イドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所:8月にトルコ領内からシリア北部に強制退去させられたシリア難民の数は8,901人を記録(2019年9月2日)

イドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所の総務関係広報局(https://www.babalhawa.net/)は、8月にトルコ領内からシリア北部に強制退去させられたシリア難民の数が8,901人を記録したと発表した。

1ヶ月間の退去者数では過去最高。

なお7月には6,160人が、6月には4,370人が、5月には3,316人が強制退去させられており、その数は上昇傾向にある。

AFP, September 3, 2019、ANHA, September 3, 2019、AP, September 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 3, 2019、Reuters, September 3, 2019、SANA, September 3, 2019、SOHR, September 3, 2019、UPI, September 3, 2019などをもとに作成。

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イランの企業がタルトゥース県に新たな港湾施設を建設することをシリア政府側と合意(2019年9月2日)

シリアのバアス党の機関紙『バアス』(9月2日付)は、イランのハーテム・エンビヤー社が、タルトゥース県のアイン・ザルカー村一帯に新たな港湾施設を建設することをシリア政府側と合意した、と伝えた。

AFP, September 3, 2019、ANHA, September 3, 2019、AP, September 3, 2019、al-Ba’th, September 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 3, 2019、Reuters, September 3, 2019、SANA, September 3, 2019、SOHR, September 3, 2019、UPI, September 3, 2019などをもとに作成。

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前日に続いてイドリブ県、アレッポ県でアサド政権打倒とシャーム解放機構退去を求めるデモ発生。シャーム解放機構はこれを強制排除、「シリア革命」を唱導する一部サイトはこれを報じず(2019年9月2日)

イドリブ県では、スマート・ニュース(9月2日付)、オリエント・ニュース(9月2日付)、イナブ・バラディー(9月3日付)によると、サラーキブ市での前日のデモに呼応するかたちで、マアッラト・ヌウマーン市、アリーハー市、カフルタハーリーム町、ビンニシュ市でアサド政権打倒と、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構とシリア救国内閣の退去を求めるデモが行われた。

マアッラト・ヌウマーン市でのデモ参加者は数十人、アリーハー市は約200人、カフルタハーリーム町は約20人、ビンニシュ市は約15人。

デモ参加者は、シャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者を「米国の手先」などと批判した。

同様デモは、アレッポ県のアターリブ市でも発生し、約600人が参加したが、シャーム解放機構は実弾を発射し、これを強制排除した。

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なお、1日のサラーキブ市でのデモも含めて、シャーム解放機構に近いイバー・ネット、「シリア革命」を唱導するザマーン・ワスルは、シャーム解放機構に対するデモについて一切報じていない。

AFP, September 2, 2019、ANHA, September 2, 2019、AP, September 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 2, 2019、‘Inab Baladi, September 3, 2019、Orient News, September 2, 2019、Reuters, September 2, 2019、SANA, September 2, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, September 2, 2019、SMART News, September 2, 2019、SOHR, September 2, 2019、UPI, September 2, 2019、Zaman al-Wasl, September 2, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県アアザーズ市、ラーイー村で相次いで爆発、ラージュー町では反体制武装集団に手榴弾が投げつけられる(2019年9月3日)

アレッポ県では、ANHA(9月3日付)によると、トルコの占領下にあるアアザーズ市で爆弾が爆発し、8人が負傷した。

また、同じくトルコの占領下にあるバーブ市近郊のラーイー村でも東部自由人連合の拠点近くでオートバイに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

さらに、アフリーン市近郊のラージュー町では、何者かが反体制武装集団に対して手榴弾を投げつけ、武装集団メンバー1人が死亡、1人が重傷を負った。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(9月3日付)によると、人民防衛部隊(YPG)主導のシリア民主軍がマーリア市、アアザーズ市一帯、カルジャブリーン村を砲撃、トルコ軍がこれに応戦した。

AFP, September 3, 2019、ANHA, September 3, 2019、AP, September 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 3, 2019、Reuters, September 3, 2019、SANA, September 3, 2019、SOHR, September 3, 2019、UPI, September 3, 2019などをもとに作成。

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ラタキア県フマイミーム航空基地に接近を試みた無人航空機2機をシリア軍防空部隊がイドリブ県西部で撃墜(2019年9月3日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから4日目(爆撃を激化させてから125日目)を迎えた9月3日、シリア・ロシア軍の爆撃は記録されなかったが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の散発的な戦闘は続いた。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より5人(民間人0人、シリア軍兵士5人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて4,114人となった。

うち、1,048人が民間人(女性186人、子供261人を含む)、1,399人がシリア軍兵士、1,667人が反体制武装集団戦闘員。

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イドリブ県では、ロシア国防省、SANA(9月3日付)、スプートニク・ニュース(9月3日付)によると、ラタキア県フマイミーム航空基地に接近を試みた無人航空機2機をシリア軍防空部隊が県西部で撃墜した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団がタマーニア町一帯、トゥレックスで交戦、シリア軍地上部隊がカフルナブル、カフルサジュナを砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカッバーナ村一帯を砲撃した。

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アレッポ県ではシリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市北西部の反体制派支配地域を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が県北西部の反体制派支配地域を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(ラタキア県10件、イドリブ県9件、アレッポ県9件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(イドリブ県3件、ハマー県2件、アレッポ県1件)確認した。

AFP, September 3, 2019、ANHA, September 3, 2019、AP, September 3, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 3, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 3, 2019、Reuters, September 3, 2019、SANA, September 3, 2019、SOHR, September 3, 2019、Sputnik News, September 3, 2019、UPI, September 3, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから386人、ヨルダンから1,094人の難民が帰国、避難民6人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月2日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月2日付)を公開し、9月1日に難民1,480人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは386人(うち女性116人、子供197人)、ヨルダンから帰国したのは1,094人(うち女性328人、子供558人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は382,231人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者121,181人(うち女性36,511人、子ども61,729人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者261,050人(うち女性78,349人、子ども133,123人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,648,041人(うち女性1,994,412人、子供3,390,501人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 611,511人(うち女性183,518人、子供311,774人)となった。

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一方、国内避難民6人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは6人(うち女性3人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した6人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,290人(うち女性10,927人、子供16,200人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,303,886人(うち女性393,486人、子供659,966人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 2, 2019をもとに作成。

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米国の爆撃で狙われた新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・タウヒードが声明を出し復讐を誓う。他のアル=カーイダ系組織も爆撃を非難(2019年9月1日)

新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・タウヒードは声明を出し、9月1日の米軍によるイドリブ県カファルヤー町近郊の拠点への爆撃で、メンバー2人が死亡したことを明らかにし、弔意を示すとともに、「アッラーのお許しのもと、彼らのため、そしてイスラーム教徒殉教者たちのために我々は復讐する」と宣言した。

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新興のアル=カーイダ系組織の一つで、アンサール・タウヒードとともに「信者を煽れ」作戦司令室を主導するフッラース・ディーン機構も声明を出し、9月1日の米軍によるイドリブ県カファルヤー町近郊のアンサール・タウヒードの拠点への爆撃に関して、「イスラームとその民に対する現代のシオニズム・十字軍の戦争」「イスラーム、その民、そのジハードを標的したもの」と非難した。

また、新興のアル=カーイダ系組織の一つで、「信者を煽れ」作戦司令室に所属するアンサールッディーン戦線も「シャームの民の革命を根絶しようとするもの」と非難した。

AFP, September 2, 2019、ANHA, September 2, 2019、AP, September 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 2, 2019、Reuters, September 2, 2019、SANA, September 2, 2019、SOHR, September 2, 2019、UPI, September 2, 2019などをもとに作成。

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アレッポ県北部の避難民キャンプで火災が発生(2019年9月2日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月2日付)によると、スーラーン町近郊にあるバッル村の避難民キャンプで火災が発生し、テント約30帳が焼け、2人が重度の火傷を負った。

火災はガスストーブの誤用によるものだという。

AFP, September 2, 2019、ANHA, September 2, 2019、AP, September 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 2, 2019、Reuters, September 2, 2019、SANA, September 2, 2019、SOHR, September 2, 2019、UPI, September 2, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊を砲撃(2019年9月2日)

アレッポ県では、ANHA(9月2日付)によると、トルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマーリキーヤ村、カルアト・シャワーリガ村一帯(シーラーワー町近郊)を砲撃した。

AFP, September 2, 2019、ANHA, September 2, 2019、AP, September 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 2, 2019、Reuters, September 2, 2019、SANA, September 2, 2019、SOHR, September 2, 2019、UPI, September 2, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のアウン・ダーダート村(アレッポ県)にある反体制武装集団の検問所で大きな爆発、その直後トルコ軍憲兵隊と反体制武装集団が交戦(2019年9月2日)

アレッポ県では、ANHA(9月2日付)によると、トルコ占領下のアウン・ダーダート村(マンビジュ市北)にある反体制武装集団の検問所で大きな爆発があった。

爆発は車に仕掛けられた爆弾が爆発したことによるもので、直後に、いわゆる「ユーフラテスの盾」作戦司令室に所属する武装集団とトルコ軍憲兵隊の交戦も発生したという。

AFP, September 2, 2019、ANHA, September 2, 2019、AP, September 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 2, 2019、Reuters, September 2, 2019、SANA, September 2, 2019、SOHR, September 2, 2019、UPI, September 2, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍が一方的停戦を維持し爆撃を中止するも、イドリブ県、アレッポ県で散発的戦闘(2019年9月2日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦の発効から3日目(爆撃を激化させてから124日目)となる9月1日、シリア・ロシア軍の爆撃は記録されなかったが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の散発的な戦闘は続いた。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より5人(民間人0人、シリア軍兵士5人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて4,114人となった。

うち、1,048人が民間人(女性186人、子供261人を含む)、1,399人がシリア軍兵士、1,667人が反体制武装集団戦闘員。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がマアッラト・ハルマ村、ラカーヤー村、カフルサジュナ村、ビダーマー町を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がザンマール町、ハリーシャ村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を40件(アレッポ県11件、ハマー県6件、ラタキア県15件、イドリブ県8件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を24件(ハマー県8件、ラタキア県3件、イドリブ県13件)確認した。

AFP, September 2, 2019、ANHA, September 2, 2019、AP, September 2, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 2, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 2, 2019、Reuters, September 2, 2019、SANA, September 2, 2019、SOHR, September 2, 2019、UPI, September 2, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから386人、ヨルダンから1,094人の難民が帰国、避難民6人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月2日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月2日付)を公開し、9月1日に難民1,480人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは386人(うち女性116人、子供197人)、ヨルダンから帰国したのは1,094人(うち女性328人、子供558人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は382,231人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者121,181人(うち女性36,511人、子ども61,729人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者261,050人(うち女性78,349人、子ども133,123人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,648,041人(うち女性1,994,412人、子供3,390,501人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 611,511人(うち女性183,518人、子供311,774人)となった。

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一方、国内避難民6人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは6人(うち女性3人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した6人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,290人(うち女性10,927人、子供16,200人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,303,886人(うち女性393,486人、子供659,966人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 2, 2019をもとに作成。

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