トルコのエルドアン大統領はシリア領内のトルコ軍監視所の処遇をめぐってシリア政府と連絡を取り合っていることを認める(2019年9月13日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロイター通信(9月14日付)のインタビューに応じ、そのなかでイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンに設置されているトルコ軍監視所の処遇をめぐって、シリアのアサド政権と連絡を取り合っていることを認めた。

エルドアン大統領はまた、この問題をめぐって、アスタナ会議における保障国であるロシア、イランとも連携をとっていることを明らかにした。

AFP, September 14, 2019、ANHA, September 14, 2019、AP, September 14, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 14, 2019、Reuters, September 13, 2019、SANA, September 14, 2019、SOHR, September 14, 2019、UPI, September 14, 2019などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣「シリアでの戦争は実質的に終わった」(2019年9月13日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は日刊紙『トルード』(9月13日付)のインタビューのなかで「シリアでの戦争は実質的に終わった」と述べた。

ラブロフ外務大臣は「この国(シリア)は少しずつ平和な通常の生活を取り戻しつつある。シリア政府の支配下にない地域が依然として残っている。例えば、イドリブ県やユーフラテス川東岸がそれだ」と述べた。

そのうえで「シリアへの包括的な人道支援を行うとともに、危機を解決し、この国に長期的で確固たる安定を実現するための政治プロセスを推し進める必要がある」と付言した。

AFP, September 13, 2019、ANHA, September 13, 2019、AP, September 13, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 13, 2019、Reuters, September 13, 2019、SANA, September 13, 2019、SOHR, September 13, 2019、Trud, September 13, 2019、UPI, September 13, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構は組織内改革に着手、綱紀粛正をめざす(2019年9月13日)

イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンのほぼ全域の軍事・治安権限を握るシャーム解放機構は声明を出し、組織改革の一環として「最高検閲委員会」を設置すると発表した。

委員会設置は、幹部の1人で最近になって司令官職を解かれたアブー・アブド・アシュダー氏がビデオ・メッセージを通じて組織内の改革を訴えたことを受けた動きで、組織内の汚職や腐敗を監督するのが目的。

AFP, September 13, 2019、ANHA, September 13, 2019、AP, September 13, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 13, 2019、Reuters, September 13, 2019、SANA, September 13, 2019、SOHR, September 13, 2019、UPI, September 13, 2019などをもとに作成。

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政府支配下のダルアー県でアサド政権打倒を呼びかける落書き、アル=カーイダ支配下のイドリブ県では体制打倒とロシア撤退を求めるデモ(2019年9月13日)

ダルアー県では、HFL(9月13日付)によると、フラーク市でアサド政権の打倒を呼びかける落書きが新たに発見された。

フラーク市内の墓地の壁には、「愚かなバッシャールは倒れる」などと書かれている。

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シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握るイドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月13日付)によると、ビンニシュ市、サラーキブ市などで、アサド政権打倒、ロシアの撤退を求めるデモが行われた。

AFP, September 13, 2019、ANHA, September 13, 2019、AP, September 13, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 13, 2019、Reuters, September 13, 2019、SANA, September 13, 2019、SOHR, September 13, 2019、UPI, September 13, 2019などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるアフリーン市(アレッポ県)で自爆テロが発生し13人が死傷(2019年9月13日)

アレッポ県では、ANHA(9月13日付)によると、トルコの占領下にあるアフリーン市中心のラージュー町に至る街道で、男性1人が車に爆弾を積んで自爆し、住民13人が死傷した。

ドゥラル・シャーミーヤ(9月13日付)によると、死者はなく、25人が負傷。

AFP, September 13, 2019、ANHA, September 13, 2019、AP, September 13, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 13, 2019、Reuters, September 13, 2019、SANA, September 13, 2019、SOHR, September 13, 2019、UPI, September 13, 2019などをもとに作成。

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ラッカ県、ハサカ県で、YPG主体のシリア民主軍による若者の拘束・連行続く(2019年9月13日)

ラッカ県では、SANA(9月13日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のパトロール部隊が、タッル・アブヤド市内で強制捜査を行い、若者3人を拘束、連行した。

また、アイン・イーサー市でも重火器を装備した別のパトロール部隊が「指名手配者」の捜索だとして、多数の住宅で強制捜査を行った。

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ハサカ県では、SANA(9月13日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のハサカ市グワイラーン地区で若者21人を拘束、シャッダーディー市でも11人を拘束した。

拘束された若者はいずれも兵役忌避者だとして連行された。

AFP, September 13, 2019、ANHA, September 13, 2019、AP, September 13, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 13, 2019、Reuters, September 13, 2019、SANA, September 13, 2019、SOHR, September 13, 2019、UPI, September 13, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県でシリア・ロシア軍の爆撃は確認されず。シリア軍はトルコ軍監視所一帯を砲撃(2019年9月13日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから13日目(爆撃を激化させてから134日目)を迎えた9月13日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施しなかったが、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の散発的な戦闘は続き、シリア軍は180回にわたり砲撃を行った。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より5人(民間人2人(うち女性1人、子供1人)、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて4,138人となった。

内訳は、民間人1,055人(うち女性188人、子供263人)、シリア軍兵士1,406人、反体制武装集団戦闘員1,671人。

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イドリブ県では、イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマアッラト・ヌウマーン市、カフルナブル市、ウンム・スィール村、カフルサジュナ村、マアッラト・ハルマ村、シャイフ・ムスタファー村、カンスフラ村、ラカーヤー村、マアッルズィーター村、マアッラト・マーティル村を砲撃し、マアッラト・ヌウマーン市では、女児1人を含む3人が死亡、カフルナブル市では女性1人を含む2人が死亡した。

シリア軍の砲撃は、トルコ軍部隊が留め置かれているマアッル・ハッタート村(マアッラト・ヌウマーン市南)にも及んだ。

この部隊は、ハマー県ムーリク市近郊のトルコ軍監視所(第9監視所)に支援物資を届けるはずだったが、シリア軍により進行を阻止されている。

これに対して、反体制武装集団はハーン・シャイフーン市のシリア軍検問所を砲撃した。

一方、ホワイト・ヘルメットは、バイニーン村近郊にある国内避難民(IDPs)収容キャンプがシリア軍の爆撃を受け、火災が発生したと主張した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハラサ村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を37件(アレッポ県11件、ラタキア県1件、ハマー県9件、イドリブ県13件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を25件(アレッポ県2件、ラタキア県1件、ハマー県9件、イドリブ県13件)確認した。

AFP, September 13, 2019、ANHA, September 13, 2019、AP, September 13, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 13, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 13, 2019、Reuters, September 13, 2019、SANA, September 13, 2019、SOHR, September 13, 2019、UPI, September 13, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから486人、ヨルダンから1,008人の難民が帰国、避難民3人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月13日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月13日付)を公開し、9月12日に難民1,494人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは486人(うち女性146人、子供248人)、ヨルダンから帰国したのは1,008人(うち女性302人、子供514人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は397,901人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者125,595人(うち女性38,055人、子ども64,355人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者272,306人(うち女性81,727人、子ども138,864人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,648,041人(うち女性1,994,412人、子供3,390,501人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 627,181人(うち女性188,440人、子供320,141人)となった。

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一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,346人(うち女性10,937人、子供16,214人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,303,942人(うち女性393,496人、子供659,980人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 13, 2019をもとに作成。

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