トルコはシリア北東部への侵攻作戦を再び準備(2019年9月21日)

ロイター通信(9月21日付)は、トルコの複数の治安高官筋の話として、トルコ軍がシリア北東部への侵攻作戦への準備をにかわに進めていると伝えた。

同通信社によると、トルコは、シリア国境に近いシャンルウルファ県、マルディン県に医師を派遣し、作戦に備えているという。

また、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は国連総会が開催される米ニューヨークに向かう直前に、記者団に対して「シリアとの国境地帯での準備は完了した。我が国の戦略的パートナーである米政府と我々はともにNATO加盟国で、我々には米国と対立するつもりはない」と述べた。

AFP, September 21, 2019、ANHA, September 21, 2019、AP, September 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 21, 2019、Reuters, September 21, 2019、SANA, September 21, 2019、SOHR, September 21, 2019、UPI, September 21, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のアフリーン市内で、国防軍の戦闘員どうしが撃ち合いとなり、ダマスカス郊外県東グータ地方出身の少年1人が巻き添えとなり死亡(2019年9月21日)

アレッポ県では、グータ・メディア・センター(9月22日付)によると、トルコ占領下のアフリーン市内のジンディールス通りで、国防軍の戦闘員どうしが撃ち合いとなり、ダマスカス郊外県東グータ地方出身の少年1人が巻き添えとなり死亡した。

一方、ANHA(9月21日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市およびその一帯(シャッラー村一帯)を砲撃した。

**

ダイル・ザウル県では、ジュルフ・ニュース(9月21日付)によると、スワイダーン・ジャズィーラ村で何者かが人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を襲撃、2人を殺害した。

**

ハーブール(9月21日付)は、シリア民主軍を主導する人民防衛隊(YPG)が最近になって、カーミシュリー市西のハーティミーヤ村の農地を接収、アラブ系住民に対して同地からただちに立ち退くよう要請していると伝えた。

AFP, September 21, 2019、ANHA, September 21, 2019、AP, September 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 21, 2019、Ghuta Media Center, September 22, 2019、Jurf News, September 21, 2019、al-Khabur, September 21, 2019、Reuters, September 21, 2019、SANA, September 21, 2019、SOHR, September 21, 2019、UPI, September 21, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はイスラエル国境近くでドローンを撃墜・捕獲、イスラエルはイラン・イスラーム革命防衛隊のドローンだと主張(2019年9月21日)

SANA(9月21日付)は、複数の関係当局からの情報として、シリア軍がクナイトラ県北部のシャイフ山(ヘルモン山)上空で無人航空機(ドローン)を撃墜・捕獲したと伝え、その写真を公開した。

イスラエル軍のものと思われるこのドローンは、シャイフ山麓のダマスカス郊外県アルナ村上空を東に向かって飛行しており、クラスター弾を装備、また機体には高性能爆弾が取りつけられ、解体しようとすると爆発するようになっていたという。

**

これに関して、イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ(Avichay Adraee)報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で、シリア軍が撃墜・捕獲したとするドローンが、イスラエル軍ではなく、イラン・イスラーム革命防衛隊のものだと主張した。

アドライ報道官は「左手のしていることを右手が知らないというのはまともなことか?! 我々は今日、ガーセム・ソレイマーニーがシリアで好き放題し、それをアサド政権がもちろん知らないことの証拠を目にした」「ヘルモン山で撃墜したとシリア人が主張するドローンは突如としてこの地域に現れた。そこでは1ヶ月ほど前に、レバノン人を含むゴドス軍団のガーセム・ソレイマーニーのメンバーがドローンで破壊作戦を実行し、失敗した場所だ」「これはイスラエル軍のドローンではない」などと綴った。

**

一方、スプートニク・ニュース(9月21日付)は、ロシア軍の航空機少なくとも2機が19日晩に、シリア駐留ロシア軍司令部のあるフマイミーム航空基地を離陸、イスラエル軍によるシリア領内への爆撃を阻止、またこの直後にシリア領空を侵犯したイスラエル(軍所属と思われる)無人航空機が撃墜されたと伝えた。

AFP, September 21, 2019、ANHA, September 21, 2019、AP, September 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 21, 2019、Reuters, September 21, 2019、SANA, September 21, 2019、SOHR, September 21, 2019、Sputnik News, September 21, 2019、UPI, September 21, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県などでシリア軍と反体制派が散発的に交戦(2019年9月21日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから21日目(爆撃を激化させてから142日目)を迎えた9月21日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の散発的な戦闘は続いた。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日と同じ4,145人だった。

内訳は、民間人1,055人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,408人、反体制武装集団戦闘員1,673人。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカフルルーマー村、カンスフラ村、スフーフン村、ファッティーラ村、カフル・ウワイド村、マアッルズィーター村、マアッラト・ハルマ村、ヒーシュ村、カフルサジュナ村、カフルナブル市、シャイフ・ダーミス村、ルブア・ジャウズ村を砲撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がズィヤーラ町、ダクマーク村、ザクーム村、アンカーウィー村、ヒルバト・ナークース村を砲撃した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がハーン・トゥーマーン村、マンスーラ村、アレッポ市科学研究センター一帯を砲撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がシャルフ砦のシリア軍拠点を砲撃、これに対してシリア軍地上部隊もカッバーナ村一帯、ハッダーダ村を砲撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を34件(イドリブ県14件、ラタキア県7件、アレッポ県7件、ハマー県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を23件(イドリブ県13件、ラタキア県6件、アレッポ県1件、ハマー県3件)確認した。

AFP, September 21, 2019、ANHA, September 21, 2019、AP, September 21, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 21, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 21, 2019、Reuters, September 21, 2019、SANA, September 21, 2019、SOHR, September 21, 2019、UPI, September 21, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから403人、ヨルダンから905人の難民が帰国、避難民1人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月21日付)を公開し、9月20日に難民1,308人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは403人(うち女性121人、子供205人)、ヨルダンから帰国したのは905人(うち女性272人、子供462人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は408,396人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者128,789人(うち女性39,013人、子ども65,983人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者279,607人(うち女性83,919人、子ども142,588人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,646,677人(うち女性1,994,003人、子供3,389,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 637,676人(うち女性191,590人、子供325,493人)となった。

**

一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは1人(うち女性0人、子供0人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,689人(うち女性11,061人、子供16,263人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,278人(うち女性393,620人、子供660,029人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 21, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.