ムアッリム外務在外居住者大臣はイラク、インド、ベラルーシ、アルメニア、スーダンの外務大臣と会談:イラク外務大臣にはブーカマール・カーイム国境通行所再開を改めて要請(2019年9月28日)

国連総会に出席するために米ニューヨークを訪問しているワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)は、国連本部でインドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外務大臣、ベラルーシのウラジーミル・マケイ外務大臣、アルメニアのゾーラブ・ムナツァカニャン外務大臣、イラクのムハンマド・アリー・ハキーム外務大臣、スーダンのムハンマド・アブドゥッラー外務大臣と相次いで会談した。

ハキーム外務大臣との会談で、ムアッリム外務在外居住者大臣は、ダイル・ザウル県のブーカマール市とイラクのアンバール県カーイム市を結ぶブーカマール・カーイム国境通行所の再開を改めて求めた。

SANA(9月29日付)が伝えた。

AFP, September 29, 2019、ANHA, September 29, 2019、AP, September 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2019、Reuters, September 29, 2019、SANA, September 29, 2019、SOHR, September 29, 2019、UPI, September 29, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

難民100万人をシリア北西部に移住させようとするトルコのエルドアン政権の計画の詳細が明らかに(2019年9月28日)

トルコのTRT Haberチャンネル(9月27日付)は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン政権が計画しているシリア北西部国境地帯へのシリア難民の移住計画の詳細を明らかにした。

同チャンネルによると、計画は、トルコが米国とともに設置をめざしている「安全地帯」に、外国の基金が270億米ドルを投資し、住宅20万戸を建設するというもの。

トルコ政府が国際機関の支援を受けられるかは今のところ不明。

住宅建設は同地域内の140の村、10の町で行われ、各村はシリア難民5,000人を、各町は難民3万人をそれぞれ収容する。

収容される難民は100万人におよぶ予定。

またこれらの町村には、モスク、学校、工業施設、競技場などを併設、200床を完備する病院2棟を含む10の病院も建設されるという。

難民の受け入れ先となる町村の総面積は9,260万平方メートル、農地は1億4000万平方メートルに達するという。

AFP, September 28, 2019、ANHA, September 28, 2019、AP, September 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2019、Reuters, September 28, 2019、SANA, September 28, 2019、SOHR, September 28, 2019、TRT Haber, September 28, 2019、UPI, September 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラタキア市でアサドの甥の民兵と麻薬・ギャンブル撲滅取り締まり活動を行う治安当局が衝突(2019年9月28日)

ラタキア県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月28日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、アサド大統領の甥のイウティマード・アサド氏の民兵がラタキア市内で軍事情報局と衝突、撃ち合いになった。

衝突は、当局が市内で麻薬売買やギャンブル撲滅に向けた取り締まり活動を行っていることにイウティマード氏の民兵が腹を立てたことに端を発していたという。

同消息筋によると、軍事情報局の隊員がラタキア市ズィラーア地区にあるイウティマード氏が所有する娯楽施設(カフェ、ギャンブル場など)に対して強制捜査を行おうとしたところ、守衛やイウティマード氏の護衛らが抵抗し、衝突に発展したという。

なお、別の治安部隊は最近になってオートストラード・サウラ沿いのカフェに対する強制捜査を行い、15万米ドルを押収している。

このカフェはイウティマード氏の息子のアリー氏が運営していた。

なお、イウティマード氏、息子のアリー氏のほかにも、娘のサーラ氏(夫はシリア軍の派勇・案マール准将)は不動産、自動車販売などのビジネスを幅広く手がけており、「アサド家最強の女性の一人」と目されている。

AFP, September 28, 2019、ANHA, September 28, 2019、AP, September 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2019、Reuters, September 28, 2019、SANA, September 28, 2019、SOHR, September 28, 2019、UPI, September 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県マンビジュ市近郊でYPG主体のシリア民主軍とトルコが後押しする国民軍が交戦(2019年9月28日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月28日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるマンビジュ市北西のウンム・ジャルード村で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とトルコの支援を受ける国民軍が激しく交戦した。

また、トルコ占領下のバーブ市近郊では、シャーム自由人イスラーム運動のメンバー2人が何者かの発砲を受けて死亡した。

この2人はヒムス県からの国内避難民(IDPs)だという。

一方、ANHA(9月28日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団がシャッラー村近郊のブルジュ・カース村、カールーティーヤ村を砲撃した。

AFP, September 28, 2019、ANHA, September 28, 2019、AP, September 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2019、Reuters, September 28, 2019、SANA, September 28, 2019、SOHR, September 28, 2019、UPI, September 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県ブーカマール市近郊の国境地帯上空に所属不明の戦闘機が飛来、「イランの民兵」が迎撃(2019年9月28日)

シリア人権監視団は、ダイル・ザウル県ブーカマール市近郊の国境地帯上空に所属不明の飛翔体が飛来、イラン・イスラーム革命防衛隊がこれを迎撃したと発表した。

**

これに関して、ユーフラテス・ポスト(9月28日付)は、所属不明の戦闘機がブーカマール市一帯の「イラクとイランの民兵」の軍事拠点複数カ所を爆撃、これに対してダイル・ザウル市近郊に展開するイラン人民動員隊が迎撃を試みたと伝えた。

**

一方、スプートニク・ニュース(9月28日付)は、シリア軍の現地筋の情報として、この飛翔体が航空機複数だとしたうえで、ブーカマール国境通行所一帯にある「イランの民兵」の拠点複数カ所が爆撃を受けたと伝えた。

シリア軍情報筋によると、飛来したのはイスラエル軍戦闘機だと思われ、27日深夜から28日未明にかけてブーカマール国境通行所一帯の拠点複数カ所を爆撃し、これに対してシリア軍防空部隊が迎撃を行い、ミサイル複数発を撃破した。

爆撃による被害は物的なものにとどまったという。

AFP, September 28, 2019、ANHA, September 28, 2019、AP, September 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2019、Euphrates Post, September 28, 2019、Reuters, September 28, 2019、SANA, September 28, 2019、Sputnik News, September 28, 2019、SOHR, September 28, 2019、UPI, September 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は制憲委員会(憲法委員会)の会合に先だって、シリア政府、反体制派双方に捕虜交換を呼びかける(2019年9月28日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は、来月に開催が計画されている制憲委員会(憲法委員会)の会合を前に、シリア政府と反体制派に対して、信頼醸成のための捕虜交換を実施するよう呼びかけた。

AFP, September 28, 2019、ANHA, September 28, 2019、AP, September 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2019、Reuters, September 28, 2019、SANA, September 28, 2019、SOHR, September 28, 2019、UPI, September 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムアッリム外務在外居住者大臣が国連総会で一般討論演説(2019年9月28日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)は第74回国連総会で一般討論演説を行った。

SANA(9月28日付)によると、ムアッリム外務在外居住者大臣は演説のなかで、「テロとの戦い」を貫徹する意志を強調した。

また、シリア政府の同意を得ないままに領内の一部の処遇が合意されることを拒否すると述べ、「力で他国の領土を獲得する時代は終わった」として、シリア北西部に「安全地帯」を設置しようとする米・トルコの動きを非難、両国軍の撤退を求めた。

AFP, September 28, 2019、ANHA, September 28, 2019、AP, September 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2019、Reuters, September 28, 2019、SANA, September 28, 2019、SOHR, September 28, 2019、UPI, September 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ市でYPG主体のシリア民主軍の活動を非難するデモ(2019年9月28日)

ハサカ県では、SANA(9月28日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が米軍の支援を受けて、ハサカ市内で住民23人を「徴兵」だと称して拘束、アリーシャ町の国内避難民(IDPs)用キャンプに連行した。

シリア民主軍はまた、ダイル・ザウル県からハサカ市に逃れてきた国内避難民15世帯をアリーシャ・キャンプに強制退去させた。

こうした動きに対して、SMART News(9月28日付)、SANAなどによると、ハサカ市のグワイラーン地区では、シリア民主軍の活動を非難し、拘束された住民の解放を求めるデモが発生し、数十人が参加した。

AFP, September 28, 2019、ANHA, September 28, 2019、AP, September 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2019、Reuters, September 28, 2019、SANA, September 28, 2019、SMART News, September 28, 2019、SOHR, September 28, 2019、UPI, September 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が新興のアル=カーイダ系組織の一つフッラースディーン機構のメンバー3人を拘束(2019年9月28日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構の治安部隊が、県内の検問所(場所は明示せず)で新興のアル=カーイダ系組織の一つフッラースディーン機構のメンバー3人を拘束した。

これを受け、フッラースディーン機構は声明を出し、「シャーム解放機構とフッラースディーン機構が交わした合意が、多くの誠実な者たちを歓喜させ、その後両組織は隊列を整え敵に対峙することに専心するはずだったのに、我々は今日、敵がすべての力を結集して、残された解放区に突入しようとしているさなかに、合意の文言を破ろうとしている者がいることに驚いている」などと述べ、非難した。

AFP, September 28, 2019、ANHA, September 28, 2019、AP, September 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2019、Reuters, September 28, 2019、SANA, September 28, 2019、SOHR, September 28, 2019、UPI, September 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ラタキア県で反体制武装集団がシリア軍拠点を砲撃(2019年9月28日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから28日目(爆撃を激化させてから149日目)を迎えた9月28日、シリア軍ヘリコプターが「樽爆弾」による爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が各地で散発的に交戦した。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より4人(民間人0人、シリア軍兵士3人?、反体制武装集団戦闘員0人)多い4,166人となった。

内訳は、民間人1,066人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,421人、反体制武装集団戦闘員1,677人。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、カッバーナ村一帯で活動する反体制武装集団がシリア軍の拠点を砲撃し、士官2人が死亡した。

これに対して、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃、同地一帯を砲撃した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がマアッラト・ハルマ村、ハザーリーン村、ヒーシュ村、カンスフラ村、ビダーマー町一帯、ナージーヤ一帯、トゥラムラー村を砲撃した。

一方、SANA(9月28日付)によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が、アブー・ズフール町に設置されている「人道回廊」にいたる街道を破壊、また同地一帯にバリゲードなどを設置し、反体制派支配地域からシリア政府支配地域に避難しようとする住民の移動を阻止した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカラースィー村、ハーン・アサル村、カフルナーハー村を砲撃した。

ANHA(9月28日付)によると、シリア軍はまた、アレッポ市ラーシディーン地区一帯に対しても爆撃を行った。

**

ダマスカス郊外県では、グータ情報センター(9月28日付)によると、ハッザ町とザマルカー町を結ぶ街道に設置されたサーラト・カマール検問所が何者かの襲撃を受け、シリア軍兵士複数人が負傷した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を30件(イドリブ県12件、ラタキア県10件、アレッポ県7件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を30件(イドリブ県9件、ラタキア県13件、アレッポ県2件、ハマー県6件)確認した。

AFP, September 28, 2019、ANHA, September 28, 2019、AP, September 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2019、Ghouta Media Center, September 28, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 28, 2019、Reuters, September 28, 2019、SANA, September 28, 2019、SOHR, September 28, 2019、UPI, September 28, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから438人、ヨルダンから670人の難民が帰国、避難民0が帰宅(2019年9月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月28日付)を公開し、9月27日に難民1,108人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは438人(うち女性132人、子供223人)、ヨルダンから帰国したのは670人(うち女性201人、子供342人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は416,890人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者131,667人(うち女性39,878人、子ども67,450人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者285,223人(うち女性85,604人、子ども145,452人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,654,208人(うち女性1,996,262人、子供3,393,646人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 644,170人(うち女性194,140人、子供329,824人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 28, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.