大統領選挙をめぐる動き(2014年5月27日追記)

ARA News(5月28日付)は、バアス党シリア地域指導部のヒラール・ヒラール副書記長が大統領選挙キャンペーンの一環でハサカ市を訪問、市内のバアス党支部で会談したアラブ系部族の代表から、民主統一党、人民防衛隊、さらにはアサーイシュの振る舞いへの不満を記した陳情書を受け取った、と報じた。

ARA News, May 28, 2014
ARA News, May 28, 2014

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アレッポ県のムハンマド・アッカード県知事は、『ワタン』(5月27日付)に対して、6月3日に投票が行われる大統領選挙にアフリーン郡およびアイン・アラブ郡のクルド人約100万人が参加するだろう、と述べた。

ARA News, May 28, 2014、al-Watan, May 27, 2014をもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月27日追記)

イスラエル保安局(シャバク)は声明を出し、アラブ系イスラエル人(48年パレスチナ人)1人をシリアに渡航し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に加わろうとした兄弟・親戚を支援したとの容疑で逮捕したと発表した。

逮捕されたのは、イドリース・ターリブ・アブー・カイアーン氏(28歳)で、同じくアラブ系イスラエル人で兄弟のウスマーン・アブー・カイアーン氏、親戚のシャフィーク・アブー・カイアーン氏のシリアへの渡航とダーイシュ参加を支援するため、トルコへの旅費を工面しようとしたという。

AFP(5月27日付)が伝えた。

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ヨルダンのムハンマド・ムーマニー国務大臣(内閣報道官)は、バフジャト・スライマーン在ヨルダン・シリア大使の国外退去処分に関して「シリアとの関係断交を何ら意味しない。ダマスカスはいつでも大使を任命できるし、アンマンのシリア大使館は開いており、通常通りの業務を行っている」と述べた。

『ハヤート』(5月28日付)が伝えた。

ヨルダン軍のファフド・ダーミン准将は、ヨルダン軍作戦本部で記者会見を開き、米国など22カ国との合同軍事演習「Eager Lion」を約2週間の予定で開始した、と発表した。

ダーミン准将は今年の合同演習では、「国境警備、テロとの戦い…、サイバー・テロなど、非伝統的戦争のための訓練に…、さらには国際平和維持活動の仕組み作り、人道面での経験の交流に重点が置かれる」としつつ、演習が「シリア情勢とは関係ない」と述べた。

合同演習には、米国、英国、フランス、トルコ、イタリア、カナダ、ベルギー、ポーランド、サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、UAE、エジプト、レバノン、タジキスタン、カザフスタン、パキスタン、ブルネイ、オーストラリアなど22カ国が参加する。

イスラエルは、オブザーバーとして参加しているという。

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ノルウェーの内務治安当局は声明を出し、男性3人を、シリアに潜入し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に加わろうとした容疑で逮捕したと発表した。

逮捕された3人のうち1人はソマリア出身者、残る2人は旧ユーゴスラビア出身者だという。

AFP(5月27日付)が伝えた。

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イタリア大使館は声明を出し、トルコ国境に近いイドリブ県アティマ村で2013年3月12日に反体制武装集団に拉致された人道支援活動家のフィデリコ・モトカ氏が26日に解放され、27日にトルコ経由でイタリアに帰国したと発表した。

AFP, May 27, 2014、AP, May 27, 2014、ARA News, May 27, 2014、Champress, May 27, 2014、al-Hayat, May 28, 2014、Kull-na Shuraka’, May 27, 2014、al-Mada Press, May 27, 2014、Naharnet, May 27, 2014、NNA, May 27, 2014、Reuters, May 27, 2014、SANA, May 27, 2014、UPI, May 27, 2014などをもとに作成。

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イラクの動き(2014年5月27日)

ニナワ県作戦司令室は、モスル市南部のアイン・ジャハシュ地方でイラク軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、戦闘員6人を殺害、車両2台を破壊したと発表した。

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マダー・プレス(5月27日付)は、サラーフッディーン県警察筋の話として、ティクリート市東部のブー・ウジャイル地方で、覚醒評議会の部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の司令官1人を逮捕する一方、同地区で覚醒評議会の部隊を狙ったと思われる爆弾攻撃で、隊員5人が負傷した、と報じた。

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マダー・プレス(5月27日付)は、バービル県警察筋の話として、軍・警察治安部隊によるイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の掃討作戦で、ダーイシュ戦闘員5人を殺害、15人を逮捕したと報じた。

AFP, May 27, 2014、AP, May 27, 2014、ARA News, May 27, 2014、Champress, May 27, 2014、al-Hayat, May 28, 2014、Kull-na Shuraka’, May 27, 2014、al-Mada Press, May 27, 2014、Naharnet, May 27, 2014、NNA, May 27, 2014、Reuters, May 27, 2014、SANA, May 27, 2014、UPI, May 27, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年5月27日)

AFP(5月27日付)は、ヒズブッラーのメンバーでFBIによって指名手配されていたファウズィー・アイユーブ氏がシリアでの戦闘で死亡し、26日に故郷のアイン・カーナー村(ナバティーヤ県ナバティーヤ郡)で埋葬された、と報じた。

AFPによると、アイユーブ氏はアレッポ県におけるヒズブッラー戦闘員の司令官を務めていたという。

Naharnet, May 27, 2014
Naharnet, May 27, 2014

アイユーブ氏は2000年(当時はカナダ在住)にイスラエルで逮捕されたのち、2003年にヒズブッラーとの捕虜交換で釈放されたが、イスラエルで爆弾テロを行うために密入国を試みたとの容疑で2009年にFIBに指名手配されていた。

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NNA(5月27日付)によると、北部県アッカール郡ダバービーヤ村で、シリア領内から不法入国しようとしたシリア人がレバノン軍によって敷設された地雷に触れ、重傷を負った。

AFP, May 27, 2014、AP, May 27, 2014、ARA News, May 27, 2014、Champress, May 27, 2014、al-Hayat, May 28, 2014、Kull-na Shuraka’, May 27, 2014、al-Mada Press, May 27, 2014、Naharnet, May 27, 2014、NNA, May 27, 2014、Reuters, May 27, 2014、SANA, May 27, 2014、UPI, May 27, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年5月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市下ハラク地区、バーブ街道地区、マガーイル地区を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃し、子供5人、女性1人を含む8人が死亡した。

またアレッポ中央刑務所周辺、ブライジュ村近郊、アレッポ市ザフラー地区などで、軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月27日付)によると、マーリア市、フライターン市東部、ウワイジャ地区、アターリブ市、タッル・リフアト市、ムスリミーヤ村、ダーラト・イッザ市、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、クワイリス村、ラスム・アッブード村、ブライジュ村、アナダーン市、アレッポ市インザーラート地区、バニー・ザイド地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ブスターン・カスル地区、ライラムーン地区、ザバディーヤ地区、ブアイディーン交差点、サラーフッディーン地区、カースティールー地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市のバイルーニー病院近くに迫撃砲弾が着弾し、市民5人が負傷した。

またハーン・シャイフ・キャンプ近郊で、軍とジハード主義武装集団が交戦、ザマルカー町、アイン・タルマー渓谷、ムライハ市一帯を軍が空爆・砲撃した。

さらに、ハジャル・アスワド市に軍の迫撃砲弾が着弾し、子供2人と女性1人を含む4人が死亡した。

一方、SANA(5月27日付)によると、ムライハ市およびその周辺、ビラーリーヤ村郊外、カースィミーヤ市郊外、アドラー市ウンマーリーヤ地区、ザバダーニー市、ダーライヤー市、で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(5月27日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヌジャイフ村、ブスル・ハリール市、スマード村、ブスラー・シャーム市、ナワー市、インヒル市、シャイフ・マスキーン市を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃、シャイフ・マスキーン市一帯、ウンム・ハウラーン丘一帯、ブスラー・シャーム市一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(5月27日付)によると、ズバイラ村、ジャースィム市・インヒル市間、ジャディーヤ村、フラーク市、サムリーン村、ダルアー市ヤルムーク学校西部などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、東ファルハーニーヤ村を軍が空爆、またタドムル・ダマスカス街道で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(5月27日付)によると、ラスタン市、ダイル・マアッラ村、ガースィビーヤト・ナイーム村・ドゥワイル村間、タルビーサ市、クサイル市南部、ダマスカス・タドムル街道(ハッラーバート陸橋)で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市のラムル・キャンプ出身の男性1人が治安当局の拷問を受け死亡した。

またサムラー村一帯で、ジハード主義武装集団が軍の拠点複数カ所を迫撃砲で攻撃した。

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イドリブ県では、SANA(5月27日付)によると、アルバイーン山周辺、カフルラーター村、マアッルバリート村、ジャフラク町、ハーッジ・ハンムード農場、マルイヤーン町、ラーミー町、ビンニシュ市、バドリーヤ村、カフルルーヒーン村、カフルズィーバー村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの鷹旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, May 27, 2014、AP, May 27, 2014、ARA News, May 27, 2014、Champress, May 27, 2014、al-Hayat, May 28, 2014、Kull-na Shuraka’, May 27, 2014、al-Mada Press, May 27, 2014、Naharnet, May 27, 2014、NNA, May 27, 2014、Reuters, May 27, 2014、SANA, May 27, 2014、UPI, May 27, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月27日)

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、イタリア人宣教師パウロ・ダルリオ氏(ダイル・マール・ムーサー修道院修道長)の消息に関して、AKI(5月27日付)に対してシリア人権擁護連盟にパウロ牧師が死亡したとの情報を提供したアブー・ムハンマド・スーリーを名乗る人物は、2013年8月にシリア人権監視団に対しても、「パウロ牧師はイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員に殺害された」との情報を提供しているとしたうえで、ラッカ市で活動する地元評議会メンバー(共産主義労働者党元メンバー)からの情報では、パウロ牧師は存命だ、と述べた。

AFP, May 27, 2014、AKI, May 27, 2014、AP, May 27, 2014、ARA News, May 27, 2014、Champress, May 27, 2014、al-Hayat, May 28, 2014、Kull-na Shuraka’, May 27, 2014、al-Mada Press, May 27, 2014、Naharnet, May 27, 2014、NNA, May 27, 2014、Reuters, May 27, 2014、SANA, May 27, 2014、UPI, May 27, 2014などをもとに作成。

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大統領選挙をめぐる動き(2014年5月27日)

外務在外居住者省は声明を出し、5月27日に行われる大統領選挙の在外投票に関して、UAE政府が実施を拒否したとしたうえで、「シリアに対して陰謀を企てる国々に与し、領内での大統領選挙実施を禁じた」と非難した。

SANA(5月27日付)が伝えた。

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ARA News, May 27, 2014
ARA News, May 27, 2014

SANA(5月27日付)、ARA News(5月27日付)によると、ダイル・ザウル市(ユーフラテス大学)、ハマー市、ダマスカス県(ダマスカス大学)、スワイダー県サルハド市、ヒムス市、ヒムス県マフラム市、アレッポ市、ラタキア市、タルトゥース県マルカブ村、イドリブ市、ハサカ市、ハサカ県カーミシュリー市(国立病院)などで、大統領選挙実施と軍による「テロとの戦い」を支持するデモ・集会が開かれ、バアス党支部幹部、人民諸委員会、職業諸組合らが参加し、アサド大統領への支持を訴えた。

AFP, May 27, 2014、AP, May 27, 2014、ARA News, May 27, 2014、Champress, May 27, 2014、al-Hayat, May 28, 2014、Kull-na Shuraka’, May 27, 2014、al-Mada Press, May 27, 2014、Naharnet, May 27, 2014、NNA, May 27, 2014、Reuters, May 27, 2014、SANA, May 27, 2014、UPI, May 27, 2014などをもとに作成。

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化学兵器禁止機関・国連合同派遣団がハマー県で一時拉致(2014年5月27日)

シリア外務在外居住者省は声明を出し、反体制武装集団に身柄を拘束された化学兵器禁止機関・国連合同派遣団のスタッフ6人とシリア人運転手5人が、ハマー県郊外で「武装テロ集団」に拉致されたと発表した。

同声明によると、5月27日午前8時から18時まで、カフルズィーター市一帯で停戦合意が発効し、塩素ガスが使用したとされる同地を合同派遣団が調査する予定だった。

4台の四輪駆動車でカフルズィーター市に向かっていた合同派遣団は、タイバト・イマーム市を通過した直後、同村から2キロの地点で車両1台が仕掛け爆弾の爆発によって大破、乗っていたスタッフらを救出し、3台でタイバト・イマーム市に引き返そうとしたが、2台が拉致された。

その後、化学兵器禁止機関のマイケル・ローハン報道官はAFP(5月27日付)に大使、合同派遣団のスタッフ6人と運転手5人が「無事であり…基地への帰路についている」と発表した。

しかし、シリア人権監視団は「合同使節団が拉致されたとき、彼らはまだ政府支配地域の外には達していなかった。つまり仕掛け爆弾は政府が支配するタイバト・イマーム市近くで爆発した」と発表し、政府の自作自演を暗に疑った。

ローハン報道官によると、学兵器禁止機関・国連合同派遣団のスタッフを乗せた車列が、「攻撃を受け」拉致されたとしたうえで、「安全上の理由からこれ以上はコメントできない」と付言、スタッフが解放されたのか、逃走したのかについての名言を避けた。

また化学兵器禁止機関のアフメト・ウズムジュ事務局長は声明を出し、すべての当事者に対して改めて派遣団への協力を呼びかけた。

AFP, May 27, 2014、AP, May 27, 2014、ARA News, May 27, 2014、Champress, May 27, 2014、al-Hayat, May 28, 2014、Kull-na Shuraka’, May 27, 2014、al-Mada Press, May 27, 2014、Naharnet, May 27, 2014、NNA, May 27, 2014、Reuters, May 27, 2014、SANA, May 27, 2014、UPI, May 27, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月27日)

『ハヤート』(5月27日付)は、複数の消息筋の話として、バラク・オバマ米大統領が、シリアの反体制勢力への「漸進的支援強化」の一環として、反体制武装集団への対空ミサイル供与の「拒否権を解除した」と報じた。

同報道によると、この決定は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長らの訪米を受けた動きで、供与は①「穏健な武装集団」への供与、②反体制政治組織を経由しない直接供与、③イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線との戦闘(継続)、④「樽爆弾」が投下されている地域「のみ」での対空ミサイルの使用、などが条件となっているという。

ある消息筋によると、米国が「穏健な武装集団」として想定しているのは、シリア北部(アレッポ県、イドリブ県)で活動するハズム運動、ファールーク大隊、第9師団、第1機甲師団、アフバーブ・アッラー旅団、第60歩兵旅団、殉教者アブドゥッラフマーン大隊、ヒムス県で活動するラシード大隊、アフバーブ・アッラー旅団、殉教者ハムザ・ザカリヤー大隊、アブー・アスアド・ニムル大隊、ファーティフ大隊、イバード・ラフマーン大隊、ファールーク大隊、ラスタン殉教者大隊、殉教者アンマール・トゥラース・ファルザート大隊、イーマーン旅団、真実の声中隊、ダマスカス郊外県で活動する殉教者アブドゥルガッファール・ハーミーシュ大隊、殉教者アブドゥッラ・バッカール大隊、殉教者バクル・バッカール大隊、ハマー県で活動するアビー・ハーリス大隊、サラミーヤ自由人大隊など約50の武装集団など。

al-Hayat, May 27, 2014をもとに作成。

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