大統領選挙をめぐる動き(2014年5月30日追記)

イタルタス通信(5月30日付)によると、ロシアの中央選挙委員会は6月3日に投票が行われる大統領選挙にシリア側からの要請により、アントン・ロパティン渉外局長からなる選挙監視団を派遣すると発表した。

Itar-tass, May 20, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月30日追記)

ユーチューブ(5月30日付)に、アレッポ県マンビジュ市で、反体制勢力よりアサド政権の軍の方がましだと興奮して訴えるイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)戦闘員の映像(https://www.youtube.com/watch?v=gubZUVMP5z4)が公開された。

この戦闘員は「アッラーにかけて、バッシャール・アサドの兵の方があの犬どもより気品がある。アッラーにかけて、バッシャール・アサドはあいつらがやるようなことをやったことはない。あいつらはムハージリーン(外国人戦闘員)を殺し、ムハージリーンの妻たちを犯した。何のために彼らはこんなことをしたんだ。金のためか」と訴えた。

Youtube, May 30, 2014をもとに作成。

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イラクの動き(2014年5月30日)

マダー・プレス(5月30日付)は、ジュルフ・サフル地方にあるイラク軍検問所で軍部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦し、ダーイシュ戦闘員1人が死亡したと報じた。

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マダー・プレス(5月30日付)は、アンバール県警察の話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がハーリディーヤ市とハーリディーヤ島を結ぶサディーキーヤ橋を爆破、破壊したと報じた。

AFP, May 30, 2014、AP, May 30, 2014、ARA News, May 30, 2014、Champress, May 30, 2014、al-Hayat, May 31, 2014、Kull-na Shuraka’, May 30, 2014、al-Mada Press, May 30, 2014、Naharnet, May 30, 2014、NNA, May 30, 2014、Reuters, May 30, 2014、SANA, May 30, 2014、UPI, May 30, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年5月30日)

NNA(5月30日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村にあるワーディー・フマイイド検問所で、レバノン軍がシリア領内から不法入国しようとしたシリア人10人を逮捕した。

AFP, May 30, 2014、AP, May 30, 2014、ARA News, May 30, 2014、Champress, May 30, 2014、al-Hayat, May 31, 2014、Kull-na Shuraka’, May 30, 2014、al-Mada Press, May 30, 2014、Naharnet, May 30, 2014、NNA, May 30, 2014、Reuters, May 30, 2014、SANA, May 30, 2014、UPI, May 30, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年5月30日)

「アブー・フライラ・アミーリキー」を名乗り、シャームの民のヌスラ戦線に加わり戦闘を行っていた米国人ジハード主義戦闘員が5月25日、イドリブ県アルバイーン山で自爆攻撃を行い、死亡した。

この日、ヌスラ戦線はアルバイーン山一帯で4度にわたり自爆攻撃を行い、その中の1回がアブー・フライラ氏による犯行だという。

『ハヤート』(5月31日付)がSNSへの複数の米高官の書き込みなどをもとに報じた。

これに関して、クッルナー・シュラカー(5月30日付)は、アンサール・イスラームの情報として、アブー・フライラ氏がファナール・レストラン近くで、車に「16トン」もの爆薬を積んで自爆攻撃を行ったのだという。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムライハ市およびその周辺を軍が「樽爆弾」で空爆する一方、同市周辺で軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(5月30日付)によると、アルバイン市、ダイル・アサーフィール市、ザバディーン市、ナシャービーヤ町郊外、ヒヤーラ・ドゥユーン村およびその周辺、アイン・バイダー農場、キスワ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区を軍が砲撃した。

一方、SANA(5月30日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、ナワー市、ブスラー・シャーム市を軍が「樽爆弾」などで空爆した。

一方、SANA(5月30日付)によると、アトマーン村、ズィムリーン村周辺、ラジャート高原一帯、フラーク市、インヒル市、シャイフ・マスキーン市南部などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町一帯、マアッルクッバ村、カフルズィーター市などを、軍が「樽爆弾」で空爆した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市西部を軍が空爆した。

一方、SANA(5月30日付)によると、アイン・スーダ村、ミシュミシャーン村、ジスル・シュグール市、カフル・ジャーリス村、ハーン・シャイフーン村、タフタナーズ市、アイン・シャイブ村、マアッラト・ヌウマーン市、ナージヤ村、タイバート村、シャグル村、アルバイーン山、バザーブール村周辺、ラーミー村、ファイルーン村、マラティーン村、マアッルザーフ町、ナイラブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、カサブ町郊外の第45監視塔周辺で、軍、国防隊、アレキサンドレッタ地方解放シリア抵抗運動、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム運動、シャーム軍団、カーディスィーヤの民師団、我らがシャーム連合などと交戦した。

一方、SANA(5月30日付)によると、カサブ町郊外の第724高地に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(5月30日付)によると、カーミシュリー市のシリア・アラブ航空事務所一帯でパトロールを行っていた治安部隊車両が武装集団に襲撃された。

カーミシュリー市内で治安部隊が襲撃されたのはこれが初めてで、民主統一党人民防衛隊によると襲撃によって複数の治安部隊隊員が死傷したという。

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アレッポ県では、SANA(5月30日付)によると、ハンダラート・キャンプ西部、アレッポ市ブアイディーン地区、ブスターン・バーシャー地区、ハラク地区、カーディー・アスカル地区、ライラムーン地区、カースティールー地区、シュカイイフ地区、フライターン市東部、アターリブ市、タッル・シュアイル村、ムスリミーヤ村、タッル・カッラーフ村、カフルサギール村、カフルアントワーン村、ダーラト・イッザ市、マーイル町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(5月30日付)によると、ウンム・シャルシューフ村、ガジャル村、ジャッブーリーン村、アイン・フサイン村、フーム村、ウンム・リーシュ村、バルグースィーヤ村、ダイル・フール村、マシュラファ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、マサール・プレス(5月30日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、自由シリア軍第313大隊が「今こそ我々は彼らを襲撃する」と銘打って、ラスタン市西部のウンム・シャルシューフ村への攻撃を開始した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(5月30日付)によると、スブハ村でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、自由シリア軍およびシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、自由シリア軍戦闘員2人が死亡した。

AFP, May 30, 2014、AP, May 30, 2014、ARA News, May 30, 2014、Champress, May 30, 2014、al-Hayat, May 31, 2014、Kull-na Shuraka’, May 30, 2014、al-Mada Press, May 30, 2014、Masar Press Agency, May 30, 2014、Naharnet, May 30, 2014、NNA, May 30, 2014、Reuters, May 30, 2014、SANA, May 30, 2014、UPI, May 30, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月30日)

シリア人権監視団は声明を出し、2014年初めから5月29日までの約5ヶ月間で、アレッポ市などに対する軍の「樽爆弾」による攻撃で、子供567人、女性283人、18歳以上の男性1,113人の併せて1,963人が死亡したと発表した。

これに関して『ハヤート』(5月31日付)は、軍の「樽爆弾」などによる「空爆が主に標的としている反体制武装集団戦闘員の死者はこの統計には含まれていない」と報じた。

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民主統一党人民防衛隊は声明を出し、アレッポ県アイン・アラブ市郊外(ラーウィヤ村、タッル・ヒンズィール村、タッル・ビラール村、ファリーサ村)でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と戦闘で、28日までにダーイシュ戦闘員86人を殲滅したと発表した。

AFP, May 30, 2014、AP, May 30, 2014、ARA News, May 30, 2014、Champress, May 30, 2014、al-Hayat, May 31, 2014、Kull-na Shuraka’, May 30, 2014、al-Mada Press, May 30, 2014、Naharnet, May 30, 2014、NNA, May 30, 2014、Reuters, May 30, 2014、SANA, May 30, 2014、UPI, May 30, 2014などをもとに作成。

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大統領選挙をめぐる動き(2014年5月30日)

大統領選挙に立候補しているハッサーン・アブドゥッラー・ヌーリー元国務大臣は、ダマスカスのシェラトン・ホテルで国民民主陣営諸勢力連立の代表らと会談し、自身の選挙綱領などについて意見を交わした。

SANA, May 30, 2014
SANA, May 30, 2014

会談でヌーリー元国務大臣は、28日と29日にレバノンの首都ベイルートで行われた大統領選挙在外投票について、「シリア、シリア・アラブ軍支持、テロとの戦いにおける軍司令官(アサド大統領)支持をめぐる国民合意」の結果としたうえで、「政治問題、テロとの戦い、シオニスト政体との戦い、パレスチナ支持という点で、バッシャール・アサド候補と意見が一致している」と強調した。

SANA(5月30日付)が伝えた。

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シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)は政治決議を発表、そのなかで「狂信的独裁体制による殺戮、破壊、住民追放」を非難、クルド人に対して6月3日に投票が行われる「大統領選挙劇場」をボイコットするよう呼びかけた。

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Naharnet, May 30, 2014
Naharnet, May 30, 2014

NNA(5月30日付)によると、レバノンの北部県アッカール郡ヒルバト・ダーウド村で、6月3日に投票が行われるシリア大統領選挙に反対する座り込みが行われ、「(ベイルートの)シリア大使館でバッシャール・アサドに投票したほとんどは、シリア人などではない」と主張、選挙をボイコットするよう訴えた。

AFP, May 30, 2014、AP, May 30, 2014、ARA News, May 30, 2014、Champress, May 30, 2014、al-Hayat, May 31, 2014、Kull-na Shuraka’, May 30, 2014、al-Mada Press, May 30, 2014、Naharnet, May 30, 2014、NNA, May 30, 2014、Reuters, May 30, 2014、SANA, May 30, 2014、UPI, May 30, 2014などをもとに作成。

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シリア政府・反体制派・米国による交渉に向けた動き(2014年5月30日)

『ハヤート』(5月30日付)は、複数の消息筋の話として、シリア政府に近い高官・ビジネスマン、国内で活動する反体制組織幹部が、レバノンの首都ベイルートでリチャード・マーフィー元駐シリア米大使らと6月1日に会談し、「シリアの危機解決をめぐる新たな政策案を協議し、バラク・オバマ大統領への提言をめざしている、と報じた。

同報道によると、この会談には、シリア商業会議所連合元会長のラーティブ・シャッラーフ氏、ダマスカス商業会議所のガッサーン・カッラーア会長、アスマー・アフラス大統領夫人の親戚でビジネスマンのタリーフ・アフラス氏、民主的変革諸勢力国民調整委員会在外局長のハイサム・マンナーア氏、シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン氏らが招聘されている、という。

なおカタールの首都ドーハにある米ブルッキングス研究所のサルマーン・シャイフ代表によると、反体制組織代表とシリア政府に近い高官らによる同様の会談は6月5日にノルウェーの首都オスローでも計画されている、という。

al-Hayat, May 30, 2014をもとに作成。

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