グテーレス国連事務総長はシリア制憲委員会(憲法委員会)の設置が完了したと発表(2019年9月23日)

国連のアントニオ・グテーレス事務総長はニューヨークの国連本部での記者会見で、制憲委員会の設置が完了したと発表した。

制憲委員会(あるいは憲法委員会)は、2018年1月のロシアの避暑地ソチで開催されたシリア国民対話大会で設置合意され、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表が委員150人の人選を調整していた。

150人のうち50人はシリア政府側代表、50人は反体制派側代表、50人はペデルセン氏選出枠(市民社会代表)に配分されることが決まっていた。

グテーレス事務総長によると、制憲委員会は数週間以内にスイスのジュネーブで初会合が開かれる予定だが、具体的な日程については明言しなかった。

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制憲委員会の委員に選ばれた最高交渉委員会メンバーの1人イブラーヒーム・ジャバーウィー准将がスマート・ニュース(9月23日付)に明らかにしたところによると、委員会の人選は、シリア政府が市民社会代表枠のサーム・ダッラ氏、サーミー・ハイミー氏、スライマーン・カルファーン氏が反体制派寄りだという理由で委員となることに難色を示していたことで難航していたという。

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なお、スマート・ニュースによると反体制派側の委員50人は以下の通り:

1. イブラーヒーム・ジャバーウィー(最高交渉委員会、南部中央作戦司令室報道官、准将)
2. バッシャール・ズウビー(最高交渉委員会、南部戦線司令官)
3. バッシャール・ハーッジ・アリー(メディア活動家)
4. ハサン・ハリーリー(医師)
5. ハサン・ウバイド
6. ムハンマド・ヤースィル・ダルワーン(イスラーム軍元政治局長)
7. ムハンマド・ヌーリー・アフマド
8. アブドゥルバースィト・アブドゥッラティーフ(シリア革命反体制勢力国民連立、暫定内閣)
9. ユースフ・カッドゥーラ
10. ヤフヤー・アズィーズ
11. ヤフヤー・アリーディー(最高交渉委員会報道官)
12. ウンス・アブダ(シリア革命反体制勢力国民連立元代表)
13. イリヤス・ムフリジュ(最高交渉委員会)
14. バドル・ジャームース(シリア革命反体制勢力国民連立副代表)
15. バスマ・カドマーニー(無所属)
16. ディーマー・ムーサー(シリア革命反体制勢力国民連立副代表)
17. リヤード・ハサン(シリア革命反体制勢力国民連立)
18. ハウワース・サアドゥーン(シリア・クルド国民評議会)
19. アブドゥルアハド・アスティーフー(シリア革命反体制勢力国民連立元代表)
20. ハーディー・バフラ(シリア革命反体制勢力国民連立元代表)
21. ヒシャーム・ムルーワ(シリア革命反体制勢力国民連立元副代表)
22. ハイサム・ラフマ(シリア革命反体制勢力国民連立)
23. ヤースィル・ファルハーン(シリア革命反体制勢力国民連立)
24. ヤースィル・ハミース
25. アブドゥルマジード・アブドゥルマジード
26. ウルーブ・ミスリー(モスクワ・プラットフォーム)
27. アフマド・フドル
28. アフマド・アスラーウィー
29. ジャマール・スライマーン(最高交渉委員会、カイロ・プラットフォーム)
30. フィラース・ハーリディー(最高交渉委員会)
31. カースィム・ダルウィーシュ
32. アフマド・アフマル
33. アンマール・ナッハース(最高交渉委員会)
34. アシュタール・マフムード(モスクワ・プラットフォーム)
35. ユースフ・サルマーン(最高交渉委員会)
36. ムハンナド・ドゥライカーン(最高交渉委員会)
37. サーミー・バイティンジャーナ(モスクワ・プラットフォーム)
38. カーミーラーン・ハーッジュー(シリア・クルド国民評議会)
39. ヒンダーウィー・アブー・アラブ(最高交渉委員会)
40. マラフ・バカーイー(最高交渉委員会)
41. ターリク・クルディー(最高交渉委員会)
42. アワド・アリー(離反警官)
43. ニブラース・ファーディル(元大統領付経済顧問)
44. マフムード・アトゥール
45. カブリーイル・クーリーヤ(アッシリア民主機構)
46. ムハンマド・ラシード
47. サフワーン・アッカーシュ(最高交渉委員会)
48. イドワール・ハシューワ
49. ムハンマド・アリー・サーイグ
50. ムハンマド・サアディー

AFP, September 23, 2019、ANHA, September 23, 2019、AP, September 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2019、Reuters, September 23, 2019、SANA, September 23, 2019、SMART News, September 23, 2019、SOHR, September 23, 2019、UPI, September 23, 2019などをもとに作成。

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ダーイシュがヒムス県東部でシリア・ロシア軍の部隊を攻撃し、15人を殺害したと発表(2019年9月23日)

ヒムス県では、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(9月23日付)によると、ダーイシュがスフナ市北の砂漠地帯でシリア・ロシア軍の部隊を攻撃し、15人を殺害した。

AFP, September 23, 2019、ANHA, September 23, 2019、AP, September 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2019、Reuters, September 23, 2019、SANA, September 23, 2019、SOHR, September 23, 2019、UPI, September 23, 2019などをもとに作成。

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トルコ空軍のF-16戦闘機複数機が北・東シリア自治局の支配下にある北東部国境地帯で偵察活動を実施(2019年9月23日)

トルコ外務省は声明を出し、トルコ空軍のF-16戦闘機複数機が、北・東シリア自治局の支配下にある北東部の国境地帯で偵察活動を実施したと発表した。

偵察活動は午前10時から12時の約2時間実施された。

AFP, September 23, 2019、ANHA, September 23, 2019、AP, September 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2019、Reuters, September 23, 2019、SANA, September 23, 2019、SOHR, September 23, 2019、UPI, September 23, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はハサカ市で老人を撲殺(2019年9月23日)

ハサカ県では、SANA(9月23日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がハサカ市ヌシューワ地区で78歳の男性老人をひもで縛ったまま、殴打し、殺害した。

AFP, September 23, 2019、ANHA, September 23, 2019、AP, September 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2019、Reuters, September 23, 2019、SANA, September 23, 2019、SOHR, September 23, 2019、UPI, September 23, 2019などをもとに作成。

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ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がシリアでムアッリム外務在外居住者大臣と会談(2019年9月23日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表はシリアを訪問し、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)と会談した。

SANA(9月23日付)によると、会談では制憲委員会の発足にかかる諸問題について意見が交わされた。

AFP, September 23, 2019、ANHA, September 23, 2019、AP, September 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2019、Reuters, September 23, 2019、SANA, September 23, 2019、SOHR, September 23, 2019、UPI, September 23, 2019などをもとに作成。

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シリア軍ヘリコプターが「樽爆弾」による爆撃を再開、シャーム解放機構などが活動を続けるラタキア県北東部を狙う(2019年9月23日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が一方的停戦を宣言してから23日目(爆撃を激化させてから144日目)を迎えた9月23日、シリア軍ヘリコプターが「樽爆弾」による爆撃を再開、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が各地で散発的に交戦した。

シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より2人(民間人1人、シリア軍兵士1人、反体制武装集団戦闘員0人)多い4,149人となった。

内訳は、民間人1,066人(うち女性189人、子供264人)、シリア軍兵士1,410人、反体制武装集団戦闘員1,673人。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃、地上部隊も同地を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県南部、西部の反体制派支配地域を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県東部の放棄された大隊基地一帯、マアッラト・ヌウマーン市、ダイル・シャルキー村、バルサ村、マアッラト・スィーン村、ナキール村、マアッラト・ハルマ村、ラカーヤー村、シャイフ・ムスタファー村、マアッルズィーター村を砲撃した。

これに対して、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団は、マダーヤー村一帯のシリア軍拠点を砲撃した。

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ダルアー県では、HFL(9月23日付)によると、ムザイリーブ町入り口で第4師団の兵士1人が何者かに撃たれて死亡した。

また、ジッリーン村とサフム・ジャウラーン村を結ぶ街道でも第4師団の兵士1人が何者かの襲撃を受けて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県14件、ラタキア県9件、アレッポ県9件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を29件(イドリブ県7件、ラタキア県11件、アレッポ県4件、ハマー県7件)確認した。

AFP, September 23, 2019、ANHA, September 23, 2019、AP, September 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, September 23, 2019、HFL, September 23, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 23, 2019、Reuters, September 23, 2019、SANA, September 23, 2019、SOHR, September 23, 2019、UPI, September 23, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから438人、ヨルダンから1,013人の難民が帰国、避難民3人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年9月23日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月23日付)を公開し、9月22日に難民1,451人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは438人(うち女性132人、子供223人)、ヨルダンから帰国したのは1,013人(うち女性304人、子供517人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は411,199人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者129,679人(うち女性39,280人、子ども66,436人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者281,520人(うち女性84,493人、子ども143,564人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,646,677人(うち女性1,994,003人、子供3,389,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 640,479人(うち女性192,431人、子供326,922人)となった。

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一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは3人(うち女性0人、子供0人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は35,692人(うち女性11,061人、子供16,263人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,304,280人(うち女性393,620人、子供660,029人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 23, 2019をもとに作成。

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