トルコのエルドアン大統領「ダイル・ザウル県・ラッカ県の境界にまで安全地帯を伸張できれば、トルコ、欧州などから帰国するシリア難民の数を300万人にまで増加させることができる」(2019年9月24日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は国連総会で一般討論演説を行い、シリア北東部で設置を進めている「安全地帯」に関して、「ダイル・ザウル県・ラッカ県の境界にまで安全地帯を伸張できれば、我が国、欧州、そしてそのほかの世界各地から帰国するシリア難民の数を300万人にまで増加させることができる」と述べた。

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トルコのヤスィン・アクタイ大統領顧問は、北・東シリア自治局の防衛を担う人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との対話の可能性に関して「トルコはシリア民主軍がエスニック国家建設をあきらめ、国境地帯から撤退するまで対話には応じない」と述べた。

アクタイ大統領顧問は「米国はシリア民主軍のために多額の支出を行ったとされる。だから、彼らを見捨てることができない。だが、それは論理的ではない。米国がシリア民主軍に誠実であろうとして、トルコに誠実でなくなることなどということを誰も信用しない…。トルコとシリア民主軍の直接交渉というのは欧州諸国が示したオプションだ。このことは明らかだ。だが現時点で、トルコがシリア民主軍と直接対話を始めることに合意する理由などない」と述べた。


スプートニク・ニュース(9月24日付)が伝えた。

AFP, September 24, 2019、ANHA, September 24, 2019、AP, September 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2019、Reuters, September 24, 2019、SANA, September 24, 2019、SOHR, September 24, 2019、Sputnik News, September 24, 2019、UPI, September 24, 2019などをもとに作成。

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ハサカ県シャッダーディー市でオートバイ使用・持ち込み禁止令に反対するデモが反シリア民主軍デモに発展(2019年9月24日)

ハサカ県では、SANA(9月24日付)によると、北・東シリア自治局支配下のシャッダーディー市で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の市民に対する虐待行為や反対に抗議するデモが行われ、多くの住民が参加、また市内の商店がストライキを行った。

デモ参加者は、シリア民主軍の市内からの退去を求め、その進入を阻止するために市の南側の入り口でタイヤを燃やすなどして道路を封鎖した。


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ザマーン・ワスル(9月24日付)によると、デモは、市内でのオートバイ使用・持ち込み禁止令や、市内のパン製造所のシリア民主軍専用施設への転用といった最近の決定に抗議して市内のオートバイ販売店の店主ら数十人が午前9:30から座り込みを開始したことがきっかけとなった。

デモ参加者はタイヤを焼くなどして道路を封鎖し、有志連合の車列の通行を阻止、ドゥラル・シャーミーヤ(9月24日付)によると、参加者は、シリア民主軍による徴兵に拒否の姿勢を示したという。

その後、10:45頃にシリア民主軍が介入し、デモ参加者と協議、オートバイ使用・持ち込み令と市内のパン製造所をシリア民主軍専用施設に転用する決定を見直すことを約束、道路封鎖を解除した。

スマート・ニュース(9月24日付)によると、デモ参加者との交渉にあたったのは、内務治安部隊(アサーイシュ)の緊急対応部隊(Hevalno Asayîşe Rojava、HAT)の幹部。

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しかし、ハーブール(9月24日付)は、シリア民主軍がデモ参加者を包囲、実弾を発砲して強制排除したと伝えた。

AFP, September 24, 2019、ANHA, September 24, 2019、AP, September 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2019、al-Khabur, September 24, 2019、Reuters, September 24, 2019、SANA, September 24, 2019、SMART News, September 23, 2019、SOHR, September 24, 2019、UPI, September 24, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はカサブ国境通行所を経由してトルコから帰国した若者5人を拘束(2019年9月24日)

ラタキア県では、サウト・アースィマ(9月24日付)によると、シリア軍がカサブ国境通行所を経由して帰国した若者5人を拘束した。

拘束されたのは、ダマスカス郊外県タッル市の和解委員会やシリア軍士官複数名の仲介により政府との和解に応じ、帰国した5人。

5人の家族は国境通行所の治安当局から、5人からの和解要請は拒否されたと伝えられたという。

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ダマスカス郊外県では、サウト・アースィマ(9月24日付)によると、シリア軍治安部隊がドゥマイル市で若者30人以上を拘束した。

AFP, September 24, 2019、ANHA, September 24, 2019、AP, September 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2019、Reuters, September 24, 2019、SANA, September 24, 2019、Sawt al-‘Asima, September 24, 2019、SOHR, September 24, 2019、UPI, September 24, 2019などをもとに作成。

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アレッポ県北部のトルコ占領地域で爆発が相次ぎ、5人死亡(2019年9月24日)

アレッポ県では、ANHA(9月24日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市近郊のジンディールス町のヤラーンクーズィー通りでも大きな爆発が発生し、5人が死亡、12人が負傷した。

またアアザーズ市近郊のアフタリーン市で車に仕掛けられた爆弾が爆発した。

AFP, September 24, 2019、ANHA, September 24, 2019、AP, September 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2019、Reuters, September 24, 2019、SANA, September 24, 2019、SOHR, September 24, 2019、UPI, September 24, 2019などをもとに作成。

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シリア軍がイドリブ県ハーン・シャイフーン市北東部で反体制派と交戦し、拠点複数カ所を制圧(2019年9月24日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから24日目(爆撃を激化させてから145日目)を迎えた9月24日、シリア軍ヘリコプターが「樽爆弾」による爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が各地で散発的に交戦した。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より1人?(民間人0人、シリア軍兵士4人、反体制武装集団戦闘員2人)多い4,155人?となった。

内訳は、民間人1,066人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,414人、反体制武装集団戦闘員1,675人。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃、地上部隊がカッバーナ村一帯を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がアブー・ズフール町西部一帯、放棄された大隊基地、カフルサジュナ村、マアッラト・ハルマ村、シャイフ・ムスタファー村、ラカーヤー村を砲撃、ハーン・シャイフーン市北東のタッル・ジャアファル村丘一帯で反体制武装集団と交戦、拠点複数カ所を制圧した。

これに対して、反体制武装集団がマダーヤー町一帯のシリア軍部隊を砲撃した。

また、トルコ軍の車列がカフルルースィーン村に設置された通行所からシリア領内に入り、トルコ軍部隊が留め置かれているマアッル・ハッタート村に物資を届けた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がサルマーニーヤ村一帯、マシーク村一帯を砲撃した。

AFP, September 24, 2019、ANHA, September 24, 2019、AP, September 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 24, 2019、Reuters, September 24, 2019、SANA, September 24, 2019、SOHR, September 24, 2019、UPI, September 24, 2019などをもとに作成。

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グテーレス国連事務総長はシリア制憲委員会(憲法委員会)の設置が完了したと発表(2019年9月23日)

国連のアントニオ・グテーレス事務総長はニューヨークの国連本部での記者会見で、制憲委員会の設置が完了したと発表した。

制憲委員会(あるいは憲法委員会)は、2018年1月のロシアの避暑地ソチで開催されたシリア国民対話大会で設置合意され、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表が委員150人の人選を調整していた。

150人のうち50人はシリア政府側代表、50人は反体制派側代表、50人はペデルセン氏選出枠(市民社会代表)に配分されることが決まっていた。

グテーレス事務総長によると、制憲委員会は数週間以内にスイスのジュネーブで初会合が開かれる予定だが、具体的な日程については明言しなかった。

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制憲委員会の委員に選ばれた最高交渉委員会メンバーの1人イブラーヒーム・ジャバーウィー准将がスマート・ニュース(9月23日付)に明らかにしたところによると、委員会の人選は、シリア政府が市民社会代表枠のサーム・ダッラ氏、サーミー・ハイミー氏、スライマーン・カルファーン氏が反体制派寄りだという理由で委員となることに難色を示していたことで難航していたという。

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なお、スマート・ニュースによると反体制派側の委員50人は以下の通り:

1. イブラーヒーム・ジャバーウィー(最高交渉委員会、南部中央作戦司令室報道官、准将)
2. バッシャール・ズウビー(最高交渉委員会、南部戦線司令官)
3. バッシャール・ハーッジ・アリー(メディア活動家)
4. ハサン・ハリーリー(医師)
5. ハサン・ウバイド
6. ムハンマド・ヤースィル・ダルワーン(イスラーム軍元政治局長)
7. ムハンマド・ヌーリー・アフマド
8. アブドゥルバースィト・アブドゥッラティーフ(シリア革命反体制勢力国民連立、暫定内閣)
9. ユースフ・カッドゥーラ
10. ヤフヤー・アズィーズ
11. ヤフヤー・アリーディー(最高交渉委員会報道官)
12. ウンス・アブダ(シリア革命反体制勢力国民連立元代表)
13. イリヤス・ムフリジュ(最高交渉委員会)
14. バドル・ジャームース(シリア革命反体制勢力国民連立副代表)
15. バスマ・カドマーニー(無所属)
16. ディーマー・ムーサー(シリア革命反体制勢力国民連立副代表)
17. リヤード・ハサン(シリア革命反体制勢力国民連立)
18. ハウワース・サアドゥーン(シリア・クルド国民評議会)
19. アブドゥルアハド・アスティーフー(シリア革命反体制勢力国民連立元代表)
20. ハーディー・バフラ(シリア革命反体制勢力国民連立元代表)
21. ヒシャーム・ムルーワ(シリア革命反体制勢力国民連立元副代表)
22. ハイサム・ラフマ(シリア革命反体制勢力国民連立)
23. ヤースィル・ファルハーン(シリア革命反体制勢力国民連立)
24. ヤースィル・ハミース
25. アブドゥルマジード・アブドゥルマジード
26. ウルーブ・ミスリー(モスクワ・プラットフォーム)
27. アフマド・フドル
28. アフマド・アスラーウィー
29. ジャマール・スライマーン(最高交渉委員会、カイロ・プラットフォーム)
30. フィラース・ハーリディー(最高交渉委員会)
31. カースィム・ダルウィーシュ
32. アフマド・アフマル
33. アンマール・ナッハース(最高交渉委員会)
34. アシュタール・マフムード(モスクワ・プラットフォーム)
35. ユースフ・サルマーン(最高交渉委員会)
36. ムハンナド・ドゥライカーン(最高交渉委員会)
37. サーミー・バイティンジャーナ(モスクワ・プラットフォーム)
38. カーミーラーン・ハーッジュー(シリア・クルド国民評議会)
39. ヒンダーウィー・アブー・アラブ(最高交渉委員会)
40. マラフ・バカーイー(最高交渉委員会)
41. ターリク・クルディー(最高交渉委員会)
42. アワド・アリー(離反警官)
43. ニブラース・ファーディル(元大統領付経済顧問)
44. マフムード・アトゥール
45. カブリーイル・クーリーヤ(アッシリア民主機構)
46. ムハンマド・ラシード
47. サフワーン・アッカーシュ(最高交渉委員会)
48. イドワール・ハシューワ
49. ムハンマド・アリー・サーイグ
50. ムハンマド・サアディー

AFP, September 23, 2019、ANHA, September 23, 2019、AP, September 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2019、Reuters, September 23, 2019、SANA, September 23, 2019、SMART News, September 23, 2019、SOHR, September 23, 2019、UPI, September 23, 2019などをもとに作成。

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ダーイシュがヒムス県東部でシリア・ロシア軍の部隊を攻撃し、15人を殺害したと発表(2019年9月23日)

ヒムス県では、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(9月23日付)によると、ダーイシュがスフナ市北の砂漠地帯でシリア・ロシア軍の部隊を攻撃し、15人を殺害した。

AFP, September 23, 2019、ANHA, September 23, 2019、AP, September 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2019、Reuters, September 23, 2019、SANA, September 23, 2019、SOHR, September 23, 2019、UPI, September 23, 2019などをもとに作成。

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トルコ空軍のF-16戦闘機複数機が北・東シリア自治局の支配下にある北東部国境地帯で偵察活動を実施(2019年9月23日)

トルコ外務省は声明を出し、トルコ空軍のF-16戦闘機複数機が、北・東シリア自治局の支配下にある北東部の国境地帯で偵察活動を実施したと発表した。

偵察活動は午前10時から12時の約2時間実施された。

AFP, September 23, 2019、ANHA, September 23, 2019、AP, September 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2019、Reuters, September 23, 2019、SANA, September 23, 2019、SOHR, September 23, 2019、UPI, September 23, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はハサカ市で老人を撲殺(2019年9月23日)

ハサカ県では、SANA(9月23日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がハサカ市ヌシューワ地区で78歳の男性老人をひもで縛ったまま、殴打し、殺害した。

AFP, September 23, 2019、ANHA, September 23, 2019、AP, September 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2019、Reuters, September 23, 2019、SANA, September 23, 2019、SOHR, September 23, 2019、UPI, September 23, 2019などをもとに作成。

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ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がシリアでムアッリム外務在外居住者大臣と会談(2019年9月23日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表はシリアを訪問し、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)と会談した。

SANA(9月23日付)によると、会談では制憲委員会の発足にかかる諸問題について意見が交わされた。

AFP, September 23, 2019、ANHA, September 23, 2019、AP, September 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2019、Reuters, September 23, 2019、SANA, September 23, 2019、SOHR, September 23, 2019、UPI, September 23, 2019などをもとに作成。

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シリア軍ヘリコプターが「樽爆弾」による爆撃を再開、シャーム解放機構などが活動を続けるラタキア県北東部を狙う(2019年9月23日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから23日目(爆撃を激化させてから144日目)を迎えた9月23日、シリア軍ヘリコプターが「樽爆弾」による爆撃を再開、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が各地で散発的に交戦した。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より2人(民間人1人、シリア軍兵士1人、反体制武装集団戦闘員0人)多い4,149人となった。

内訳は、民間人1,066人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,410人、反体制武装集団戦闘員1,673人。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃、地上部隊も同地を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県南部、西部の反体制派支配地域を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県東部の放棄された大隊基地一帯、マアッラト・ヌウマーン市、ダイル・シャルキー村、バルサ村、マアッラト・スィーン村、ナキール村、マアッラト・ハルマ村、ラカーヤー村、シャイフ・ムスタファー村、マアッルズィーター村を砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団は、マダーヤー村一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

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ダルアー県では、HFL(9月23日付)によると、ムザイリーブ町入り口で第4師団の兵士1人が何者かに撃たれて死亡した。

また、ジッリーン村とサフム・ジャウラーン村を結ぶ街道でも第4師団の兵士1人が何者かの襲撃を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県14件、ラタキア県9件、アレッポ県9件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を29件(イドリブ県7件、ラタキア県11件、アレッポ県4件、ハマー県7件)確認した。

AFP, September 23, 2019、ANHA, September 23, 2019、AP, September 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2019、HFL, September 23, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 23, 2019、Reuters, September 23, 2019、SANA, September 23, 2019、SOHR, September 23, 2019、UPI, September 23, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから438人、ヨルダンから1,013人の難民が帰国、避難民3人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月23日付)を公開し、9月22日に難民1,451人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは438人(うち女性132人、子供223人)、ヨルダンから帰国したのは1,013人(うち女性304人、子供517人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は411,199人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者129,679人(うち女性39,280人、子ども66,436人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者281,520人(うち女性84,493人、子ども143,564人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,646,677人(うち女性1,994,003人、子供3,389,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 640,479人(うち女性192,431人、子供326,922人)となった。

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一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは3人(うち女性0人、子供0人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,692人(うち女性11,061人、子供16,263人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,280人(うち女性393,620人、子供660,029人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 23, 2019をもとに作成。

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ダマスカス郊外県バイト・サフム市でトルコ占領下のシリア北部から帰村したばかりのシャーム自由人イスラーム運動元司令官が逮捕(2019年9月22日)

サウト・アースィマ(9月22日付)は、軍事情報局パレスチナ課がダマスカス郊外県バイト・サフム市で、シャーム自由人イスラーム運動の元司令官のアブー・ムハンマド・ガーリブ氏を逮捕したと伝えた。

ガーリブ氏は、ダマスカス郊外県がシリア政府の支配下に復帰する直前に、政府との和解を拒否してトルコ占領下のシリア北部に退去していたが、数日前に帰村した。

AFP, September 22, 2019、ANHA, September 22, 2019、AP, September 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2019、Reuters, September 22, 2019、SANA, September 22, 2019、Sawt al-‘Asima, September 22, 2019、SOHR, September 22, 2019、UPI, September 22, 2019などをもとに作成。

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ラッカ県内の北・東シリア自治局支配地域で、シリア政府支配地域に原油を運ぼうとしていたタンクローリーの車列が襲撃される(2019年9月22日)

ラッカ県では、ジュルフ・ニュース(9月22日付)によると、正体不明の武装集団が、北・東シリア自治局の支配下にある県西部の街道で、シリア政府支配地域に原油を運ぼうとしていたタンクローリーの車列を襲撃し、多数が破壊された。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(9月22日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が県西部のラサーファ砂漠でシリア軍と交戦、兵士2人が死亡、3人が負傷した。

AFP, September 22, 2019、ANHA, September 22, 2019、AP, September 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2019、Jurf News, September 22, 2019、Reuters, September 22, 2019、SANA, September 22, 2019、SOHR, September 22, 2019、UPI, September 22, 2019などをもとに作成。

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米軍の貨物車輌175台がYPG主体のシリア軍に供与する武器・弾薬などを積んでイラクからシリアへ(2019年9月22日)

ハサカ県では、SANA(9月22日付)によると、有志連合を主導する米軍の貨物車輌175台が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア軍に供与する武器・弾薬などを積んで、イラクからスィーマルカー国境通行所を経由して、シリア領内に入った。

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アレッポ県では、ANHA(9月22日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマーリキーヤ村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦(いずれもシャッラー村一帯)を砲撃した。

AFP, September 22, 2019、ANHA, September 22, 2019、AP, September 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2019、Reuters, September 22, 2019、SANA, September 22, 2019、SOHR, September 22, 2019、UPI, September 22, 2019などをもとに作成。

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アサド大統領は首都ダマスカスでイタリアの議員使節団と会談(2019年9月22日)

アサド大統領は首都ダマスカスで、シリアを訪問中のイタリアの議員使節団と会談した。

議員使節団はパオロ・ロマーニ元老院(上院)議員を団長とし、会談では、危機解決に向けた政治プロセス、復興などシリア情勢の進捗について意見が交わされた。

アサド大統領は会談で、シリア情勢に対するほとんどの欧州諸国の対応は当初から現実に即しておらず、それを今も続けている、と批判した。

これに対して、使節団は、現実に即さない西側メディアの報道は欧州世論において次第に影響力を失っており、欧州諸国政府は、これまでと違う現実に即した政策手法をとる必要があると答えた。

使節団はまた、ハムーダ・サッバーグ人民議会議長とも個別に会談した。

SANA(9月22日付)が伝えた。

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なお、SANA(9月23日付)によると、イタリアの使節団は23日にイマード・ハミース首相と会談した。

AFP, September 22, 2019、ANHA, September 22, 2019、AP, September 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2019、Reuters, September 22, 2019、SANA, September 22, 2019、SOHR, September 22, 2019、September 23, 2019、UPI, September 22, 2019などをもとに作成。

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アレッポ市近郊でシリア軍と反体制武装集団が激しい砲撃戦(2019年9月22日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから22日目(爆撃を激化させてから143日目)を迎えた9月22日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の散発的な戦闘は続いた。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より2人?(民間人0人、シリア軍兵士1人?、反体制武装集団戦闘員0人)多い4,147人となった。

内訳は、民間人1,065人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,409人、反体制武装集団戦闘員1,673人。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカフル・ウワイド村、カフルサジュナ村、マアッルズィーター村、ハーッス村、マアッラト・ハルマ村、ラカーヤー村、アブー・ズフール町一帯を砲撃した。

これに対して、反体制武装集団はマダーヤー村一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(9月22日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市ラーシディーン地区、ライラムーン地区、サビール地区、ラームーサ地区、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、カフルハムラ村を砲撃した。

シリア軍がサビール地区に部隊を派遣し、イドリブ県のカフル・ウワイド村への砲撃を開始したのを受けた反撃だという。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカフルハムラ村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がフワイズ村を砲撃した。

これに対して、反体制武装集団はカルカート村一帯でシリア軍士官(少尉)1人を狙撃し、殺害した。

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スワイダー県では、HFL(9月22日付)によると、ダーラ村とサカーカー村を結ぶ街道に仕掛けられていた爆弾が爆発し、第52機械化旅団の車輌が巻き込まれ、複数の兵士が死傷した。

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ダルアー県では、HFL(9月23日付)によると、ブスル・ハリール市とイズラア市を結ぶ街道では、第5師団所属の大佐が乗った車が即席爆弾の爆発に巻き込まれ、この大佐を含む2人が負傷した。

AFP, September 22, 2019、ANHA, September 22, 2019、AP, September 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 22, 2019、HFL, September 22, 2019、September 23, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 22, 2019、Reuters, September 22, 2019、SANA, September 22, 2019、SOHR, September 22, 2019、UPI, September 22, 2019などをもとに作成。

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トルコはシリア北東部への侵攻作戦を再び準備(2019年9月21日)

ロイター通信(9月21日付)は、トルコの複数の治安高官筋の話として、トルコ軍がシリア北東部への侵攻作戦への準備をにかわに進めていると伝えた。

同通信社によると、トルコは、シリア国境に近いシャンルウルファ県、マルディン県に医師を派遣し、作戦に備えているという。

また、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は国連総会が開催される米ニューヨークに向かう直前に、記者団に対して「シリアとの国境地帯での準備は完了した。我が国の戦略的パートナーである米政府と我々はともにNATO加盟国で、我々には米国と対立するつもりはない」と述べた。

AFP, September 21, 2019、ANHA, September 21, 2019、AP, September 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 21, 2019、Reuters, September 21, 2019、SANA, September 21, 2019、SOHR, September 21, 2019、UPI, September 21, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のアフリーン市内で、国防軍の戦闘員どうしが撃ち合いとなり、ダマスカス郊外県東グータ地方出身の少年1人が巻き添えとなり死亡(2019年9月21日)

アレッポ県では、グータ・メディア・センター(9月22日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市内のジンディールス通りで、国防軍の戦闘員どうしが撃ち合いとなり、ダマスカス郊外県東グータ地方出身の少年1人が巻き添えとなり死亡した。

一方、ANHA(9月21日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市およびその一帯(シャッラー村一帯)を砲撃した。

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ダイル・ザウル県では、ジュルフ・ニュース(9月21日付)によると、スワイダーン・ジャズィーラ村で何者かが人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を襲撃、2人を殺害した。

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ハーブール(9月21日付)は、シリア民主軍を主導する人民防衛隊(YPG)が最近になって、カーミシュリー市西のハーティミーヤ村の農地を接収、アラブ系住民に対して同地からただちに立ち退くよう要請していると伝えた。

AFP, September 21, 2019、ANHA, September 21, 2019、AP, September 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 21, 2019、Ghuta Media Center, September 22, 2019、Jurf News, September 21, 2019、al-Khabur, September 21, 2019、Reuters, September 21, 2019、SANA, September 21, 2019、SOHR, September 21, 2019、UPI, September 21, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はイスラエル国境近くでドローンを撃墜・捕獲、イスラエルはイラン・イスラーム革命防衛隊のドローンだと主張(2019年9月21日)

SANA(9月21日付)は、複数の関係当局からの情報として、シリア軍がクナイトラ県北部のシャイフ山(ヘルモン山)上空で無人航空機(ドローン)を撃墜・捕獲したと伝え、その写真を公開した。

イスラエル軍のものと思われるこのドローンは、シャイフ山麓のダマスカス郊外県アルナ村上空を東に向かって飛行しており、クラスター弾を装備、また機体には高性能爆弾が取りつけられ、解体しようとすると爆発するようになっていたという。

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これに関して、イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ(Avichay Adraee)報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で、シリア軍が撃墜・捕獲したとするドローンが、イスラエル軍ではなく、イラン・イスラーム革命防衛隊のものだと主張した。

アドライ報道官は「左手のしていることを右手が知らないというのはまともなことか?! 我々は今日、ガーセム・ソレイマーニーがシリアで好き放題し、それをアサド政権がもちろん知らないことの証拠を目にした」「ヘルモン山で撃墜したとシリア人が主張するドローンは突如としてこの地域に現れた。そこでは1ヶ月ほど前に、レバノン人を含むゴドス軍団のガーセム・ソレイマーニーのメンバーがドローンで破壊作戦を実行し、失敗した場所だ」「これはイスラエル軍のドローンではない」などと綴った。

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一方、スプートニク・ニュース(9月21日付)は、ロシア軍の航空機少なくとも2機が19日晩に、シリア駐留ロシア軍司令部のあるフマイミーム航空基地を離陸、イスラエル軍によるシリア領内への爆撃を阻止、またこの直後にシリア領空を侵犯したイスラエル(軍所属と思われる)無人航空機が撃墜されたと伝えた。

AFP, September 21, 2019、ANHA, September 21, 2019、AP, September 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 21, 2019、Reuters, September 21, 2019、SANA, September 21, 2019、SOHR, September 21, 2019、Sputnik News, September 21, 2019、UPI, September 21, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県などでシリア軍と反体制派が散発的に交戦(2019年9月21日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから21日目(爆撃を激化させてから142日目)を迎えた9月21日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の散発的な戦闘は続いた。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日と同じ4,145人だった。

内訳は、民間人1,055人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,408人、反体制武装集団戦闘員1,673人。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカフルルーマー村、カンスフラ村、スフーフン村、ファッティーラ村、カフル・ウワイド村、マアッルズィーター村、マアッラト・ハルマ村、ヒーシュ村、カフルサジュナ村、カフルナブル市、シャイフ・ダーミス村、ルブア・ジャウズ村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がズィヤーラ町、ダクマーク村、ザクーム村、アンカーウィー村、ヒルバト・ナークース村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がハーン・トゥーマーン村、マンスーラ村、アレッポ市科学研究センター一帯を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がシャルフ砦のシリア軍拠点を砲撃、これに対してシリア軍地上部隊もカッバーナ村一帯、ハッダーダ村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を34件(イドリブ県14件、ラタキア県7件、アレッポ県7件、ハマー県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を23件(イドリブ県13件、ラタキア県6件、アレッポ県1件、ハマー県3件)確認した。

AFP, September 21, 2019、ANHA, September 21, 2019、AP, September 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 21, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 21, 2019、Reuters, September 21, 2019、SANA, September 21, 2019、SOHR, September 21, 2019、UPI, September 21, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから403人、ヨルダンから905人の難民が帰国、避難民1人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月21日付)を公開し、9月20日に難民1,308人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは403人(うち女性121人、子供205人)、ヨルダンから帰国したのは905人(うち女性272人、子供462人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は408,396人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者128,789人(うち女性39,013人、子ども65,983人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者279,607人(うち女性83,919人、子ども142,588人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,646,677人(うち女性1,994,003人、子供3,389,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 637,676人(うち女性191,590人、子供325,493人)となった。

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一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは1人(うち女性0人、子供0人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,689人(うち女性11,061人、子供16,263人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,278人(うち女性393,620人、子供660,029人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 21, 2019をもとに作成。

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ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「米国はイドリブ県で活動するシャーム解放機構を攻撃するようトルコに呼びかけている」(2019年9月20日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は米日刊紙『ディフェンス・ポスト』(9月20日付)のインタビューに応じ、そのなかで米国が、イドリブ県でトルコとシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構を交戦させようとしていると述べた。


ジェフリー特使は「シリア北西部のいわゆる「過激派」を根絶しなければならず、イドリブ県で活動するシャーム解放機構を攻撃するようトルコに呼びかけている」と述べた。

一方、「アサド政権とロシアは、イドリブ県にテロリストがいることを口実に、反体制派支配地域を奪還する軍事攻撃を行っているが、これにより民間人300万人以上の命が危険に晒されている」と述べた。

また、北・東シリア自治局の処遇については「米国はシリア政府とその同盟者の侵攻を阻止してきた。今後もこれを続ける」と述べた。

AFP, September 21, 2019、ANHA, September 21, 2019、AP, September 21, 2019、The Defense Post, September 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 21, 2019、Reuters, September 21, 2019、SANA, September 21, 2019、SOHR, September 21, 2019、UPI, September 21, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県各所でアサド政権打倒とシャーム解放機構退去を求めるデモ、バーブ・ハワー国境通行所近くではトルコ軍に代わってシャーム解放機構がデモ参加者の接近を阻止(2019年9月20日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月20日付)、ザマーン・ワスル(9月20日付)などによると、イドリブ市、サラーキブ市、カフルタハーリーム町、マアッラト・ヌウマーン市で、「アサド打倒は平和への扉だ」と銘打った反体制デモが行われ、アサド政権の打倒とシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の退去が要求された。

スマート・ニュース(9月20日付)によると、イドリブ市でのデモ参加者は250人以上、カフルタハーリーム町は数百人、マアッラト・ヌウマーン市は数十人。

デモ参加者は、19日の国連安保理会合で、ロシア(そして中国)がイドリブ県での「人道停戦」を求めたドイツ、ベルギー、クウェート提出の決議案に拒否権を発動したことに対しても抗議の意を示した。

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また、トルコ国境に面するバーブ・ハワー国境通行所近くでも、同様のデモが行われ、数千人が参加した。

デモ参加者のほとんどは国内避難民(IDPs)で、アサド政権の打倒、最近の戦闘でシリア軍が制圧した地域からの撤退と同地への帰村、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の退去が求められるとともに、トルコに対して、ロシアに圧力をかけイドリブ県への攻撃を停止させるよう呼びかけられた。

デモ参加者は国境通行所に接近したが、デモ参加者は国境通行所に向けて行進したが、シャーム解放機構が検問所を設置し、戦闘員を展開させるなどして進行を阻止した。

同様のデモは8月30日にも行われたが、そのときは、シャーム解放機構ではなく、トルコ軍が催涙ガスなどを発射し、デモ参加者を強制排除した。

なお、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いANHA(9月20日付)によると、デモ参加者はトルコの撤退も求めたという。

AFP, September 20, 2019、ANHA, September 20, 2019、AP, September 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2019、Reuters, September 20, 2019、SANA, September 20, 2019、SMART News, September 20, 2019、SOHR, September 20, 2019、UPI, September 20, 2019、Zaman al-Wasl, September 20, 2019などをもとに作成。

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バーブ・サラーマ国境通行所(アレッポ県)ではYPG主体のシリア民主軍の支配下にある地域の解放を求めるデモ(2019年9月20日)

アレッポ県では、スマート・ニュース(9月20日付)によると、トルコ国境に面するバーブ・サラーマ国境通行所近くでは、「革命の広場への行進」と銘打ったデモが行われ、住民数百人が参加、「シリア革命旗」(委任統治領シリアの国旗)を掲げて、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にある県北部の解放に向けた行動を呼びかけた。

AFP, September 20, 2019、ANHA, September 20, 2019、AP, September 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2019、Reuters, September 20, 2019、SANA, September 20, 2019、SOHR, September 20, 2019、UPI, September 20, 2019などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ユーフラテス川東岸の政府支配地域でYPGの支援を受けた住民のデモ発生を受けYPG主体のシリア民主軍、シリア軍双方が同地一帯に展開(2019年9月20日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の大規模部隊が、シリア政府支配地域との境界(ユーフラテス川東岸)に位置するジュナイナ村、ジーア村、両村に近い工場地帯に展開した。

これに対して、シリア軍部隊も「イランの民兵」とともに、北・東シリア自治局支配地域に面するユーフラテス川東岸のサーリヒーヤ村、ハトラ村に展開した。

AFP, September 20, 2019、ANHA, September 20, 2019、AP, September 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2019、Reuters, September 20, 2019、SANA, September 20, 2019、SOHR, September 20, 2019、UPI, September 20, 2019などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ユーフラテス川東岸の政府支配地域でYPGの支援を受けた住民がシリア軍と「イランの民兵」撤退を求めるデモ、シリア軍がこれに発砲し2人死亡(2019年9月20日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(9月20日付)、ダイル・ザウル24(9月20日付)、オリエント・ニュース(9月20日付)、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局支配地域との境界に位置するユーフラテス川東岸のサーリヒーヤ村(サーリヒーヤト・ジャズィーラ村)でデモが発生し、数百人が参加した。

「解放の金曜日」と銘打ったデモを呼びかけたのは、サーリヒーヤ村、ムッラート村、マズルーム村、フシャーム町、タービヤト・ジャズィーラ村の名士たち。

参加者はシリア軍がこれらの地域を制圧した際に、同地から強制退去させられた人々で、北・東シリア自治局支配地域の住民だけでなく、シリア政府支配地域の住民も含まれていたという。

ダイル・ザウル24によると、北・東シリア自治局支配下の工場地区を出発した参加者は、サーリヒーヤ村に向かって行進、自分たちの村からのシリア軍と「イランの民兵」の撤退、そして帰村を求めるシュプレヒコールを連呼した。

サーリヒーヤ町に到達した彼らは、人民防衛隊(YPG)から直接の支援を受け、同町入り口に設置されているカーズィヤト・サクル検問所からシリア軍を放逐し、同検問所を制圧した。

また、その際、シリア軍准将1人を含む士官複数人を拘束した。

これを受け、シリア軍はデモ参加者に向けて発砲し、これによって住民2人が死亡、11人が負傷した。

AFP, September 20, 2019、ANHA, September 20, 2019、AP, September 20, 2019、Dayr al-Zawr 24, September 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2019、Orient News, September 20, 2019、Reuters, September 20, 2019、SANA, September 20, 2019、SOHR, September 20, 2019、UPI, September 20, 2019などをもとに作成。

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米軍がダイル・ザウル県で空挺作戦を敢行、4人を殺害、多数を拘束・連行(2019年9月20日)

ダイル・ザウル県では、SANA(9月20日付)、ダイル・ザウル24(9月20日付)などによると、米軍ヘリコプター5機がズィーバーン町で空挺作戦を敢行し、住民4人を殺害、多数を拘束・連行した。

空挺作戦には、米軍のF-16戦闘機1機、偵察機1機、装甲車輌10台、さらに人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の部隊数十人が参加、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーが潜伏していると思われる国内避難民(IDPs)の住居1件を急襲したという。

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ハサカ県では、ANHA(9月20日付)によると、ラアス・アイン市の国境地帯で、米・トルコ両軍のヘリコプターが合同偵察活動を実施した。

AFP, September 20, 2019、ANHA, September 20, 2019、AP, September 20, 2019、Dayr al-Zawr 24, September 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2019、Reuters, September 20, 2019、SANA, September 20, 2019、SOHR, September 20, 2019、UPI, September 20, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府が共同支配するタッル・リフアト市を砲撃(2019年9月20日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、トルコ占領下のシャッラー村近郊のマリーミーン村近く、マーリア市近郊、アフリーン市で反体制武装集団の拠点を攻撃し、少なくとも8人の戦闘員を殺害したと発表した。

一方、ANHA(9月20日付)によると、北・東シリア自治局とシリア政府が共同支配するタッル・リフアト市にトルコ軍およびその支援を受ける反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾した。

AFP, September 20, 2019、ANHA, September 20, 2019、AP, September 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2019、Reuters, September 20, 2019、SANA, September 20, 2019、SOHR, September 20, 2019、UPI, September 20, 2019などをもとに作成。

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アレッポ県北部などでシリア軍と反体制派の戦闘が続くも死者なし(2019年9月20日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから20日目(爆撃を激化させてから141日目)を迎えた9月20日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の散発的な戦闘は続いた。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日と同じ4,145人だった。

内訳は、民間人1,055人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,408人、反体制武装集団戦闘員1,673人。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカフルハムラ村、マンスーラ村、アレッポ市ライラムーン地区を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がハザーリーン村、マアッラト・スィーン村、シャイフ・ムスタファー村、マアッルズィーター村、カフルサジュナ村、ラカーヤー村を砲撃した。

一方、SANA(9月20日付)によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構などの反体制武装集団が、県南東部のアブー・ズフール町に設置されている「人道回廊」を通じてシリア政府支配地域に避難しようとする住民の移動阻止を続けた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などの反体制武装集団がズィヤーラ町一帯を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などの反体制武装集団がトルコマン山一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

これに対してシリア軍地上部隊もトルコマン山一帯、カッバーナ村一帯の反体制派拠点を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を32件(イドリブ県11件、ラタキア県10件、アレッポ県9件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を19件(イドリブ県9件、ラタキア県5件、アレッポ県3件、ハマー県2件)確認した。

AFP, September 20, 2019、ANHA, September 20, 2019、AP, September 20, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 20, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 20, 2019、Reuters, September 20, 2019、SANA, September 20, 2019、SOHR, September 20, 2019、UPI, September 20, 2019などをもとに作成。

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