諸外国の動き(2014年5月7日)

国連安保理事会は、大量破壊兵器の拡散防止を定めた安保理決議第1540号(2004年)の遵守などをもとめる議長声明を採択した(http://www.un.org/News/Press/docs//2014/sc11382.doc.htm)。

『ハヤート』(5月9日付)によると、会合では、サウジアラビアのアブドゥッラ・ムアッリミー国連代表大使が、シリアでの化学兵器廃棄プロセスをアサド政権が遵守していないと批判、懸念を表明した。

一方、シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、シリア国内において西側諸国や周辺諸国の支援を受けた「テロ組織」が民間人や軍に対して再三にわたって化学兵器を使用していると非難した。

al-Hayat, May 9, 2014などをもとに作成。

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イラクの動き(2014年5月7日)

イラキー・ニュース(5月7日付)によると、アンバール県西部にあるヒート市の病院の入り口で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が自爆攻撃を行い、治安部隊隊員9人が死亡した。

AFP, May 7, 2014、AP, May 7, 2014、ARA News, May 7, 2014、Champress, May 7, 2014、al-Hayat, May 8, 2014、Iraqinews.com, May 7, 2014、Kull-na Shuraka’, May 7, 2014、Naharnet, May 7, 2014、NNA, May 7, 2014、Reuters, May 7, 2014、SANA, May 7, 2014、UPI, May 7, 2014などをもとに作成。

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レバノンの動き(2014年5月7日)

ナビーフ・ビッリー国民議会議長は、大統領選挙(第2回投票)のための臨時会が定足数に達しなかったことを受け、会合を5月15日に延期すると決定した。

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レバノン・カターイブ党最高党首のアミーン・ジュマイイル元大統領と自由国民潮流代表のミシェル・アウン議員(元国軍司令官)が会談し、大統領選挙への対応について協議した。

ナハールネット(5月7日付)によると、両者は、5月25日のミシェル・スライマーン大統領任期終了までに国会で投票を行うことが重要だとの点で意見が一致、「憲政上の真空」発生への懸念を表明した。

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サジュアーン・カッズィー労働大臣(レバノン・カターイブ党)は、アミーン・ジュマイイル元大統領の大統領選挙への立候補に関して、「国民議会での投票のための臨時会が開催される目処が立つまで、ジュマイイル氏が立候補表明を延期した」と述べた。

ナハールネット(5月7日付)が伝えた。

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クウェート紙『アンバー』(5月7日付)は、マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教がミシェル・スライマーン大統領の任期延長を提案したとの『アフバール』(6日付)報道に関して、総大司教がこれを否定している、と報じた。

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NNA(5月7日付)によると、ベカーア県バアルベック軍アイン・ジャウザ村にロケット砲弾が着弾した。

この砲撃に関して、バアルベック・スンナ派自由人旅団が声明を出し、「トゥファイル村郊外へのアサド政権による砲撃への報復」と述べ、犯行を認めた。

AFP, May 7, 2014、al-Anba’, May 7, 2014、AP, May 7, 2014、ARA News, May 7, 2014、Champress, May 7, 2014、al-Hayat, May 8, 2014、Iraqinews.com, May 7, 2014、Kull-na Shuraka’, May 7, 2014、Naharnet, May 7, 2014、NNA, May 7, 2014、Reuters, May 7, 2014、SANA, May 7, 2014、UPI, May 7, 2014などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2014年5月7日)

『ハヤート』(5月8日付)などによると、ヒムス市旧市街の「停戦合意」が発効し、反体制武装集団戦闘員がシリア政府の用意したバスなどに乗って、ヒムス県北部に向かって退去した。

ARA News, May 7, 2014
ARA News, May 7, 2014

シリア政府との交渉に参加した反体制活動家の一人アブー・ハーリス・ハーリディー氏やAFP(5月7日付)に、午前10時頃、民間人、負傷した戦闘員など約120人を乗せたバス3台がヒムス市旧市街を出発し、ダール・カビーラ村に向かったと述べた。

シリア人権監視団によると、ヒムス市旧市街を退去した「自由シリア軍」およびジハード主義武装集団の戦闘員第一陣の数は400人に上り、引き続き1,200人以上の戦闘員とその家族が退去を予定しているという。

一方、ヒムス市旧市街からの退去の「見返り」として反体制武装集団が予定しているシリア軍兵士、民間人らの釈放、アレッポ市ヌッブル市、ザフラー町への人道支援物資搬入許可に関して、ロイター通信(5月7日付)は、活動家からの情報として、反体制武装集団が釈放する捕虜らのなかに、ロシア人1人とイラン人多数が含まれていると報じた。

またシリア人権監視団は、「停戦合意」に従って、反体制武装集団がアレッポ県やラタキア県で拉致した捕虜45人を釈放したとしたうえで、そのなかに、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が2013年8月にラタキア県北部の農村で拉致した子供12人と女性3人の合わせて15人(アラウィー派)が含まれていると発表した。

なお同監視団によると、ヌッブル市、ザフラー町への人道支援物資の搬入は確認されていないという。

関連情報:https://syriaarabspring.info/wp/?p=7685https://syriaarabspring.info/wp/?p=7878https://syriaarabspring.info/wp/?p=7894https://syriaarabspring.info/wp/?p=7935

一方、SANA(5月7日付)によると、アブー・アラーヤー村、ダール・カビーラ村、フーシュ・ハッジュー村、アイドゥーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市旧市街からの反体制武装集団の退去を受けるかたちで、アレッポ市シャッアール地区でデモが発生し、シャームの民のヌスラ戦線への支持を訴えた。

デモ参加者は「アッラーの他に神なし、バッシャールはアッラーの敵を愛する愛するアッラーの敵だ」とのスローガンを連呼し、ヌスラ戦線の黒旗、「国民和解を地獄に落ちろ」などと書かれたプラガードを掲げたという。

一方、SANA(5月7日付)によると、アレッポ市ラームーサ地区、ライラムーン地区、ジャンドゥール交差点、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、カフルハムラ村、フライターン市、アナダーン市、ダーラト・イッザ市、ハーン・アサル村、ハンダラート・キャンプ、アレッポ中央刑務所周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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Kull-na Shuraka', May 7, 2014
Kull-na Shuraka’, May 7, 2014

ダルアー県では、「アッラーは偉大なり」の戦い」に参加する「自由シリア軍」(参謀委員会)南部戦線のハムザ師団が、声明を出し、大ムタウワク丘陵、小ムタウワク丘陵、ヒルバト・ファーディー村を制圧したと発表した。

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ダイル・ザウル県では、ARA News(5月7日付)によると、ジュダイド・アカイダート村、スブハ村、ダフラ村、ジュダイド・バッカーラ村で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が住民約20人を処刑した。

シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム戦線、自由シリア軍の戦闘員を家族に持つというのが処刑の理由だという。

また、シリア人権監視団によると、ジュダイド・バッカーラ村およびジュダイド・タービヤ村をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が襲撃、シャームの民のヌスラ戦線などと交戦の末、ジュダイド・バッカーラ村全土とジュダイド・タービヤ村の一部を制圧した。

この戦闘でヌスラ戦線側の戦闘員20人が死亡したという。

このほか、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ラサーダ地区で郡とジハード主義武装集団が交戦した。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(5月7日付)が信頼できる複数の消息筋の話として、サイイダ・ザイナブ町で、イラン人シーア派民兵のフサイン大隊のメンバーが、武装したアラウィー派青年(人民諸委員会)と争いになり、双方の発砲により複数人が負傷した、と報じた。

一方、SANA(5月7日付)によると、ムライハ市およびその周辺、アーリヤ農場、ドゥマイル市郊外、アウジャーン農場、ジャイルード市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(5月7日付)によると、サラーキブ市、マアッラト・ヌウマーン市、アブー・ズフール町、タッル・サラムー村、ジュッブ・アフマル村、ジャドラーヤー村、ラーミー村、マルイヤーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(5月7日付)によると、ダルアー市郵便局、スワイダーン通り、ヨルダン通り、ミスリー交差点東部、旧税関地区、ジャバーブジャ地区、サムリーン村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、ARA News(5月7日付)によると、タッル・アブヤド市南部のビール・タマフ村をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が襲撃し、村の若者ほぼ全員を拘束した。

AFP, May 7, 2014、AP, May 7, 2014、ARA News, May 7, 2014、Champress, May 7, 2014、al-Hayat, May 8, 2014、Iraqinews.com, May 7, 2014、Kull-na Shuraka’, May 7, 2014、Naharnet, May 7, 2014、NNA, May 7, 2014、Reuters, May 7, 2014、SANA, May 7, 2014、UPI, May 7, 2014などをもとに作成。

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シリア政府の動き(2014年5月7日)

SANA(5月7日付)によると、アサド大統領は、「国民和解」に貢献するダマスカス郊外県の名士らと会談した。

SANA News, May 7, 2014
SANA News, May 7, 2014

会談で、アサド大統領は、シリア全土での国民和解プロセスの推進継続を支援する意向を示したという。

AFP, May 7, 2014、AP, May 7, 2014、ARA News, May 7, 2014、Champress, May 7, 2014、al-Hayat, May 8, 2014、Iraqinews.com, May 7, 2014、Kull-na Shuraka’, May 7, 2014、Naharnet, May 7, 2014、NNA, May 7, 2014、Reuters, May 7, 2014、SANA, May 7, 2014、UPI, May 7, 2014などをもとに作成。

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シリア反体制勢力の動き(2014年5月7日)

米国を訪問中のシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はUSIPで講演を行った。

講演のなかでジャルバー議長は、シリアの紛争が「シリア国民の能力を越えた」としたうえで、「アサド政権は、国民にスカッド、化学兵器、樽爆弾、拷問房を使用する北朝鮮に近い」と批判した。

また訪米の目的が「米国世論に我々が抱える問題を理解してもらう」ことにあるとしたうえで、「我々はテロリストでも傭兵でもない」と訴えた。

そして「ジュネーブ会議頓挫後の政治的解決を再生」するべきだと強調、そのために「現地のパワー・バランスを変えるための抑止的・効果的な兵器が欲しい」と訴えた。

「自由シリア軍」の活動については、アル=カーイダの系譜を汲む「ダーイシュ(イラク・シャーム・イスラーム国)というガンと戦っている」と主張する一方、「アサド政権はダーイシュと協力しており、米国民はアサド政権がアル=カーイダをイラクに輸出してきたことを知っているはずだ」と断じた。

ジャルバー議長はさらに「アル=カーイダのテロに加えて、ヒズブッラーという名のテロ集団がおり、イランによって支援され、シリア人を殺戮している」としたうえで、アサド政権が「ベイルート空港とイラク領空を経由し、イランから武器を受け取っている」と非難した。

他方、ダーイシュと同じくアル=カーイダの系譜を汲むシャームの民のヌスラ戦線については、「アル=カーイダの思想を拒否し、承認しない」としつつ、「ダーイシュはアサド政権と戦っていないが、ヌスラは戦っている」と付言した。

6月3日に投票が予定されている大統領選挙に関しては「今後数年間も殺戮のライセンスをアサドに与えることになる」と述べ、拒否の姿勢を示した。

AFP, May 7, 2014、AP, May 7, 2014、ARA News, May 7, 2014、Champress, May 7, 2014、al-Hayat, May 8, 2014、Iraqinews.com, May 7, 2014、Kull-na Shuraka’, May 7, 2014、Naharnet, May 7, 2014、NNA, May 7, 2014、Reuters, May 7, 2014、SANA, May 7, 2014、UPI, May 7, 2014などをもとに作成。

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大統領選挙をめぐる動き(2014年5月7日)

最高憲法裁判所のマージド・フドラ報道官は、5月5日から7日にかけての3日間で、立候補届を却下された立候補者21人のうち6人から異議申立書の提出があったと発表した。

異議申立を行ったのはアフマド・アリー・クサイア氏、アリー・ハサン・ハサン氏、バシール・ムハンマド・バラフ氏、サミール・ミーハーイール・ムーサー氏、サミール・アフマド・マアッラー氏。

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SANA News, May 7, 2014
SANA News, May 7, 2014

SANA(5月7日付)によると、ダルアー県イズラア市で、軍による「テロとの戦い」と大統領選挙実施支持を訴えるデモが行われ、市民数千人が参加し、アサド大統領への支持を訴えた。

 

AFP, May 7, 2014、AP, May 7, 2014、ARA News, May 7, 2014、Champress, May 7, 2014、al-Hayat, May 8, 2014、Iraqinews.com, May 7, 2014、Kull-na Shuraka’, May 7, 2014、Naharnet, May 7, 2014、NNA, May 7, 2014、Reuters, May 7, 2014、SANA, May 7, 2014、UPI, May 7, 2014などをもとに作成。

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