ロシア対外情報庁は、米国政府がシリアとアラブ諸国の国交正常化を妨害し、シリアの指導部の信用を失墜させるためにあらゆる措置を講じ、そのために化学兵器を使用した挑発を準備しているとするセルゲイ・ナルイシキン長官の声明を発表した。
ナルイシキン長官は以下の通り述べたという。
ロシア対外情報局の入手可能なデータによると、化学兵器を使用する手法は、5月にシリアのイドリブ県で反体制武装勢力によって実践された。
CIAの統制下にある現地のアル=カーイダ系組織のフッラース・ディーン機構、トルキスタン・イスラーム党の過激派によって、民間人約100人が毒殺された。ナルイシキン長官はまた、米国によるダーイシュ(イスラーム国)支援の実態について以下の通り述べた。
米国はシリア南部で活動するダーイシュに有毒物質を詰めた弾頭を装填したミサイルを供与した…。それはタンフ基地(米国(有志連合)がヒムス県タンフ国境通行所に違法に設置している基地)からさほど遠くないХавия村とЗаврия村で行われた。
この場所は真の「悪党の巣窟」となっている。そこでは最近になって、米英の「共同情報委員会」が創設され、シリア南部と首都ダマスカス一帯におけるダーイシュの活動を統制する本部となっている。同委員会は米中央軍(CENTCOM)のジェームズ・メロイ副司令官の指揮下にある。
アングロサクソン人は、いつものように、強力なメディア・キャンペーンで自らの陰謀を支援する準備をしている。その目的は、アラブ世界の国々に、アサド大統領との対話再開を支持する選択が「戦略的間違い」であることを示そうとするものだ。このアプローチに同意しない者は直接制裁の脅威に晒されることになる、と。
RIAノーヴォスチ通信(7月3日付)が伝えた。
RIA Novosti, July 3, 2023をもとに作成。
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