諸外国の動き(2014年5月15日)

『タイムズ』(5月15日付)は、シリア国内で取材を行っていたアンソニー・ロイド記者とカメラマンのジャック・ヒル氏がアレッポ市内で取材中に反体制武装集団に拘束され、逃げようとしたところ、脚を銃で撃たれるなどの暴行を受けた報じた。

The Times, May 15, 2014
The Times, May 15, 2014

同紙によると、その後、イスラーム戦線の司令官の計らいで、2人は釈放され、14日にトルコ領内に入ったという。

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英国のロンドンで、シリアの友連絡グループ外相会合が開かれた。

会合に参加したのは、米英仏独伊、ヨルダン、カタール、サウジアラビア、トルコ、エジプト、UAEだが、エジプトとUAEは外務大臣を派遣しなかった。

会合後の記者会見で、ジョン・ケリー国務大臣は、反体制勢力への政治、経済、軍事、人道支援の強化と、アサド政権への圧力の強化などについて重点的に議論したと語った。

ケリー国防大臣は、シリアの現状がアサド政権にとって有利に働いていると認めたうえで、こうした状況が長く続くことはないだろうと述べたが、反体制勢力への支援、とりわけ軍事支援に関して、具体的な内容を示すことはなかった。

ケリー国防大臣はまた、アサド政権が塩素ガスを使用したとの反体制勢力の主張に関して、そのことを示す「生データ」があるとして真偽を断言することを避けつつ、「それが証明されれば、化学兵器禁止条約に反するものとなる」と述べた。

『ハヤート』(5月16日付)によると、会合では、6月3日に投票が予定されているシリア大統領選挙が、正統性を欠き、国際社会のシリアへの見方を変更するものではない、という点を確認したという。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、米国に続いて、シリア革命反体制勢力国民連立のロンドンの事務所を正式な「在外公館」として承認することを決定したと発表した。

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ジェニファー・サキ米国務省報道官は、ジュネーブ2会議再開(第3ラウンド)の是非に関して、アサド政権が移行期統治機関の設置を受諾するか否かにかかっていると述べる一方、「アサド政権はまた、次期大統領選挙の茶番を延期しなければならない」と述べ、大統領選挙が移行期統治機関の設置を定めているジュネーブ合意に反していると批判した。

AFP, May 15, 2014、AP, May 15, 2014、ARA News, May 15, 2014、Champress, May 15, 2014、al-Hayat, May 16, 2014、Kull-na Shuraka’, May 15, 2014、al-Mada Press, May 15, 2014、Naharnet, May 15, 2014、NNA, May 15, 2014、Reuters, May 15, 2014、SANA, May 15, 2014、The Times, May 15, 2014、UPI, May 15, 2014などをもとに作成。

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イラクの動き(2014年5月15日)

マダー・プレス(5月15日付)は、バービル県作戦司令室筋の話として、ヒッラ市北部での戦闘で、軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員21人を殲滅した。

またジュルフ・サフル地方でもダーイシュの戦闘員1人を逮捕した。と報じた。

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マダー・プレス(5月15日付)は、サラーフッディーン県サーマラー作戦司令部消息筋の話として、治安部隊がティクリート市北部で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)メンバー11人を殺害・逮捕した、と報じた。

11人のうち、2人はサウジ人、1人はベルギー人だという。

AFP, May 15, 2014、AP, May 15, 2014、ARA News, May 15, 2014、Champress, May 15, 2014、al-Hayat, May 16, 2014、Kull-na Shuraka’, May 15, 2014、al-Mada Press, May 15, 2014、Naharnet, May 15, 2014、NNA, May 15, 2014、Reuters, May 15, 2014、SANA, May 15, 2014、UPI, May 15, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年5月15日)

ナビーフ・ビッリー国民議会議長は、大統領選挙(第2回投票)のための臨時会が定足数に達しなかったこと(128人中73人が出席)を受け、会合を5月22日に再び延期すると決定した。

AFP, May 15, 2014、AP, May 15, 2014、ARA News, May 15, 2014、Champress, May 15, 2014、al-Hayat, May 16, 2014、Kull-na Shuraka’, May 15, 2014、al-Mada Press, May 15, 2014、Naharnet, May 15, 2014、NNA, May 15, 2014、Reuters, May 15, 2014、SANA, May 15, 2014、UPI, May 15, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年5月15日)

アレッポ県では、アレッポ・ニュース・ネットワーク(5月15日付)によると、対トルコ国境に位置するバーブ・サラーマ国境通行所に近いバス発着場(カラージュ・サッジュー)で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、シリア人権監視団によると29人が死亡(シリア人権監視団が16日に発表したところによると、死者数は43人)、クッルナー・シュラカー(5月15日付)によると150人以上が死傷した。

ARA News, May 15, 2014
ARA News, May 15, 2014

爆発を受け、トルコ領内から救急車輌15台が現場に入り、負傷者らを搬送したという。

またシリア人権監視団によると、アターリブ町一帯を軍が5度にわたって空爆し、反体制武装集団戦闘員4人が死亡、16人以上が負傷した。

一方、SANA(5月15日付)によると、アレッポ市ライラムーン地区、アーミリーヤ地区、ラーシディーン地区、ブスターン・カスル地区、旧市外、バニー・ザイド地区、ブスターン・バーシャー地区、アレッポ中央刑務所周辺、マーリア市、タッル・リフアト市、カフルダーイル村、ダイル・ハーフィル市、アターリブ市、ハーン・アサル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルマダー町一帯を軍が空爆し、女性5人を含む21人が死亡した。

一方、SANA(5月15日付)によると、サルマダー市郊外、カフルルーマー町、トゥウーム町、ラーミー町、マヒーン町、タッル・ハッターブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャースィム市の野戦病院を軍のヘリコプターが「樽爆弾」で空爆し、子供3人を含む5人が死亡した。

一方、SANA(5月15日付)によると、ダルアー市マンシヤ地区、ミスリー交差点周辺、郵便局一帯、旧税関地区など、ジーザ町、ブスラー・シャーム町、マアルバ町、アトマーン村、タイバ町、ハーッラ丘、ナワー市周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ジュバイラ地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と軍が交戦した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、3月にイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が爆破・半壊させていたラッカ市のウワイス・カラニー・モスク廟で再び爆弾を爆発させた。

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ダマスカス郊外県では、SANA(5月15日付)によると、ダーライヤー市、アーリヤ農場、ハラスター市、ムライハ市周辺、ダイル・アサーフィール市・ザバディーン市間で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(5月15日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(5月15日付)によると、カーミシュリー市で反体制武装集団の戦闘員30人が当局に投降した。

AFP, May 15, 2014、AP, May 15, 2014、ARA News, May 15, 2014、Champress, May 15, 2014、al-Hayat, May 16, 2014、May 17, 2014、Kull-na Shuraka’, May 15, 2014、al-Mada Press, May 15, 2014、Naharnet, May 15, 2014、NNA, May 15, 2014、Reuters, May 15, 2014、SANA, May 15, 2014、UPI, May 15, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月15日)

ダイル・ザウル県では、ARA News(5月15日付)によると、ダイル・ザウル市内で活動する33の反体制武装集団が、市内での戦闘を禁止する合意を結んだ。

AFP, May 15, 2014、AP, May 15, 2014、ARA News, May 15, 2014、Champress, May 15, 2014、al-Hayat, May 16, 2014、Kull-na Shuraka’, May 15, 2014、al-Mada Press, May 15, 2014、Naharnet, May 15, 2014、NNA, May 15, 2014、Reuters, May 15, 2014、SANA, May 15, 2014、UPI, May 15, 2014などをもとに作成。

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大統領選挙をめぐる動き(2014年5月15日)

SANA(5月15日付)、ARA News(5月15日付)によると、ダマスカス県5月29日通り、アクラード地区、ドゥンマル区ワーディー・マシャーリーウ、ダマスカス郊外県ジャルマーナー市、サイドナーヤー町、クドスィーヤー市、アレッポ市、ヒムス市、タルトゥース市、スワイダー市、ダルアー市、ハサカ市、ハサカ県カーミシュリー市で、人民諸組織、職業諸組合などが大統領選挙実施を支持する集会を開催し、アサド政権への支持を訴えた。

ARA News, May 15, 2014
ARA News, May 15, 2014

AFP, May 15, 2014、AP, May 15, 2014、ARA News, May 15, 2014、Champress, May 15, 2014、al-Hayat, May 16, 2014、Kull-na Shuraka’, May 15, 2014、al-Mada Press, May 15, 2014、Naharnet, May 15, 2014、NNA, May 15, 2014、Reuters, May 15, 2014、SANA, May 15, 2014、UPI, May 15, 2014などをもとに作成。

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