シリア国内の暴力(2014年5月29日追記2)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、サラミーヤ市東部のズヌーバ村をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が襲撃し、102歳の老人を含む一家6人を殺害した。

同監視団によるとこの一家はアラウィー派だという。

al-Hayat, June 2, 2014をもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年5月29日追記)

ラッカ県では、アフバール・スーリヤー(5月30日付)によると、タブカ市で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のアミールの一人で治安部門の重鎮と目されるアブドゥッラフマーン・ハムダーン氏(通商「アブー・ウクバ・アムニー」)が乗っていた車が何者かの襲撃を受け、暗殺された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市郊外のカッバースィーン村でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、17~70歳の村人193人を拉致した。

同監視団によると、拉致の理由は定かでないが、この手の犯罪は、身代金目当て、クルド民族主義組織支持への嫌疑、イスラーム法違反などを口実に多発している、という。

al-Hayat, May 31, 2014、Maktab Akhbar Suriya, May 30, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月29日)

ARA News(5月29日付)は、国境なき医師団は、ラッカ県ラッル・アブヤド市および同市北部農村地帯における医療活動を停止したと報じた。

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国連安全保障理事会のアル=カーイダに対する制裁委員会のゲイリー・クインラン委員長(国連オーストラリア大使)は、安保理に提出した定例報告書のなかで「数千人の外国人」がシリアでアル=カーイダ系組織に参加して戦っているとしたうえで、「彼らが帰国、ないしは第三国に去れば、シリア国外に深刻な脅威を与える」と警鐘を鳴らした。

『ハヤート』(5月30日付)が報じた。

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ローマ・カトリック教会の「コール・ウーヌム」委員会の調整役を務めるギニア人ロバート・サラ枢機卿は、シリア情勢に関して、米国、ロシア、そして中東地域が「勇気をもって共同行動」をとるよう呼びかけた。

AFP(5月29日付)が伝えた。

AFP, May 29, 2014、AP, May 29, 2014、ARA News, May 29, 2014、Champress, May 29, 2014、al-Hayat, May 30, 2014、Kull-na Shuraka’, May 29, 2014、al-Mada Press, May 29, 2014、Naharnet, May 29, 2014、NNA, May 29, 2014、Reuters, May 29, 2014、SANA, May 29, 2014、UPI, May 29, 2014などをもとに作成。

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イラクの動き(2014年5月29日)

マダー・プレス(5月29日付)は、アンバール県作戦司令室筋の話として、イラク軍戦闘機が対シリア国境地帯でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の車列を空爆し、車3台を破壊したと報じた。

またファッルージャ市東部のマズラア地区近くで、軍はダーイシュ戦闘員7人を殲滅した。

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マダー・プレス(5月29日付)は、サラーフッディーン県作戦司令室筋の話として、軍・治安部隊合同部隊が県内各所でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)メンバーの一斉摘発を行い、16人を逮捕したと報じた。

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ティグリス作戦司令室は、ディヤーラー県各所で、治安部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に対する掃討作戦を行い、戦闘員14人を殺害した、と発表した。

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イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)はインターネットを通じて声明を出し、バグダード市内で28日に発生した連続自爆テロ(140人が死傷)に関して、「ファッルージャ住民に対する政府…の戦争」への報復だと述べ、犯行を認めた。

AFP, May 29, 2014、AP, May 29, 2014、ARA News, May 29, 2014、Champress, May 29, 2014、al-Hayat, May 30, 2014、Kull-na Shuraka’, May 29, 2014、al-Mada Press, May 29, 2014、Naharnet, May 29, 2014、NNA, May 29, 2014、Reuters, May 29, 2014、SANA, May 29, 2014、UPI, May 29, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年5月29日)

クッルナー・シュラカー(5月29日付)は、アサド政権が「国民和解委員会」使節団をダマスカス郊外県ダーライヤー市に派遣し、休戦合意締結に向け反体制武装集団や地元評議会との交渉を開始した、と報じた。

同報道によると、交渉は、①ダーライヤー市からの軍の完全撤退と住民の帰宅、②アサド政権が拘束したすべての逮捕者の釈放、を基本原則としつつ、③ダーライヤー市からの「自由シリア軍」の部分撤退、④軍のダーライヤー市における部分的再展開などが具体的に協議されている、という。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市西部に位置するタリーリーヤ村を、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と思われる武装集団が襲撃、子供5人、女性1人を含む10人を処刑した。

これに関して、ARA News(5月29日付)は、タリーリーヤ村で、ダーイシュは住民約40人を処刑したと伝えた。

またシリア人権監視団によると、ラアス・アイン市西部のタマード地区で、爆弾を積んだ車が爆発、その後民主統一党人民防衛隊が、ダーイシュなどからなる反体制武装集団と交戦した。

これに関連して、クッルナー・シュラカー(5月29日付)は、ダーイシュがラアス・アイン市西部のサマード村にある民主統一党人民防衛隊の検問所を爆破し、戦闘員全員を殺害し、2日間での戦闘による双方の死者数が60人にのぼっている、と報じた。

またダーイシュは、タッル・ヒンズィール村の人民防衛隊検問所に対しても爆弾を積んだ自動車で攻撃を仕掛けたという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、ライラムーン地区、マサーキン・ハナーヌー地区、アイン・タッル地区、バーブ街道地区、シャッアール地区、バーブ・ナスル地区、ハラク地区、バーブ・ナイラブ地区、ダーラト・イッザ市、タッル・リフアト市、ハリーサ村などを軍が「樽爆弾」で空爆し、複数人が死亡した。

また軍は、ジハード主義武装集団の拠点と目されているカーディー・アスカル交差点に近いシャリーア委員会一帯を「樽爆弾」で攻撃した。

一方、SANA(5月29日付)によると、アレッポ市ハラク地区、ハナーヌー地区、バニー・ザイド地区、ブスターン・カスル地区、ブスターン・バーシャー地区、インザーラート地区、ラーシディーン地区、ジャンドゥール交差点、ザイディーヤ地区、アシュラフィーヤ地区、ブアイディーン地区、ジュダイダ地区、ハンダラート・キャンプ、アターリブ市、マーリア市、ハーン・アサル村、カフルダーイル村、アルド・マッラーフ地区、アナダーン市、マンスーラ村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、ムスリミーヤ村、フライターン市、カフルハムラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、複数の活動家によると、反体制武装集団が6月1日にイドリブ市に侵攻・砲撃すると警告を発したとの情報を受け、多数の住民が避難した。

一方、SANA(5月29日付)によると、バルーマー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団との交戦の末、アブリーハ村、スブハ村東部を制圧した。

この戦闘で、両村から避難しようとした住民と双方の戦闘員多数が死亡したという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市およびその周辺を軍が地対地ミサイルなどで攻撃する一方、ヒヤーラ村、アイン・バイダー農場で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月29日付)によると、ムライハ市北部、ナシャービーヤ町郊外、ビラーリーヤ村郊外、カースィミーヤ市郊外、アーリヤ農場、ダーライヤー市、キスワ市郊外アイン・バイダー農場およびサウラ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム軍、シャバーブ・フダー旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、ARA News(5月29日付)によると、マアダーン町で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、シャーム自由人イスラーム運動に属し戦闘を行っていた若者2人を処刑した。

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ダマスカス県では、SANA(5月29日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(5月29日付)によると、シャイフ・マスキーン市南西部、サムリーン村、アトマーン村、インヒル市、ズィムリーン村・サムリーン村間、フラーク市郊外、ダルアー市ビラール・ハバシー・モスク一帯、ヤルムーク学校一帯、Syriatelビル一帯などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 29, 2014、AP, May 29, 2014、ARA News, May 29, 2014、Champress, May 29, 2014、al-Hayat, May 30, 2014、Kull-na Shuraka’, May 29, 2014、al-Mada Press, May 29, 2014、Naharnet, May 29, 2014、NNA, May 29, 2014、Reuters, May 29, 2014、SANA, May 29, 2014、UPI, May 29, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年5月29日)

アサド大統領はシリア訪問中の北朝鮮使節団(李竜男(リ・リョンナム)貿易相団長)とダマスカスで会談した。

SANA, May 29, 2014
SANA, May 29, 2014

SANA(5月29日付)によると、会談でアサド大統領と北朝鮮使節団は、二国間関係について協議し、27日にダマスカスで開催されたシリア北朝鮮合同委員会での議事に基づき、良子高官の関係強化をめざすことを確認したという。

またアサド大統領は、シリアと北朝鮮が「他者への従属を拒み、主権、独立を固持し、植民地的計略に対抗していることで受け続けている包囲と圧力にともに対抗するため、両国の歴史的関係を強化する」ことが肝要だと述べたという。

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SANA, May 29, 2014
SANA, May 29, 2014

SANA(5月29日付)によると、ファフド・ジャースィム国防大臣(兼軍武装部隊副司令官)がハサカ県カーミシュリー市を視察した。

AFP, May 29, 2014、AP, May 29, 2014、ARA News, May 29, 2014、Champress, May 29, 2014、al-Hayat, May 30, 2014、Kull-na Shuraka’, May 29, 2014、al-Mada Press, May 29, 2014、Naharnet, May 29, 2014、NNA, May 29, 2014、Reuters, May 29, 2014、SANA, May 29, 2014、UPI, May 29, 2014などをもとに作成。

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大統領選挙をめぐる動き(2014年5月29日)

SANA(5月29日付)によると、レバノンの首都ベイルートにあるシリア大使館で、前日に引き続き大統領選挙在外投票が実施され、「数十万」の在留シリア人が投票に押し寄せた。

Naharnet, May 29, 2014
Naharnet, May 29, 2014
Naharnet, May 29, 2014
Naharnet, May 29, 2014
SANA, May 29, 2014
SANA, May 29, 2014

 

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高等司法選挙委員会は、6月3日の大統領選挙での投票のために一時帰国を予定している在留シリア人のために、空港での投票を認めることを決定した。

空港での投票は、パスポート、ないしはIDを提示することで行えるという。

SANA(5月29日付)が伝えた。

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SANA(5月29日付)によると、ラタキア市、クナイトラ県ハダル町、タルトゥース市、ハマー市、ダイル・ザウル市、ヒムス市などで、大統領選挙実施と軍による「テロとの戦い」を支持するデモ・集会が開かれ、バアス党支部幹部、人民諸委員会、職業諸組合らが参加し、アサド大統領への支持を訴えた。

AFP, May 29, 2014、AP, May 29, 2014、ARA News, May 29, 2014、Champress, May 29, 2014、al-Hayat, May 30, 2014、Kull-na Shuraka’, May 29, 2014、al-Mada Press, May 29, 2014、Naharnet, May 29, 2014、NNA, May 29, 2014、Reuters, May 29, 2014、SANA, May 29, 2014、UPI, May 29, 2014などをもとに作成。

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