イラク・クルディスターン地域のバールザーニー前大統領は「オリーブの枝」作戦の停止を求める(2018年1月23日)

イラク・クルディスターン地域のマスウード・バールザーニー前大統領(イラク・クルディスタン民主党党首)は、トルコ軍によるアレッポ県アフリーン市一帯への攻撃に関して声明を出し、「この地域における危機や問題を解決する最善の方途は和平だ」と述べるとともに、「トルコ軍の動きをみなが懸念している」と表明、「ただちに攻撃を停止し、民間人を標的としない」よう呼びかけた。

AFP, January 23, 2018、ANHA, January 23, 2018、AP, January 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018、al-Hayat, January 24, 2018、Reuters, January 23, 2018、SANA, January 23, 2018、UPI, January 23, 2018などをもとに作成。

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化学兵器使用不処罰に反対する国際パートナーシップ発足会議がパリで開催、ティラーソン国務長官はシリアでの化学兵器使用についてロシアの責任を追及(2018年1月23日)

フランスの首都パリで、「化学兵器使用不処罰に反対する国際パートナーシップ発足会議」が開催され、主催国であるフランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外務大臣、レックス・ティラーソン米国務長官のほか、英国、ドイツ、ヨルダン、サウジアラビアなど約40カ国や国際機関の代表が出席し、シリアなどで使用が疑われる化学兵器の根絶に向け、情報共有をはじめとする対策を強化する方針で合意した。

会議では、ティラーソン国務長官が、シリアでの化学兵器使用問題について言及、ロシアに責任があると追及するとともに、ダマスカス郊外県ドゥーマー市で22日に塩素ガスが使用されたとの情報が流れたことを受け、シリア政府が「おそらく再び化学兵器を使用した」と述べた。

『ハヤート』(1月24日付)によると、ティラーソン国務長官が、シリア情勢の安定化と政治解決に向けた米国の政策にかかる計画を示した「文書」が提示されたが、同文書回付について言及した西側諸国・アラブ諸国の外交官らはその内容については明らかにしなかった。

AFP, January 23, 2018、ANHA, January 23, 2018、AP, January 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018、al-Hayat, January 24, 2018、Reuters, January 23, 2018、SANA, January 23, 2018、UPI, January 23, 2018などをもとに作成。

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米国防長官、フランス外務大臣はトルコに自制を求める(2018年1月23日)

米国のジェームズ・マティス国務長官は、訪問中のインドネシアの首都ジャカルタで、シリア情勢について言及、そのなかでアレッポ県アフリーン市一帯で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対する攻撃を続けるトルコに対して、自制を求めた。

マティス国務長官は「我々はトルコが抱いている安全保障上の恐怖を真摯に受け止めている。だが、アフリーンでの暴力は、比較的安定していた地域の混乱をもたらしかねない…。(トルコ政府は)軍事作戦や言動において自制し…、その作戦の規模や帰還を限定的にとどめるよう務めることを求める」と述べた。

そのうえで「ダーイシュ(イスラーム国)やアル=カーイダといった組織を利用」しないよう警告した。

『ハヤート』(1月24日付)が伝えた。

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フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外務大臣は、化学兵器使用不処罰に反対する国際パートナーシップ発足会議が開催されたパリで、トルコ軍によるアレッポ県アフリーン市一帯への攻撃について言及、そのなかで「国境治安に関してトルコが抱いている懸念を我々は理解しているが、我々はトルコ政府に、最大限の自制を求めざるを得ない」と述べた。

なお、フランスは22日、アレッポ県アフリーン市一帯での緊張に対処するため国連安保理への対応を求め、緊急会合が開かれたが、何らの成果も見ないまま閉会していた。

AFP, January 23, 2018、ANHA, January 23, 2018、AP, January 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018、al-Hayat, January 24, 2018、Reuters, January 23, 2018、SANA, January 23, 2018、UPI, January 23, 2018などをもとに作成。

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ロジャヴァ(ジャズィーラ地区)は総動員令を発動、住民に戦闘への参加を呼びかける(2018年1月23日)

西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区(ハサカ県)は声明を出し、「総動員令」を発し、すべての住民に対してアフリーン市防衛に参加するよう呼びかけた。

「総動員令」に関して、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のライザーン・ハッドゥー顧問は、「総動員令は、シリアのすべてのクルド人に武器を持つことを呼びかけ…人民防衛隊への従軍経験のあるすべての若者に再び従軍するよう呼びかける」ものだと述べた。

AFP, January 23, 2018、ANHA, January 23, 2018、AP, January 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018、al-Hayat, January 24, 2018、Reuters, January 23, 2018、SANA, January 23, 2018、UPI, January 23, 2018などをもとに作成。

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トルコのカルン大統領府報道官「オリーブの枝作戦はシリア難民350万人を帰宅させるまで続けられる」(2018年1月23日)

トルコのイブラヒム・カルン大統領府報道官は、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領を議長として首都アンカラで招集された国家安全保障会議後、「オリーブの枝」作戦に関して、「この地域(アレッポ県アフリーン市一帯)から分離主義的テロ組織を完全に浄化し、我々が客人として招いているシリア人350万人を帰還させ、安全に帰宅するまで続けられるだろう」と述べた。

AFP, January 23, 2018、ANHA, January 23, 2018、AP, January 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018、al-Hayat, January 24, 2018、Reuters, January 23, 2018、SANA, January 23, 2018、UPI, January 23, 2018などをもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務大臣「オリーブの枝作戦では、シリア軍、ロシア軍、あるいは米軍とのいかなる交戦も回避する」(2018年1月23日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、アレッポ県アフリーン市一帯でトルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団が続行している「オリーブの枝」作戦に関して、「シリア北部での作戦において、シリア政府軍、ロシア軍、あるいは米軍とのいかなる交戦も回避するべく行動する」と述べた。

『ハヤート』(1月24日付)が伝えた。

AFP, January 23, 2018、ANHA, January 23, 2018、AP, January 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018、al-Hayat, January 24, 2018、Reuters, January 23, 2018、SANA, January 23, 2018、UPI, January 23, 2018などをもとに作成。

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シャーム解放機構幹部のサウジ人説教師はロジャヴァを「無神論者の共産党」と非難(2018年1月23日)

シャーム解放機構幹部メンバーの一人でサウジアラビア人説教師のアウドゥッラー・ムハイスィニー氏は自身のテレグラムのアカウントを通じてコメントを連投、そのなかでトルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が開始した「オリーブの枝」作戦に関して、クルド民族主義とクルディスタン労働者党(PKK)を区別するべきだと主張した。

ムハイスィニー氏は、「トルコ人、アラブ人と同じく、偉大なる民族であるクルド人と、共産党のような「無神論のPKK(クルディスタン労働者党)」を混同する者がおり、なかには「無神論のクルド人」などと言う者もいる。だが、これは誤った言い方で、クルド人は、アラブ人やトルコ人などと同じく、義しい者と悪しき者の両方からなる民族なのだ…。スンナ派のクルド人は我々の同胞であることを知るには…、パレスチナを征服したサラーフッディーン・アイユービーを思い起こすだけで十分だろう…。また現代に関して言うと、シリア革命に対する彼らの優れた姿勢を見ればだけで十分だろう…。しかし、(西クルディスタン移行期民政局を主導する)民主統一党(PYD)やPKKは、無神論者の共産党で…、シャームの革命を生き埋めにしようとしている」と述べた。

 

al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018
al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018

AFP, January 23, 2018、ANHA, January 23, 2018、AP, January 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018、al-Hayat, January 24, 2018、Reuters, January 23, 2018、SANA, January 23, 2018、UPI, January 23, 2018などをもとに作成。

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アフリーン市一帯でトルコ軍の越境爆撃・砲撃、YPG主体のシリア民主軍と反体制武装集団の戦闘続く(2018年1月23日)

アレッポ県では、ANHA(1月23日付)によると、「オリーブの枝」作戦を続行するトルコ軍が、ジャンディールス町一帯およびラージュー町一帯の村々を越境爆撃・砲撃した。
トルコ軍はまた、ラージュー町近郊のマイダーン・アクバス村を走行中の車を標的として攻撃を行った。

これらの攻撃で少なくとも10人が負傷した。

ANHA, January 23, 2018

一方、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の報道官によると、アフリーン市近郊のラアス・アイン村に対する攻撃で、3人が死亡した。

これに対して、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、ブルブル町近郊の国境地帯に位置するカルナ村に侵攻した反体制武装集団に対する掃討戦を開始した。

また、タッル・リフアト市近郊のタッル・ジージャーン村に潜入を試みた反体制武装集団と交戦し、これを撃退した。

なお、『ハヤート』(1月24日付)によると、トルコ軍は越境爆撃・砲撃の範囲を拡げ、ブルブル町一帯、ラージュー町一帯、ジャンディールス町一帯、カスタル・ジャンドゥー村一帯、シヤーフ村一帯でトルコ軍の支援を受ける反体制武装集団がシリア民主軍と交戦し、ラージュー町近郊のウマル村、ウーシャーギー村、アーダ・マーンリー村近郊の5つの丘を新たに制圧した。

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トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、ツイッターのアカウントで、1月18日から23日までの5日間で、トルコ軍兵士2人が死亡したことを明らかにした。

また、シリア人権監視団によると、これまでの戦闘で、トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団の戦闘員25人、人民防衛隊隊員26人の死亡が確認されているほか、子供6人を含む民間人24人がトルコ軍の攻撃で死亡したという。

AFP, January 23, 2018、ANHA, January 23, 2018、AP, January 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018、al-Hayat, January 24, 2018、Reuters, January 23, 2018、SANA, January 23, 2018、UPI, January 23, 2018などをもとに作成。

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東京の国連大学前で「クルディスタン人」がトルコのアフリーン市一帯への攻撃に抗議(2018年1月23日)

ANHA(1月23日付)は、日本在住の「クルディスタン人」が東京の国連施設(国連大学前)で、トルコによるアレッポ県アフリーン市一帯への空爆・砲撃に抗議する座り込みデモを行ったと伝えた。

デモには数十人が参加、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)旗、女性防衛部隊(YPJ)旗、アブドゥッラ・オジャラン氏の写真などを掲げ、「エルドアンはテロリスト」「アフリーンのレジスタンス万歳」といったスローガンを連呼、トルコによる越境攻撃を非難するとともに、アフリーンでの抵抗への連帯を表明した。

ANHA, January 23, 2018
ANHA, January 23, 2018
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AFP, January 23, 2018、ANHA, January 23, 2018、AP, January 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018、al-Hayat, January 24, 2018、Reuters, January 23, 2018、SANA, January 23, 2018、UPI, January 23, 2018などをもとに作成。

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ロジャヴァ支配下のハサカ県各所でアラブ系住民らがトルコのアフリーン市一帯への攻撃に抗議するデモを実施(2018年1月23日)

ハサカ県では、ANHA(1月23日付)によると、西クルディスタン移行期民政局とシリア政府が分割統治するカーミシュリー市で、アラブ系部族のシャイフらの呼びかけによって、トルコ軍によるアレッポ県アフリーン市一帯への攻撃に抗議するデモが組織され、数百人が参加した。

デモには、各地の自治評議会メンバー、ジュブール部族、バニー・サブア部族、タイ部族、シャッラービーン部族、マアーミラ部族の子息が参加するとともに、西クルディスタン移行期民政局の女性防衛部隊(YPJ)の戦闘員もこれに加わったという。

また、タッル・ハミース市、タッル・ブラーク町、ヤアルビーヤ(タッル・クージャル)町、シャッダーディー市、アリーシャ町、ハサカ市グワイラーン地区、タッル・バイダル村などでも、アラブ系住民が中心となって同様のデモが行われたという。

ANHA, January 23, 2018

AFP, January 23, 2018、ANHA, January 23, 2018、AP, January 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018、al-Hayat, January 24, 2018、Reuters, January 23, 2018、SANA, January 23, 2018、UPI, January 23, 2018などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構に近いイバー通信は過去50日の戦果をインフォグラフィアで発表(2018年1月23日)

アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構に近いイバー通信(1月23日付)は、過去50日間(2017年12月~)のハマー県、イドリブ県、アレッポ県でのシリア軍との戦闘での戦果を図示したインフォグラフィアを公開した。

それによると、シャーム解放機構は、戦車、装甲車、車輌な24輌を破壊、7輌に損害を与えるとともに、27輌を捕獲、偵察機(無人航空機)2機、戦闘機1機を撃墜し、兵士350人以上を殺害、400人以上を負傷させ、37人を捕捉したという。

al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018

AFP, January 23, 2018、ANHA, January 23, 2018、AP, January 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018、al-Hayat, January 24, 2018、Reuters, January 23, 2018、SANA, January 23, 2018、UPI, January 23, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はラタキア県でシャーム解放機構と交戦(2018年1月23日)

ラタキア県では、SANA(1月23日付)によると、シリア軍がラビーア町近郊のサッラーフ村方面に侵攻したシャーム解放機構と交戦、戦闘員13人を殲滅、これを撃退した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(1月23日付)によると、東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団がワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプを砲撃した。

AFP, January 23, 2018、ANHA, January 23, 2018、AP, January 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018、al-Hayat, January 24, 2018、Reuters, January 23, 2018、SANA, January 23, 2018、UPI, January 23, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは3件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2018年1月23日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(1月23日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(アレッポ県1件、ラタキア県2件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも3件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県2件、ダルアー県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 23, 2018をもとに作成。

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トランプ米政権発足以降、有志連合はシリア、イラクへの爆撃を倍増(2018年1月23日)

『ガーディアン』(1月23日付)は、バラク・オバマ政権からドナルド・トランプ政権へと米国で政権が交代した2017年の有志連合によるシリア、イラク領内での攻撃は、前年に比べて約50%増加していたとするジュリアン・ボーガー氏のレポート(https://www.theguardian.com/us-news/2018/jan/23/us-air-wars-trump)を掲載した。

The Guardian, January 23, 2018

AFP, January 23, 2018、ANHA, January 23, 2018、AP, January 23, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 23, 2018、al-Hayat, January 24, 2018、Reuters, January 23, 2018、SANA, January 23, 2018、UPI, January 23, 2018などをもとに作成。

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米主導の有志連合はダイル・ザウル県にあるダーイシュの司令部を爆撃し、145~150人を殲滅(2018年1月23日)

米中央軍(CENTCOM)は、有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)が20日、ダイル・ザウル県のユーフラテス川河畔のシャファア村近郊でダーイシュ(イスラーム国)の司令部に対して「精密照準爆撃」(precision strikes)を行い、145~150人のテロリストを殲滅したと発表した。

CENTCOM, January 23, 2018をもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「オリーブの枝作戦をめぐってロシアと合意済み」(2018年1月22日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は首都アンカラで、20日にトルコ軍が開始を宣言した「オリーブの枝」作戦に関して、「アフリーンの問題は解決されるだろう。我々は後退はしない。この件に関してロシアの友人と話し合ってきた。我々は合意済みだ」と述べた。

『ハヤート』(1月23日付)などが伝えた。

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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ティラーソン米国務長官「テロ組織から国民を防衛するというトルコの合法的な権利を理解・評価」(2018年1月22日)

レックス・ティラーソン米国務長官は、アレッポ県アフリーン市一帯に対するトルコ軍による「オリーブの枝」作戦に関して、「テロ組織から国民を防衛するというトルコの合法的な権利を完全に理解し、評価している」と述べた。

また「米政府はトルコが合法的に抱いている安全保障上の恐怖を沈めるために何ができるかを把握しようとしている」と付言、トルコ政府と西クルディスタン移行期民政局の双方に対して「自制」と「民間人の被害の回避」を求めるとともに、トルコや「現地の一部勢力」と、トルコが設置をめざしている「安全地帯」の設置方法について検討するとの意思を表明した。

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また、英国のテリーザ・メイ首相も、作戦を「国境治安に関わる正当な」行為とみなし、理解を示した。

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣「クルド人の代表者はソチでのシリア国民対話大会参加者のリストに名を連ねている」(2018年1月22日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ジュネーブ会議に参加する反体制派の一つ最高交渉委員会の使節団(ナスル・ハリーリー氏ら)と首都モスクワで会談した。

『ハヤート』(1月23日付)によると、ラブロフ外務大臣は会談で、シリア国民対話大会に関して、「クルド人の代表者は大会参加者のリストに名を連ねている」としたうえで、「シリアのクルド人は将来の政治プロセスにおいて役割を担う必要がある」と強調した。

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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エジプト外務省はソチでのシリア国民対話大会への招待状をロシアから受け取ったと発表(2018年1月22日)

エジプト外務省(アフマド・アブー・ザイド報道官)は声明を出し、1月29~30日にソチでの開催が予定されているシリア国民対話大会に関して、「ロシア側からの招待状を受け取った」と発表した。

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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アル=カーイダと共闘する「穏健な反体制派」はイドリブ県、ハマー県から「オリーブの枝」作戦への転戦を否定(2018年1月22日)

アル=カーイダ系のシャーム解放機構と共闘関係にある「穏健な反体制派」のヌールッディーン・ザンキー運動のアブドゥッサラーム・アブドゥッラッザーク報道官(大尉)は、戦闘員2,500人をイドリブ県南東部およびハマー県北東部から、トルコ軍が「オリーブの枝」作戦を遂行するアレッポ県アフリーン市一帯に転戦させたとする一部情報を「不正確だ」と述べて、否定した。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月22日付)が伝えた。

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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シャーム軍団幹部は「オリーブの枝」作戦に参加する組織名を明らかに(2018年1月22日)

トルコ軍とともに「オリーブの枝」作戦に参加する反体制武装集団からなる「オリーブの枝」合同作戦司令室メンバーのヤースィル・アブドゥッラヒーム大尉(シャーム軍団)は、AFP(1月22日付)に対して、作戦に参加する組織名を明らかにした。

アブドゥッラヒーム大尉によると、「オリーブの枝」作戦に参加しているのは、シャーム軍団、シャーム戦線、スルターン・ムラード師団、ムウタスィム旅団など。

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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アスタナ会議に参加するシリア軍事革命諸勢力代表団は声明で「オリーブの枝」作戦への参加・支援を認める(2018年1月22日)

アスタナ会議に反体制武装集団の代表として参加するシリア軍事革命諸勢力代表団は声明を出し、20日にトルコ軍が開始を宣言したアレッポ県アフリーン市一帯の西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊8YPG)主体のシリア民主軍に対する「オリーブの枝」作戦に参加していることを認め、その理由を明らかにした。

代表団は声明で「シリア革命に敵対する分離主義者のYPGと民主統一党(PYD)をシリアの領土から浄化するための「オリーブの枝」作戦を支援、これに参加している。これらの組織はシリア国民に対して膨大な罪を犯してきた」としたうえで、「作戦はシリアの住民数十万人を、PYDが奪った土地に帰還させ、PYDの不正と抑圧のもとで虐げられている数百万人を救出することを目的としている」と述べた。

そのうえで、国際社会に対しこの分離主義テロ組織への支援を行わないよう呼びかけるとともに、米国に対して国際法や国連安保理の諸決議に準じるよう求めた。

al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018

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シリア革命反体制勢力国民連立も声明を出し、20日にトルコ軍が開始を宣言した「オリーブの枝」作戦への支持を表明した。

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はハサカ県ラアス・アイン市を砲撃し、YPG主体のシリア民主軍の兵士7人を殺害(2018年1月22日)

ハサカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月22日付)によると、トルコ軍がラアス・アイン市にあるマハッタ穀物サイロ一帯を砲撃し、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員7人が死亡、多数が負傷した。

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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YPG司令官「ロシアは「オリーブの枝」作戦をめぐって我々を裏切った」(2018年1月22日)

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)の司令官の一人スィーバーン・ハンムー氏は、トルコ軍による「オリーブの枝」作戦に関して、「ロシアが裏切った」と非難した。

ANHA(1月22日付)によると、ハンムー氏は「ロシアには原則がなくなってしまった。ロシアの政策は、トルコの側につくもので、我が人民に敵対する陣営に実を置いてしまっている…。ロシアといくつかの合意を交わしていた。しかし、ロシアは一夜にしてこれらの合意を打ち砕き、我々を裏切った。この変化は、悪徳国家ロシアのウソを暴くものだ…。ロシアがトルコといくつかの問題で合意に達し、欲しいものを手にしたことは明らかだ。今日のロシアの姿勢は、それゆえに原則を欠いたものだ。ロシアとトルコにはっきりと言いたい。共謀できておめでとう、と」と述べた。

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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アフリーン市一帯でトルコ軍・反体制派とYPG主体のシリア民主軍の攻防続く(2018年1月22日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月22日付)によると、「オリーブの枝」作戦を続行するトルコ軍地上部隊とその支援を受ける反体制武装集団(自由シリア軍)が、ブルブル町近郊で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と交戦、シャイフ・ワッバスィー村、マルスー村、ハフタール村を制圧した。

戦闘に先立ち、キリス県の国境地帯に展開するトルコ軍がブルブル町一帯のシリア民主軍拠点に対して越境砲撃を行った。

一方、ANHA(1月22日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がブルブル町近郊のカルナ村に侵攻したトルコ軍および反体制武装集団と交戦し、これを撃退した。

ANHA, January 22, 2018

また、『ハヤート』(1月23日付)によると、反体制武装集団が、アフリーン市東部に位置する拠点都市アアザーズ市とマーリア市間の地域に展開した。

同地に展開した戦闘員は、キリス県からシリア領内に入った戦闘員とみられるが、このほかにもイドリブ県から転戦した者もいるという。

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西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のカイーヌー・カブラーイル報道官はラッカ県アイン・イーサー市で声明を出し、アフリーン市一帯に対するトルコ軍の越境爆撃・砲撃によって、民間人18人が死亡、23人が負傷したと発表した。

また、国境地帯での戦闘で、シリア民主軍はトルコ軍兵士および反体制武装集団戦闘員合わせて40人を殲滅し、300人あまりを負傷させたと発表した。

これに対して、シリア民主軍側の死者は3人に留まっているという。

ANHA, January 22, 2018

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県ブワイダ町に避難生活を送ってきた数百世帯が帰宅(2018年1月22日)

ダマスカス郊外県では、SANA(1月22日付)によると、シリア政府の支配下に復帰したブワイダ町に、避難生活を送っていた住民複数世帯が帰還した。

SANA, January 22, 2018

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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反体制派はシリア軍がドゥーマー市(ダマスカス郊外県)を塩素ガスで攻撃したと主張する一方、ダマスカス県が反体制派の砲撃を受け、民間人9人が死亡(2018年1月22日)

ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月22日付)やシリア人権監視団が複数の現地消息筋の話として伝えたところによると、イスラーム軍などの反体制武装集団の拠点であるドゥーマー市に対してシリア軍が塩素ガスを装填した砲弾9発を撃ち込み、女性と子供を含む民間人20人以上((ホワイト・ヘルメットによると21人が負傷)が呼吸困難などの症状を訴え、医療センターに搬送された。

また、ホワイト・ヘルメットの救援チームが現場に急行し、数十世帯を安全な場所に避難させたという。

al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018

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ダマスカス県では、SANA(1月22日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動を続ける反体制武装集団が迫撃砲で砲撃を行い、砲弾1発がバーブ・トゥーマ地区のバス停留所に着弾し、民間人9人が死亡、21人が負傷した。

砲弾はまた、カッサーア地区、シャーグール地区にも着弾した。

SANA, January 22, 2018

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はアレッポ県南西部、イドリブ県南東部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団への攻勢を続け、8カ村を新たに制圧(2018年1月22日)

アレッポ県では、SANA(1月22日付)によると、シリア軍が同盟部隊とともに県南西部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討作戦を継続し、タルファーウィー村、フマイマート・ダーイル村、西ウライディー村、ティバーラ村を制圧した。

なお、21日もシリア軍は、マズユーナ村、アリーヤ村、ウンム・ワーディー村、ウンム・ティーナ村を制圧している。

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イドリブ県では、SANA(1月22日付)によると、アブー・ズフール航空基地を制圧したシリア軍が予備部隊とともに県南西部でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する掃討作戦を継続し、同基地東部の4カ村を新たに制圧した。

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ダルアー県では、SANA(1月22日付)によると、ダーイル町で反体制武装集団が地元和解委員会メンバーのムハンマド・アブドゥルアズィーズ氏の車に爆弾を仕掛け、爆発させ、同氏を殺害した。

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ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月22日付)によると、ジャバル・イスラーム大隊などトルコマン山一帯で活動を続ける反体制武装集団が「アッラーは彼らがあなたがたの手で苦しめられるようにする」作戦を開始した。

作戦開始とともに、ジャバル・イスラーム大隊の特攻戦闘員(インギマースィー)がサッラーフ村にあるシリア軍拠点に対して特攻攻撃を行い、シリア軍兵士12人が死亡したという。

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは4件の停戦違反を、トルコ側は5件の違反を確認(2018年1月22日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(1月22日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(アレッポ県1件、ラタキア県3件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも5件(イドリブ県2件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県2件、ダルアー県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にアレッポ県の1カ村、ハマー県の2カ村、ヒムス県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,336市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 22, 2018をもとに作成。

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アラブ系部族民兵がハサカ市のYPG検問所を襲撃(2018年1月21日)

ハサカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月22日付)によると、同県のアラブ系部族の子息からなる武装集団が、ハサカ市内の西ヌシューワ地区にある西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の検問所を襲撃した。

AFP, January 22, 2018、ANHA, January 22, 2018、AP, January 22, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 22, 2018、al-Hayat, January 23, 2018、Reuters, January 22, 2018、SANA, January 22, 2018、UPI, January 22, 2018などをもとに作成。

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