シリア国内の暴力(2014年5月31日追記)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ブサイラ市を制圧したイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とムシャーヒディーン・シューラー評議会が同町で交戦し、ダーイシュ戦闘員12人が死亡した。

ムジャーヒディーン・シューラー評議会は、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線、自由シリア軍からなる武装集団の連合体。

同監視団によると、ブサイラ市制圧・維持のため、ダーイシュはCONOCOガス工場から撤退したという。

al-Hayat, June 2, 2014などをもとに作成。

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諸外国の動き(2014年5月31日)

『ハヤート』(6月1日付)は、イランの複数のメディアが報じたとして、イラン・イスラーム革命防衛隊元司令官のアブドゥッラー・イスカンダリー氏が今週、シリア国内のシーア派巡礼地で防衛の任務中に死亡し、6月1日にイランのシーラーズ市で葬儀が行われる、と伝えた。

これに関して、『ウォール・ストリート・ジャーナル』(5月31日付)は、イスカンダリー氏以外にもシリア国内の戦闘でイラン人約60人が死亡している、と報じた。

また、同誌は、イラン・イスラーム革命防衛隊のフサイン・ムハイダーニー氏の話として、約13万人のイラン義勇兵が教練を受け、シリアでの戦闘に向けて備えていると付言した。

さらにイランは、シリア国内で約5万人に対して軍事教練を施し、またレバノン、イラク、さらにはアフガニスタンからの戦闘員数万人の派遣を支援しているという。

ジェニファー・サキ米国務省報道官は、イドリブ県での自爆攻撃で死亡した「アブー・フライラ・アミーリキー」に関して、「シリアでの自爆攻撃に関与したアメリカ人は、ムニール・アブー・ッサーリハ氏だと思われる」としたうえで、シリアで活動する外国人戦闘員の増加と過激化に懸念をもって中止している、と述べた。

AFP, May 31, 2014、AP, May 31, 2014、ARA News, May 31, 2014、Champress, May 31, 2014、al-Hayat, June 1, 2014、Kull-na Shuraka’, May 31, 2014、al-Mada Press, May 31, 2014、Naharnet, May 31, 2014、NNA, May 31, 2014、Reuters, May 31, 2014、SANA, May 31, 2014、UPI, May 31, 2014、The Wall Street Journal, May 31などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年5月31日)

レバノン内務省は、UNHCRに難民登録しているシリア人およびパレスチナ人に対して2014年6月1日以降にシリアに入国した場合、難民の地位を失う、との告知を発表した。

NNA(5月31日付)が報じた。

AFP, May 31, 2014、AP, May 31, 2014、ARA News, May 31, 2014、Champress, May 31, 2014、al-Hayat, June 1, 2014、Kull-na Shuraka’, May 31, 2014、al-Mada Press, May 31, 2014、Naharnet, May 31, 2014、NNA, May 31, 2014、Reuters, May 31, 2014、SANA, May 31, 2014、UPI, May 31, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年5月31日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市旧市街のザフラーウィー市場近くで、ジハード主義武装集団が軍拠点の地下にトンネルを掘り、爆弾を仕掛け、爆発させ、軍兵士20人以上(クッルナー・シュラカー(5月31日付)によると40人)を殺害した。

Kull-na Shuraka', May 31, 2014
Kull-na Shuraka’, May 31, 2014

これに関して、イスラーム戦線はツイッターで犯行を認める声明を出した。

なおこの爆破攻撃のあと、同地域一帯で、軍と反体制武装集団が交戦した。

また、アレッポ市サーフール地区、シャッアール地区、カルム・ジャバル地区、ブスターン・カスル地区などを軍が「樽爆弾」で攻撃、アレッポ城周辺、サブア・バフラート地区などでジハード主義武装集団と交戦した。

このほか、ラアス・アイン市郊外のラーウィヤ村、マブルーク村一帯で、民主統一党人民ほぼ部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)などからなる武装集団と交戦、ヌークラーン村に対するダーイシュの砲撃で、市民2人が死亡した。

一方、SANA(5月31日付)によると、ハンダラート・キャンプ、ムスリミーヤ村、タッル・ジャニーン村、シャイフ・イーサー村、アナダーン市、カフルダーイル村、クワイリス村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、フライターン市、アターリブ市、ズィルバ村、カフルハムラ村、バービース村、アアザーズ市、タッル・リフアト市、バナーウィー村、ハージブ町、カフル・ナースィフ村、タッル・カッダーフ村、ジュバイラ村、アレッポ市ハナーヌー地区、ブスターン・バーシャー地区、旧市街で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、ダルアー市、ブスラー・シャーム市を軍が「樽爆弾」などで攻撃した。

一方、SANA(5月31日付)によると、タッフ村、サトフ・ザフナーン村、ウンム・アウサジュ村、アバヤー村、インヒル市、ダルアー市、アトマーン村、サムリーン村・スィンダイヤーナ町街道、サムリーン村・ズィムリーン村交差点で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ウンム・シャルシューフ村一帯で、軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦し、同地を砲撃した。

一方、SANA(5月31日付)によると、ハスヤー町、ウンム・シャルシューフ村、シャアバーニーヤ村、フーシュ・ターリブ村、ファルハーニーヤ村、ラスタン市、タルビーサ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がブサイラ市で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦の末、ジャバル地区を除く同町を制圧した。

これに対し、ヌスラ戦線はダイル・ザウル市の住宅街で強制捜査を行い、ダーイシュ支持者と疑われる住民を摘発した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(5月31日付)によると、ダーライヤー市、ザバダーニー市、ムライハ市およびその周辺、ダイル・アサーフィール市、ハラスター市西部、ドゥーマー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、アジュナード・シャーム・イスラーム連合の外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(5月31日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(5月31日付)によると、ムーリク市、カナーフィズ村、サルバー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ARA News(5月31日付)によると、サルバー町、ヒヤーリーン町でジハード主義武装集団が軍と交戦、軍兵士20人を殺害し、両町を制圧した。

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イドリブ県では、SANA(5月31日付)によると、ハーン・シャイフーン市、アルバイーン山周辺、バスィーリヤー村、ナイラブ村、マールティーン村、ビカフルーン村、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、アイン・スーダ村、ジスル・シュグール市北部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ARA News(5月31日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、アルメニア教徒が多く暮らすラッカ県ラッカ市内郊外のアイン・イーサー町の土地を没収、住民(農民)に対してジズヤの支払いを求めていると報じた。

AFP, May 31, 2014、AP, May 31, 2014、ARA News, May 31, 2014、Champress, May 31, 2014、al-Hayat, June 1, 2014、Kull-na Shuraka’, May 31, 2014、al-Mada Press, May 31, 2014、Naharnet, May 31, 2014、NNA, May 31, 2014、Reuters, May 31, 2014、SANA, May 31, 2014、UPI, May 31, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年5月31日)

アサド大統領は、ダマスカス県の名士からなる代表団と会談し、国民和解プロセスにおける努力を讃えた。

SANA, May 31, 2014
SANA, May 31, 2014

SANA(5月31日付)が伝えた。

AFP, May 31, 2014、AP, May 31, 2014、ARA News, May 31, 2014、Champress, May 31, 2014、al-Hayat, June 1, 2014、Kull-na Shuraka’, May 31, 2014、al-Mada Press, May 31, 2014、Naharnet, May 31, 2014、NNA, May 31, 2014、Reuters, May 31, 2014、SANA, May 31, 2014、UPI, May 31, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月31日)

ハマー軍事評議会とハマー県革命軍事評議会は共同声明を出し、大統領選挙投票の前日にあたる6月2日からハマー県全土を「軍事地域」に設定すると発表、政府、軍関連の施設への攻撃を予告、住民に対して外出を控えるよう呼びかけた。

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Kull-na Shuraka', May 31, 2014
Kull-na Shuraka’, May 31, 2014

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)バラカ州はイラクとシリアのシャンマル族に宛てて公開書簡を発表、同部族が民兵「カラーマ軍」を結成し、族長のハミーディー・ダッハーム・ハーディー氏と民主統一党がマーリキーヤ市一帯でのダーイシュ掃討で合意したことを非難した。

AFP, May 31, 2014、AP, May 31, 2014、ARA News, May 31, 2014、Champress, May 31, 2014、al-Hayat, June 1, 2014、Kull-na Shuraka’, May 31, 2014、al-Mada Press, May 31, 2014、Naharnet, May 31, 2014、NNA, May 31, 2014、Reuters, May 31, 2014、SANA, May 31, 2014、UPI, May 31, 2014などをもとに作成。

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大統領選挙をめぐる動き(2014年5月31日)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、高等司法選挙委員会のヒシャーム・シャッアール委員長から、28日(レバノンだけは28、29日)に行われた在外選挙の投票結果を受け取った。

SANA, May 31, 2014
SANA, May 31, 2014

シャッアール委員長は、SANAなどに対し、在外投票は43の在外シリア大使館において実施され、選挙登録した在留シリア人の95%が投票を行ったことを明らかにした。

また在外投票の結果は6月3日に実施される国内の投票結果と併せて発表されることを明らかにした。

SANA(5月31日付)が伝えた。

なおシリア外務在外居住者省HP(http://www.moex.gov.sy/cweb/MOEX_NEW/Home_Page_New/Mission_count.htm)によると、65カ国にシリア大使館は置かれている。

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SANA, May 31, 2014
SANA, May 31, 2014

SANA(5月31日付)によると、6月3日に投票が行われる大統領選挙のためにダマスカス県内に設置される選挙センターの代表およびスタッフ1,563人がダマスカス県のファイハー・スポーツ・シティで行われた宣誓式に参加した。

またシャーム・プレス(5月31日付)によると、クナイトラ県クナイトラ市、ハサカ県カーミシュリー市、ダルアー県ダルアー市でも同様の宣誓式が行われた。

AFP, May 31, 2014、AP, May 31, 2014、ARA News, May 31, 2014、Champress, May 31, 2014、al-Hayat, June 1, 2014、Kull-na Shuraka’, May 31, 2014、al-Mada Press, May 31, 2014、Naharnet, May 31, 2014、NNA, May 31, 2014、Reuters, May 31, 2014、SANA, May 31, 2014、UPI, May 31, 2014などをもとに作成。

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