014、NNA, May 26, 2014、Reuters, May 26, 2014、SANA, May 26, 2014、UPI, May 26, 2014などをもとに作成。

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大統領選挙をめぐる動き(2014年5月26日)

高等司法選挙委員会のヒシャーム・シャッアール委員長は記者会見を開き、2日以内に大統領選挙の投票用紙の準備が完了し、配布されるだろうと述べた。

SANA(5月26日付)が伝えた。

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SANA(5月26日付)によると、ダマスカス郊外県ヤブルード市、ヒムス市(バアス大学)、ヒムス県マズィーナ町、クナイトラ県マスハラ村、ハマー市、ラタキア市、ラタキア県ジャブラ市、イドリブ市、タルトゥース市で、大統領選挙実施と軍による「テロとの戦い」を支持するデモ・集会が開かれ、バアス党支部幹部、人民諸委員会、職業諸組合らが参加し、アサド大統領への支持を訴えた。

SANA, May 26, 2014
SANA, May 26, 2014

またラタキア市では、野党のシリア国民青年党(https://syriaarabspring.info/wp/?page_id=942#1-3izbal-Shabbal-Waanal-Sr)が大統領選挙実施を支持するデモを行った。

 

AFP, May 26, 2014、AP, May 26, 2014、ARA News, May 26, 2014、Champress, May 26, 2014、al-Hayat, May 27, 2014、Kull-na Shuraka’, May 26, 2014、al-Mada Press, May 26, 2014、Naharnet, May 26, 2014、NNA, May 26, 2014、Reuters, May 26, 2014、SANA, May 26, 2014、UPI, May 26, 2014などをもとに作成。

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シリア・ヨルダン両国大使追放(2014年5月26日)

ヨルダン外務省は声明を出し、「シリアのバフジャト・スライマーン大使は外交儀礼に反して、SNSを通じてヨルダンを批判する声明を再三にわたって発表した」と批判、同大使を「ペルソナ・ノン・グラータ」と認定するとのヨルダン政府の決定を文書で伝え、24時間以内にヨルダンから退去するよう要請した、と発表した。

この決定に関して、『ハヤート』(5月27日付)は、複数のヨルダン高官筋の話として、スライマーン大使が25日にヨルダン独立記念祝典の会場でヨルダン国王アブドゥッラー2世およびナースィル・ジャウダ外務大臣と会談、「そのときに国王と大使の間で交わされた会話とこの決定のタイミングはおそらくはつながりがある」と伝えた。

スライマーン大使は、SNSなどを通じて、ヨルダン政府が、ジハード主義武装集団や離反兵に潜伏場所を与え、シリア国内での戦闘に参加させるべく教練している、などとの批判を繰り返してきた。

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一方、シリア外務在外居住者省は声明を出し、ヨルダン政府によるバフジャト・スライマーン大使追放処分が「両国の深遠な関係の本質を反映しておらず、何らの根拠もない」と批判、対抗措置としてヨルダン大使を「ペルソナ・ノン・グラータ」と認定し、シリアへの入国を禁じる旨、ヨルダン外務省に通達したと発表した。

ウマル・アマド駐シリア・ヨルダン大使は2011年11月に帰国し、その後定年により大使職を解かれている。

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なお、ヨルダン政府によるシリア大使追放に関して、シリア革命反体制勢力国民連立の幹部筋は『ハヤート』(5月27日付)に「ヨルダン政府は反体制勢力を代表する大使館ないしは公館の開設を支持する姿勢をようやっと示した」と述べ、支持を表明した。

しかし、『ハヤート』(5月27日付)は、ヨルダン政府筋がシリア革命反体制勢力国民連立の在外公館を開設する意思はないと述べた、と報じた。

AFP, May 26, 2014、AP, May 26, 2014、ARA News, May 26, 2014、Champress, May 26, 2014、al-Hayat, May 27, 2014、Kull-na Shuraka’, May 26, 2014、al-Mada Press, May 26, 2014、Naharnet, May 26, 2014、NNA, May 26, 2014、Reuters, May 26, 2014、SANA, May 26, 2014、UPI, May 26, 2014などをもとに作成。

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