ダマスカス郊外県東グータ地方出身の女性活動家バヤーン・リーハーン氏らが制憲委員会(憲法委員会)を拒否する活動をSNS上で開始:「問題は憲法の紙面ではなくて、シリアの街で起きている」(2019年9月25日)

スマート・ニュース(9月25日付)は、複数の活動家が制憲委員会に異議を唱える活動をSNS上で開始したと伝えた。

ダマスカス郊外県東グータ地方出身の女性活動家バヤーン・リーハーン氏は「移行期統治機関(移行政府)を発足させる前に制憲委員会を設置することは、アサド体制に正統性を与え、世界に向けて彼が平和の担い手であると示すことになる。私たちはこうしたことを断固拒否する…。問題は憲法の紙面ではなくて、シリアの街で起きているのです」と力説した。

AFP, September 25, 2019、ANHA, September 25, 2019、AP, September 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2019、Reuters, September 25, 2019、SANA, September 25, 2019、SMART News, September 25, 2019、SOHR, September 25, 2019、UPI, September 25, 2019などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける国民解放戦線所属組織幹部たちは制憲委員会(憲法委員会)を拒否、「革命は自由と尊厳と新世代創出のため」と主張(2019年9月25日)

トルコの支援を受ける国民解放戦線を主導する武装集団の一つでアル=カーイダの系譜を組むシャーム自由人イスラーム運動のジャービル・アリー・バーシャー総司令官(兼国民解放戦線司令評議会メンバー)は音声声明を出し、23日に発足が宣言された憲法委員会を拒否する姿勢を明示した。

バーシャー総司令官は「革命は憲法の改正や政府の改編などのために1日たりとも行われていない…。自由、尊厳、シリアの民にふさわしい未来を建設する新世代の創出のために革命は始まった」と主張した。

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同じく、国民解放戦線に所属するシャームの鷹旅団のアフマド・シャイフ(アブー・イーサー)司令官も声明を出し「犯罪集団のもとで憲法などない…。体制打倒以外の選択肢はない」とのべ、制憲委員会への拒否の姿勢を示した。

シャイフ司令官は「圧制者は憲法を尊重などしない…。彼らが自らが高らかに謳う成文化された憲法のもとで行動していたのなら、彼らに対して正義を訴える者の権利を虐げなかったろう…。だが、適用されず、実施されない憲法なのだ。憲法のもとで不正と抑圧を行う犯罪者どもにとって、現実離れしたロマンチックな書物以外の何ものでもないのだ」と非難した。

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さらに、国民解放戦線報道官で戦線に所属するヌールッディーン・ザンキー運動報道官でもあるアブドゥッサラーム・アブドゥッラッザーク氏はツイッターのアカウント(https://twitter.com/abdulslamabdul7/)、憲法委員会が「国民の権利を踏みにじり、犯罪殺人者バッシャールの罪を清算し、シリアの未来におけるパートナーとして奴を受け入れるためのものだ」と非難した。

アブドゥッラッザーク司令官は「制憲委員会は良くて、憲法を改正し、政権に正統性を与えて、占領下での次期選挙に参加させられるだけだ」と批判した。

https://twitter.com/abdulslamabdul7/status/1176472186133106689

AFP, September 25, 2019、ANHA, September 25, 2019、AP, September 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2019、Reuters, September 25, 2019、SANA, September 25, 2019、SOHR, September 25, 2019、UPI, September 25, 2019などをもとに作成。

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シリア・ムスリム同胞団は制憲委員会(憲法委員会)を「政治的衣装をまとった軍事的解決」と非難して拒否(2019年9月25日)

トルコで活動を続けるシリア・ムスリム同胞団はツイッターのアカウント(https://twitter.com/ikhwansyriaar)を通じて報道向け声明を発表し、23日に国連のアントニオ・グテーレス事務総長によって設置が宣言された制憲委員会(憲法委員会)を改めて拒否すると表明した。

声明で同胞団は「国連事務総長が制憲委員会設置を公式に宣言するなか、我々シリア・ムスリム同胞団は、委員会を拒否するとのこれまでの公式姿勢を改めて明確にする」としたうえで「シリアで今日起きていることは、政治的衣装をまとった軍事的解決の押しつけだ。我々が委員会を拒否しているのは、それが平和的な政治基盤のうえに成り立っていないと我々が完全に確信しているからだ。それは国際社会での諸決議を政治的にゆがめることで生まれたものだ」と非難した。

また「同胞団は発表された制憲委員会に何らのなを連ねていない…。問題の本質は憲法とか選挙とか、政府や議会でポストを得ることではなく、憲法を信じない抑圧的独裁体制にある」と強調した。

AFP, September 25, 2019、ANHA, September 25, 2019、AP, September 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2019、Reuters, September 25, 2019、SANA, September 25, 2019、SOHR, September 25, 2019、UPI, September 25, 2019などをもとに作成。

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8月にシリア軍が解放したイドリブ県ハーン・シャイフーン市など同県南部に住民数百人が帰村(2019年9月25日)

8月にシリア軍によって解放されたイドリブ県ハーン・シャイフーン市など同県南部の住民数百人が、ハマー県ムーリク市に設置された通行所を経由して車で帰村した。

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イドリブ県ハーン・シャイフーン市など同県南部、8月にシリア軍によって解放されたハマー県カフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市など同県北部の取材ツアーが企画され、ロシア、中国など、欧州、アジア、南米諸国のジャーナリスト約60人が参加した。

参加者は、シリア当局関係者の随行を受けて、シリアのアル=カーイダと目されているシャーム解放機構が同地に建設した地下道、武器弾薬庫、そしてホワイト・ヘルメットの拠点などを見学した。

https://youtu.be/5j-gkWZ2z1s

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シリアを訪問中のパオロ・ロマーニ元老院(上院)議員を団長とするイタリア議員使節団が、ヒムス県タドムル市にあるパルミラ遺跡群、ヒムス市を見学した。

使節団は22日にアサド大統領と会談している。

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SANA(9月25日付)が伝えた。

AFP, September 25, 2019、ANHA, September 25, 2019、AP, September 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2019、Reuters, September 25, 2019、SANA, September 25, 2019、SOHR, September 25, 2019、UPI, September 25, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍がハサカ県で市民4人を拉致・連行する一方、フール・キャンプからダーイシュの女性メンバー4人が脱走(2019年9月25日)

ハサカ県では、SANA(9月25日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるタッル・ハミース市近郊の小ハサウィーヤ村に人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が突入し、市民4人を拉致し、連行した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(9月25日付)によると、フール・キャンプからダーイシュ(イスラーム国)メンバーだった女性4人が脱走した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるウマル油田近くで、タンクローリーに仕掛けられていた爆弾が爆発した。

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アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、トルコ占領下のマーリア市近郊で23日に反体制武装集団の拠点を攻撃し、戦闘員1人を殺害したと発表した。
ANHA(9月25日付)が伝えた。

AFP, September 25, 2019、ANHA, September 25, 2019、AP, September 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2019、Reuters, September 25, 2019、SANA, September 25, 2019、SOHR, September 25, 2019、UPI, September 25, 2019などをもとに作成。

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シリア軍はラタキア県北東部を「樽爆弾」で爆撃、シャーム解放機構が主導する反体制派はアレッポ市を砲撃(2019年9月25日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから25日目(爆撃を激化させてから146日目)を迎えた9月25日、シリア軍ヘリコプターが「樽爆弾」による爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が各地で散発的に交戦した。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日と同じ4,155人だった。

内訳は、民間人1,066人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,414人、反体制武装集団戦闘員1,675人。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃した。

また地上部隊も同地を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がハーン・トゥーマーン村一帯、ジャズラーヤー村を砲撃した。

これに対して、反体制武装集団はシリア政府支配下のアレッポ市ハラブ・ジャディーダ地区を砲撃し、複数人が負傷した。

SANA(9月25日付)によると、反体制武装集団はまた、ハラブ・ジャディーダ地区だけでなく、ナイル通りを砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がマアッラト・ハルマ村、シャイフ・ムスタファー村、タッフ村を砲撃した。

また前日にシリア軍が進軍したタッル・ジャアファル村一帯では、シリア軍と反体制武装集団が砲撃戦を行った。

一方、シリアのアル=カーイダと目されているシャーム解放機構の治安部隊は、トルコのハタイ県に近いダーナー市でダーイシュ(イスラーム国)のメンバーと激しく交戦した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月25日付)によると、シリア軍部隊がサナマイン市で正体不明の武装集団と交戦し、1人が死亡、複数が負傷した。

また、HFL(9月26日付)によると、東ムライハ村の村長で和解委員会メンバーでもあるガーリブ・ズウビー氏が何者かに撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を42件(イドリブ県16件、ラタキア県10件、アレッポ県11件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を32件(イドリブ県12件、ラタキア県10件、アレッポ県4件、ハマー県6件)確認した。

AFP, September 25, 2019、ANHA, September 25, 2019、AP, September 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 25, 2019、HFL, September 25, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 25, 2019、Reuters, September 25, 2019、SANA, September 25, 2019、SOHR, September 25, 2019、UPI, September 25, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから386人、ヨルダンから718人の難民が帰国、避難民1人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月25日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月25日付)を公開し、9月24日に難民1,104人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは386人(うち女性116人、子供197人)、ヨルダンから帰国したのは718人(うち女性215人、子供366人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は413,329人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者130,392人(うち女性39,494人、子ども66,800人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者282,937人(うち女性84,918人、子ども144,286人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,646,677人(うち女性1,994,003人、子供3,389,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 642,609人(うち女性193,070人、子供328,008人)となった。

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一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは1人(うち女性0人、子供0人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,707人(うち女性11,062人、子供16,265人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,303人(うち女性393,621人、子供660,031人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 25, 2019をもとに作成。

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