政府当局は汚職撲滅の一環として政府を支持する著名なビジネスマン数十人の資産を凍結する決定を下す(2019年9月19日)

サウト・アースィマ(9月19日付)は、シリア政府当局が数日前、政府を支持する著名なビジネスマン数十人の資産を凍結する決定を下したと伝えた。

資産凍結は、汚職撲滅の一環で、ビジネスマン数十人だけでなく、その妻や子息も対象となっており、その数は150人以上に達するという。

対象者のなかには、ビジネスマンのムハンマド・カーティルジー氏、ハズワーン・ワッズ前教育大臣も含まれているという。

このうちカーティルジー氏は訴追を免れるために、海外に逃れているという。

また、ハッシュタグ・シリア(9月19日付)は、ムハンマド・スーワーフ氏が逮捕されたと伝えた。

なお、今回の汚職キャンペーンをめぐっては、ラーミー・マフルーフ氏が自宅軟禁下に置かれているとの情報もある。

AFP, September 19, 2019、ANHA, September 19, 2019、AP, September 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2019、Hashtag Syria, September 19, 2019、Reuters, September 19, 2019、SANA, September 19, 2019、Sawt al-‘Asima, September 19, 2019、SOHR, September 19, 2019、UPI, September 19, 2019などをもとに作成。

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『インディペンデント・アラビーヤ』:サウジ筋はシリア領内での「イランの民兵」に対する爆撃への参加を否定(2019年9月19日)

英日刊紙『インディペンデント』のアラビア語版にあたる『インディペンデント・アラビーヤ』(9月19日付)は、サウジアラビア軍の戦闘機複数機が、シリア領内での「イランの民兵」に対する航空作戦に参加したと報道に関して、サウジアラビアの複数の情報筋がこれを否定したと伝えた。

シリア北部でのシリア・ロシア軍による軍事攻撃が激化した場合に、同地の民間人数百万人の状況がさらに悪化するとして、9月21日(土曜日)から即時戦闘停止することを求めた。

AFP, September 19, 2019、ANHA, September 19, 2019、AP, September 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2019、Reuters, September 19, 2019、SANA, September 19, 2019、SOHR, September 19, 2019、UPI, September 19, 2019などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団は、トルコ占領下のアレッポ県北部で反体制派戦闘員6人を殺害したと発表(2019年9月19日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、トルコ占領下のバーブ市近郊のトゥワイス村、シャッラー村近郊のジャマー村・ウームラー村間で17日、ワッカース旅団、スルターン・ムラード師団を重火器・中火器、爆弾で攻撃し、戦闘員6人を殺害したと発表した。

ANHA(9月19日付)が伝えた。

AFP, September 19, 2019、ANHA, September 19, 2019、AP, September 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2019、Reuters, September 19, 2019、SANA, September 19, 2019、SOHR, September 19, 2019、UPI, September 19, 2019などをもとに作成。

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ハサカ県でYPG主体のシリア民主軍が若者4人を拘束・連行(2019年9月19日)

ハサカ県では、SANA(9月19日付)によると、米国の支援を受ける人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるカーミシュリー市近郊のシャルムーフ村で強制捜査を行い、若者4人を拘束・連行した。

AFP, September 19, 2019、ANHA, September 19, 2019、AP, September 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2019、Reuters, September 19, 2019、SANA, September 19, 2019、SOHR, September 19, 2019、UPI, September 19, 2019などをもとに作成。

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米主導の有志連合が無人航空機でダイル・ザウル県を爆撃し2人殺害(2019年9月19日)

ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(9月19日付)によると、米主導の有志連合が無人航空機で県東部のザッル村を爆撃し、2人を殺害した。

2人の身元は不明。

死亡した2人はオートバイに乗って、ザッル村に向かっていたところを爆撃されたという。

AFP, September 19, 2019、ANHA, September 19, 2019、AP, September 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2019、Euphrates Post, September 19, 2019、Reuters, September 19, 2019、SANA, September 19, 2019、SOHR, September 19, 2019、UPI, September 19, 2019などをもとに作成。

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ダマスカス郊外に無人航空機1機が飛来、シリア軍がこれを撃墜(2019年9月19日)

ダマスカス郊外県では、SANA(9月19日付)によると、19日晩に県南部のアクラバー町上空に「敵の標的」が飛来、シリア軍防空部隊がこれを撃墜、「敵の標的」が無人航空機(ドローン)(1機)であることを確認した。

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国連安保理でイドリブ県での停戦と「テロとの戦い」継続を求める二つの決議が相次いで否決(2019年9月19日)

国連安保理では、シリア情勢への対応について協議するための会合が開かれ、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県を中心とする北西部の状況をめぐって、ドイツ、ベルギー、クウェートが停戦を求める決議を、ロシア、中国が「テロとの戦い」継続を求める決議を提出、いずれも否決された。

ドイツ、ベルギー、クウェートが提出した決議案は、イドリブ県での人道状況のさらなる悪化を回避するため、9月21日(土曜日)から「人道停戦」の実施を求めるもの。

これに対して、ロシアも、中国の決議案は、同地での停戦において、テロ組織とつながりのある個人、グループ、組織に対する軍事行動を停戦から除外することを定めたもの。

採決に先立って、ユーソラ・ミューラー国連人道問題担当次官補は、ロシアとシリア政府が8月31日に発効した一方的停戦によって、シリア北西部で激しい戦闘は収まったとと一定の評価を下しつつも、同地での人道状況は依然として深刻なものだと強調、戦闘が続けばさらなる状況悪化は必死だと警鐘を鳴らした。

ミューラー氏によると、トルコを経由してドリブ県に対して行われている人道支援は、160万人の人々の手に届いているとしつつも、5月以降の戦闘で40万人が避難を余儀なくされ、国境地帯に追いやられていると指摘した。

9月初めには約60万人が国内避難民(IDPs)としてキャンプなどに身を寄せているという。

そのうえで、彼らを保護するために6800万米ドルが必要となっていると訴えた。

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採決では、米国、英国、フランス、ドイツ、ベルギー、クウェート、コートジボワール、ペルー、ポーランド、ドミニク共和国、南アフリカ、インドネシアの12カ国がドイツ、ベルギー、クウェートの決議案に賛成したが、ロシアと中国が拒否権を発動、また赤道ギニアが棄権し、否決された。

また、ロシア、中国の決議案も、9カ国が反対、4カ国が棄権し、同じく否決された。

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ロシアのワシーリー・ネヴェンジャ国連大使は、ドイツ、ベルギー、クウェートの決議案に関して、イドリブ県での民間人を含む犠牲の責任だけでなく、テロリストが最終敗北から逃れることの責任をロシアに帰せようとするものだと非難した。

また、バッシャール・ジャアファリー国連代表は、拒否権を発動したロシアと中国に対して、「国際法の諸原則、国連憲章の諸決定を遵守する」行為だと謝意を示した。

また、常任理事国を務める西側諸国が、いわゆる「署名運動」などと称して、「戦闘行為停止」を口実に偏った決議案を作成し、テロリストを救い出そうとしていると非難した。

とりわけ、決議案を提出したドイツに関しては、シリアとイラクで活動しているドイツ人テロリストが500人に達し、うち360人が今もテロ組織のメンバーとして活動を続けていると指弾した。

AFP, September 19, 2019、ANHA, September 19, 2019、AP, September 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2019、Reuters, September 19, 2019、SANA, September 19, 2019、SOHR, September 19, 2019、UPI, September 19, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア両軍の爆撃は確認されず、SANAによるとアル=カーイダはシリア政府支配地域への住民の避難を砲撃で阻止(2019年9月19日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから19日目(爆撃を激化させてから140日目)を迎えた9月19日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の散発的な戦闘は続いた。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より1人(民間人0人、シリア軍兵士1人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて4,145人となった。

内訳は、民間人1,055人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,408人、反体制武装集団戦闘員1,673人。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がハザーリーン村、マアッラト・ハルマ村、タッル・トゥーカーン村、カフルナブル市、カフルサジュナ村を砲撃した。

一方、SANA(9月18日付)によると、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構などの反体制武装集団が、県南東部のアブー・ズフール町に設置されている「人道回廊」一帯を砲撃し、回廊を通じてシリア政府支配地域に避難しようとする住民の移動を阻止した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がハークーラ村一帯でシリア軍部隊を狙撃、兵士1人を殺害した。

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アレッポ県では、ANHA(9月19日付)によると、シリア軍地上部隊がシャーム解放機構などの反体制派が活動を続けるカフルハムラ村に対して激しい砲撃を加えた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を48件(イドリブ県18件、ラタキア県16件、ハマー県16件、アレッポ県13件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を33件(イドリブ県18件、ラタキア県18件、ハマー県8件、アレッポ県1件)確認した。

AFP, September 19, 2019、ANHA, September 19, 2019、AP, September 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 19, 2019、Reuters, September 19, 2019、SANA, September 19, 2019、SOHR, September 19, 2019、UPI, September 19, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから418人、ヨルダンから948人の難民が帰国、避難民264人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月19日付)を公開し、9月18日に難民1,366人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは418人(うち女性125人、子供213人)、ヨルダンから帰国したのは948人(うち女性284人、子供483人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は406,000人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者127,990人(うち女性38,774人、子ども65,576人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者278,010人(うち女性83,439人、子ども141,773人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,646,677人(うち女性1,994,003人、子供3,389,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 635,280人(うち女性190,871人、子供324,271人)となった。

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一方、国内避難民264人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは264人(うち女性105人、子供23人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した264人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,680人(うち女性11,060人、子供16,262人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,276人(うち女性393,619人、子供660,028人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 19, 2019をもとに作成。

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