『ワタン』:バーブ・ハワー国境通行所でトルコの諜報機関と反体制武装集団が会合し、M4高速道路の活用について協議(2019年9月29日)

『ワタン』(9月30日付)はトルコの支援を受ける反体制武装集団に近い複数の消息筋の話として、バーブ・ハワー国境通行所でトルコの諜報機関(国家諜報機構(MİT))が反体制武装集団の幹部らと会合を行ったと伝えた。

反体制武装集団のなかには、シリアのアル=カーイダと目されているシャーム解放機構も含まれており、会合では、アレッポ市とハマー市を結ぶ国際幹線道路(M4高速道路)の活用などに議論が集中した。

これは同街道を反体制武装集団の移動(撤退)に利用することをめざすものだという。

AFP, September 30, 2019、ANHA, September 30, 2019、AP, September 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2019、Reuters, September 30, 2019、SANA, September 30, 2019、SOHR, September 30, 2019、UPI, September 30, 2019、al-Watan, September 30, 2019などをもとに作成。

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ハサカ県、ダイル・ザウル県で北・シリア自治局・シリア民主軍のオートバイ使用・持ち込み禁止令、耕作禁止令に抗議するデモ(2019年9月29日)

ハサカ県では、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるハサカ市内のアズィーズィーヤ地区にあるアサーイシュ本部前で、オートバイ使用・持ち込み禁止令に抗議するデモが行われた。

オートバイ使用・持ち込み禁止令は、治安上の理由で北・東シリア自治局当局が10月5日に発効することを決定していた。

ザマーン・ワスル(9月29日付)やスマート・ニュース(9月29日付)によると、市内のタッル・ハジャル地区東部では、オートバイ利用者数十人がタイヤを焼くなどして道路を封鎖した。

同様のデモは24日にも、シャッダーディー市で発生していた。

一方、SANA(9月29日付)によると、北・東シリア自治局の防衛を担う人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ラアス・アイン市、シャッダーディー市、タッル・タムル町、タッル・ハミース市で「徴兵」と称して若者300人を拘束、連行した。

このほか、ANHA(9月29日付)によると、フール・キャンプでダーイシュ(イスラーム国)のメンバーの妻1人が遺体で発見された。

発見された遺体は頭部を強打された跡があり、10日ほど前に殺害されたと思われるという。

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ダイル・ザウル県では、ザマーン・ワスル(9月29日付)によると、北・東シリア自治局の防衛を担う人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がアブー・ハシャブ村近郊の砂漠地帯での農業を禁止したことをうけて、同地に近いカスラ村、ハワーイジュ・ブーマスア村、ハルムーシーヤ村の住民数百人がハルムーシーヤ村で抗議デモを行った。

デモ参加者はラッカ市とダイル・ザウル県を結ぶ街道でタイヤを燃やすなどして封鎖した。

デモを受けて、バカーラ部族の部族長や地元名士が、ハルムーシーヤ村の名士であるダッハーム・ムハンマド・イブラーヒーム氏の自宅で会合を開き、対応について協議した。


一方、ジュルフ・ニュース(9月29日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、ダーイシュ(イスラーム国)メンバーだとして拘束していたズィーバーン町の住民多数を釈放した。

AFP, September 29, 2019、ANHA, September 29, 2019、AP, September 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2019、Jurf News, September 29, 2019、Reuters, September 29, 2019、SANA, September 29, 2019、SMART News, September 29, 2019、SOHR, September 29, 2019、UPI, September 29, 2019、Zaman al-Wasl, September 29, 2019などをもとに作成。

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ルクバーン・キャンプの国内避難民150人がシリア政府支配地域に帰還、ヒムス市バイヤーダ地区に移送(2019年9月29日)

米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン・シリア国境緩衝地帯にあるルクバーン・キャンプから国内避難民(IDPs)約150人が、国連とシリア赤新月社に随行され、キャンプを跡にし、55キロ地帯を経由して、シリア政府支配地域に帰還した。

ルクバーン・キャンプ民政自治局のアブドゥルアズィーズ・ティーバーウィー広報調整官によると、150人はヒムス市バイヤーダ地区に移送され、芸術学校に設置された空軍情報部所轄の収容センターに収容されたという。

スマート・ニュース(9月29日付)が伝えた。

AFP, September 29, 2019、ANHA, September 29, 2019、AP, September 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2019、Reuters, September 29, 2019、SANA, September 29, 2019、SMART News, September 29, 2019、SOHR, September 29, 2019、UPI, September 29, 2019などをもとに作成。

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トルコ国防省は「ユーフラテスの盾」地域から領空侵犯したドローンを撃墜したと発表(2019年9月29日)

トルコ国防省は声明を出し、所属不明の無人航空機(ドローン)1機をトルコ領内で撃墜したと発表した。

声明によると、このドローンは、トルコが実質占領するアレッポ県北部の「ユーフラテスの盾」地域からキリス県に侵入、トルコ領空を6回にわたり侵犯したという。

アナトリア通信(9月29日付)が伝えた。

AFP, September 29, 2019、Anadolu Ajansı, September 29, 2019、ANHA, September 29, 2019、AP, September 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2019、Reuters, September 29, 2019、SANA, September 29, 2019、SOHR, September 29, 2019、UPI, September 29, 2019などをもとに作成。

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今年に入って当局が没収した政府関係者の財産は180億シリア・ポンド(37億円)に(2019年9月29日)

親政府系サイトのイクティサード(9月29日付)、『ワタン』(9月29日付)は、政府関係者の動産・不動産を差し押さえる決定が2019年に入って538件に達し、当局がすでに180億シリア・ポンド(37億円相当)を没収したと伝えた。

財務省のバッサーム・アブドゥンナビー次官によると、没収額は全額ではなく、決定は教育省の汚職事件などに関係した高官ら224人を対象としているという。

AFP, September 29, 2019、ANHA, September 29, 2019、AP, September 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2019、al-Iqtisad, September 29, 2019、Reuters, September 29, 2019、SANA, September 29, 2019、SOHR, September 29, 2019、UPI, September 29, 2019、al-Watan, September 29, 2019などをもとに作成。

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PYD幹部は制憲委員会(憲法委員会)をめぐる米国の姿勢を批判(2019年9月29日)

北・東シリア自治局、人民防衛隊(YPG)、シリア民主軍、シリア民主評議会を主導するクルド民族主義組織の民主統一党(PYD)幹部のムヒーッディーン・シャイフ・アーリー氏は、アラビーヤ(9月29日付)のインタビューに応じ、そのなかで23日に設置が発表された制憲委員会(憲法委員会)に歓迎の意を示した米国を非難した。

シャイフ・アーリー氏は「シリア危機に対する米政権の政策は曖昧だ。アサド政権、反体制派、市民社会の専門家の代表150人からなる制憲委員会にクルド人が参加しない状況を批判する」と述べた。

AFP, September 29, 2019、Alarabia, September 29, 2019、ANHA, September 29, 2019、AP, September 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2019、Reuters, September 29, 2019、SANA, September 29, 2019、SOHR, September 29, 2019、UPI, September 29, 2019などをもとに作成。

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故アブドゥルバースィト・サールート氏も従軍していた親アル=カーイダ系組織のイッザ軍司令官が制憲委員会(憲法委員会)を酷評(2019年9月29日)

イッザ軍司令官のジャミール・サーリフ司令官は、23日に設置が発表された制憲委員会(憲法委員会)に参加する反体制派を「カエルども」と厳しく非難した。

サーリフ司令官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/jamelalsaleh0/)で反体制派を「大会だの合意だの憲法だのと言ってロシアや体制と同じ席に着くカエルどもだ」、「シリア人100万人が殺され、数百万人が追放させられ、国が破壊され、50万人が逮捕され失踪中なのに、お前たちは憲法について云々している。お前たちは跪きに行こうとしている」、「お前たちの夢とアサドの悪党の夢となるだろう。この大地はアッラーのお許しのもと、男たちを遣わし続ける」と酷評した。

イッザ軍はシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構と共闘するいわゆる「穏健な反体制派」で、「革命のサヨナキドリ」として知られて、ドキュメンタリー映画『それでも僕は帰る:シリア、若者たちが求め続けたふるさと』に出演したアブドゥルバースィト・サールート氏(2019年6月死亡)も参加していた組織。

AFP, September 29, 2019、ANHA, September 29, 2019、AP, September 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2019、Reuters, September 29, 2019、SANA, September 29, 2019、SOHR, September 29, 2019、UPI, September 29, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍が北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市(アレッポ県)近郊のバイルーニーヤ村を砲撃(2019年9月29日)

アレッポ県では、ANHA(9月29日付)によると、トルコ軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のバイルーニーヤ村を砲撃した。

一方、アフリーン解放戦線は声明を出し、トルコ占領下のシャッラー村近郊のアナービカ村一帯、カフル・ナッブー村・ブルジュ・ハイダル村間で28日、トルコの支援を受ける反体制武装集団を攻撃、戦闘員少なくとも7人を殺害したと発表した。

AFP, September 29, 2019、ANHA, September 29, 2019、AP, September 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2019、Reuters, September 29, 2019、SANA, September 29, 2019、SOHR, September 29, 2019、UPI, September 29, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから403人、ヨルダンから836人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年9月29日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月29日付)を公開し、9月28日に難民1,239人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは403人(うち女性121人、子供205人)、ヨルダンから帰国したのは836人(うち女性251人、子供426人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は418,129人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者132,070人(うち女性39,999人、子ども67,655人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者286,059人(うち女性85,855人、子ども145,878人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,654,208人(うち女性1,996,262人、子供3,393,646人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 647,409人(うち女性194,512人、子供330,455人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 29, 2019をもとに作成。

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シリア軍がシャーム解放機構などの反体制武装集団が活動を続けるラタキア県北東部を「樽爆弾」で爆撃(2019年9月29日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから29日目(爆撃を激化させてから150日目)を迎えた9月29日、シリア軍ヘリコプターが「樽爆弾」による爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が各地で散発的に交戦した。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より2人減少?!して4,164人となった。

内訳は、民間人1,066人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,421人、反体制武装集団戦闘員1,677人。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がトゥラムラー村、マアッラト・ハルマ村、マアッラト・スィーン村、ハザーリーン村、カルサア村、アブー・フッバ村、ラッファ村、カラーティー村、ウライニバ村、ナキール村、カフルサジュナ村、シャイフ・ムスタファー村、タッフ村、タフターヤー村、ウンム・ジャラール村、放棄された大隊基地、タッル・ジャアファル村、ザイズーン火力発電所一帯を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがシャーム解放機構などの反体制武装集団が活動を続けるカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃、地上部隊が同地を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がハーン・トゥーマーン村を砲撃した。

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ダマスカス郊外県では、サウト・アースィマ(9月29日付)によると、情報省の総合情報部がドゥーマー市でアースィム・ラヒーバーニー氏を含む医師や看護師多数を拘束した。

拘束された医師・看護師は、東グータ地方が反体制派の支配下にあった2018年以前、同地の野戦病院に勤務していたと疑われているという。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県11件、ラタキア県13件、アレッポ県10件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を23件(イドリブ県6件、ラタキア県6件、アレッポ県5件、ハマー県6件)確認した。

AFP, September 29, 2019、ANHA, September 29, 2019、AP, September 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 29, 2019、Reuters, September 29, 2019、SANA, September 29, 2019、Sawt al-‘Asima, September 29, 2019、SOHR, September 29, 2019、UPI, September 29, 2019などをもとに作成。

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