シャーム解放機構傘下のシューラー総評議会がイドリブ県で2,000人の新規戦闘員を募集するためのキャンペーン開始(2019年9月5日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月6日付)が複数の地元筋の話として伝えたところによると、 シャーム解放機構の支配下にあるいわゆる「解放区」の立法機関に相当するシューラー総評議会(2019年発足、本部イドリブ市)が、シリア軍との戦闘に備え、「革命諸派」を支援するため、2,000人の新規戦闘員を募集するための「自ら備えよ」キャンペーンを開始した。

キャンペーン開始を宣言する会合には、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構、トルコの支援を受ける国民解放戦線、「穏健な反体制派」として知られたイッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室の代表、シャーム解放機構にイドリブ県の自治を委託されているシリア救国内閣宗教関係省の代表、人民抵抗連隊の代表らが同席した。

AFP, September 6, 2019、ANHA, September 6, 2019、AP, September 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 6, 2019、Reuters, September 6, 2019、SANA, September 6, 2019、SOHR, September 6, 2019、UPI, September 6, 2019などをもとに作成。

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ダマスカス県執行局メンバー:ヤルムーク・キャンプなど旧反体制派支配地域への住民帰還に向けた新たな措置を始動。法律第10号の適用はない(2019年9月5日)

ダマスカス県執行局メンバーのサミール・ジャザーイルリー氏は、2018年半ばまでに解放された県南部および隣接するダマスカス郊外県の旧反体制派・ダーイシュ(イスラーム国)支配地域への住民の帰宅に向けた新たな措置を開始したことを明らかにした。

『ワタン』(9月4日付)が伝えた。

ジャザーイルリー氏によると、県の委員会が最近になって、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ(ヤルムーク区)、タダームン区、カダム区、アサーリー地区、カーブーン工業地区、カーブーン住宅地区、バルザ区を訪問し、これらの地域に提供すべきサービス内容を確定し、そのリストを作成したという。

このうち、ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプについては、旧市街地の土地所有権は居住者に帰属していなかったため、法律第10号の適応対象外になるという。

法律第10号(都市再開発法)は、2019年3月19日に施行された法律で、開発地域内の私有地を接収し、同地域での新規プロジェクトにかかる収益の一部を配当金として所有者に支払い、補償を行うことなどを定めている。

同法では、シリア政府による開発地域設定後、1ヶ月以内に当局が域内の土地所有者に配当金補償についての告知を行い、これを受諾した所有者は配当金を受け取る一方、この申し出を拒否する所有者は30日以内に土地の所有権を証明する必要がある。

ジャザーイルリー氏はまた、同地への住民の帰還に関して、安全が確保された段階で行われるとしつつ、キャンプ内には違法に建築されていた建物・住居があり、同地での戦闘で破壊されたこれらを違法なかたちで再建することは許されず、法律が適用されねばならないと述べた。

安全が確保され、居住が可能と判断された建物・住居については、改めて正確な調査・測量などを行い、その所有権を文書で確認したうえで、所有者に引き渡すという。

AFP, September 5, 2019、ANHA, September 5, 2019、AP, September 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 5, 2019、Reuters, September 5, 2019、SANA, September 5, 2019、SOHR, September 5, 2019、UPI, September 5, 2019、al-Watan, September 5, 2019などをもとに作成。

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シリア赤新月社の使節団がルクバーン・キャンプに支援物資を搬入(2019年9月5日)

米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプの民政自治局は声明を出し、国連とシリア赤新月社の使節団が、避難民に配給するための支援物資を搬入したと発表した。

AFP, September 5, 2019、ANHA, September 5, 2019、AP, September 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 5, 2019、Reuters, September 5, 2019、SANA, September 5, 2019、SOHR, September 5, 2019、UPI, September 5, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構はロシアとの水面下の交渉、組織解体を否定(2019年9月5日)

シリアのアル=カーイダと目されているシャーム解放機構の軍事委員会メンバーでアブー・フサインを名乗る男性は、メディア関係者との懇談の席上で、ロシアとの水面下での交渉の存在について否定した。

アブー・フサインは「占領国ロシアとの交渉が行われているとの報道は正しくない。ロシアが発表した停戦は一方的なものだ」と述べた。

また、シャーム解放機構の組織を解体し、そのメンバーをトルコが支援する国民解放戦線に糾合しようとする動きがあるとの情報についても「こうした報道も否定されるべきで、正しくない。シャーム解放機構はいかなる勢力とも交渉を行っていない」と述べた。

ドゥラル・シャーミーヤ(9月5日付)などが伝えた。

AFP, September 5, 2019、ANHA, September 5, 2019、AP, September 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 5, 2019、Reuters, September 5, 2019、SANA, September 5, 2019、SOHR, September 5, 2019、UPI, September 5, 2019などをもとに作成。

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イスラエル当局はドゥルーズ派使節団のシリア訪問を禁じる(2019年9月5日)

SANA(9月5日付)などは、イスラエル当局がドゥルーズ派使節団のシリア訪問を禁じたと伝えた。


ドゥルーズ派使節団のシリア訪問は「神聖な義務」を果たすのが目的だが、『イェディオト・アハロノト』(9月5日付)によると、イスラエル当局が使節団がシリア政府高官との面談を予定していたため、出国を禁止する措置をとった。

イスラエル警察は、シリアに陸路で直接入国しようとして、カルメル山、ガリラヤ地方に集まっていたドゥルーズ派宗徒の出国を阻止した。


これに対して、ドゥルーズ派のシャイフ数百人がヨルダンに至る街道を封鎖、イスラエル当局による決定の撤回を求めた。

AFP, September 5, 2019、ANHA, September 5, 2019、AP, September 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 5, 2019、Reuters, September 5, 2019、SANA, September 5, 2019、SOHR, September 5, 2019、UPI, September 5, 2019、Yedioth Ahronoth, September 5, 2019などをもとに作成。

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トルコ・米軍はシリア北東部で3度目となる合同航空偵察を実施(2019年9月5日)

トルコ外務省は声明を出し、米国とともに「安全地帯」設置準備が推し進められているシリア北東部で3度目となる合同航空偵察を実施したと発表した。

偵察はトルコ軍ヘリコプター2機と米軍ヘリコプター2機によって行われた。

AFP, September 5, 2019、ANHA, September 5, 2019、AP, September 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 5, 2019、Reuters, September 5, 2019、SANA, September 5, 2019、SOHR, September 5, 2019、UPI, September 5, 2019などをもとに作成。

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フール・キャンプ(ハサカ県)でダーイシュの勧誘を拒み続けたイラク人青年が撲殺される(2019年9月5日)

ハサカ県では、ANHA(9月5日付)によると、国内避難民(IDPs)、イラク難民、そしてダーイシュ(イスラーム国)メンバーの家族が収容されているフール・キャンプに4日晩、ニカーブを纏ったダーイシュ(イスラーム国)のメンバーと思われる男性2人が潜入し、イラク難民の青年1人を殴打し重傷を負わせた。

殴打された青年は就寝中で、その後ハサカ市のヒクマ病院に緊急搬送されたが5日早朝に死亡した。

死亡した青年はムハンマド・シハーダ・ハマーダ氏で、ダーイシュのイデオロギーを受け入れるよう求めるキャンプ内のイラク人の勧誘を頑なに拒んでいたという。

AFP, September 5, 2019、ANHA, September 5, 2019、AP, September 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 5, 2019、Reuters, September 5, 2019、SANA, September 5, 2019、SOHR, September 5, 2019、UPI, September 5, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県サルキーン市でシリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構に支持を表明するデモ。シャーム解放機構退去を求めたデモ参加者が脅迫を受ける(2019年9月5日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルキーン市でシリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構に支持を表明するデモが行われた。

デモには、数十人が参加、車に乗ってシャーム解放機構の旗を掲げ、4日晩まで市内を巡回した。

複数の住民によると、デモに参加したのは、シャーム解放機構の治安機関のメンバーと一部住民だという。

サルキーン市はシャーム解放機構の行政、経済の拠点と目されている。

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シリア人権監視団はまた、1日と2日のサラーキブ市などでのデモで、シャーム解放機構のムハンマド・アブー・ジャウラーニー指導者やトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領を非難するシュプレヒコールを連呼した参加者多数が、反体制諸派の治安機関から直接の脅迫を受けていることを明らかにした。

デモ参加者は、ジャウラーニー指導者やエルドアン大統領を「カエル」「体制の手先」「米国の手先」などと罵倒していたという。

また、カッリー町でのデモで、エルドアン大統領の写真を焼いた若者がビデオ声明を出し、トルコの指導部と国民に謝罪、シリア難民を受け入れているトルコに謝意を示した。

この若者はビデオで、意図せず写真を焼いてしまったと説明、体制(アサド政権)の手先がデモ参加者の熱意や怒りの感情を利用していると弁明した。

https://www.facebook.com/almohrarmedia3/videos/539693653434111/br

 

AFP, September 5, 2019、ANHA, September 5, 2019、AP, September 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 5, 2019、Reuters, September 5, 2019、SANA, September 5, 2019、SOHR, September 5, 2019、UPI, September 5, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県、ラタキア県で散発的戦闘、ダイル・ザウル県でダーイシュがシリア軍拠点を攻撃(2019年9月5日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから6日目(爆撃を激化させてから127日目)を迎えた9月5日、シリア・ロシア軍の爆撃は記録されなかったが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の散発的な戦闘は続いた。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より1人(民間人0人、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員1人)増えて4,124人となった。

うち、1,048人が民間人(女性186人、子供261人を含む)、1,406人がシリア軍兵士、1,670人が反体制武装集団戦闘員。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がアーミリーヤ村、タビーシュ村を砲撃した。

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ダイル・ザウル県では、DPN(9月5日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がマヤーディーン市郊外の砂漠地帯にあるシリア軍と親政権民兵の拠点を攻撃し、兵士複数人を殺傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県7件、ラタキア県11件、アレッポ県7件、ハマー県6件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を11件(イドリブ県7件、ハマー県1件、アレッポ県3件)確認した。

AFP, September 5, 2019、ANHA, September 5, 2019、AP, September 5, 2019、DPN, September 5, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 5, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 5, 2019、Reuters, September 5, 2019、SANA, September 5, 2019、SOHR, September 5, 2019、UPI, September 5, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから399人、ヨルダンから1,023人の難民が帰国、避難民3人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月5日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月5日付)を公開し、9月4日に難民1,422人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは399人(うち女性120人、子供204人)、ヨルダンから帰国したのは1,023人(うち女性307人、子供522人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は386,302人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者122,306人(うち女性36,849人、子ども62,304人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者263,996人(うち女性79,233人、子ども134,626人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,648,041人(うち女性1,994,412人、子供3,390,501人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 615,582人(うち女性184,740人、子供313,852人)となった。

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一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,300人(うち女性10,927人、子供16,200人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,303,896人(うち女性393,486人、子供659,966人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 5, 2019をもとに作成。

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