イスラエル軍が首都ダマスカス一帯を爆撃、シリア国防省によると兵士2人が負傷(2023年7月19日)

国防省は声明を出し、イスラエル軍機が19日午前0時25分に、占領下のゴラン高原上空から首都ダマスカス一帯の複数ヵ所を狙って多数のミサイルを発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃し、そのほとんどを撃破したが、兵士2人が負傷、若干の物的被害が出たと発表した。

 


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シリア人権監視団によると、爆撃は、シリア軍第4師団所属部隊が展開し、レバノンのヒズブッラーの貯蔵施設が点在し、イラン製の無人航空機(ドローン)の組み立てが行われているとされるダマスカス郊外県のディーマース航空基地、サブーラ町近郊に対して行われ、複数箇所で爆発や火災が発生し、シリア軍兵士1人が死亡、4人が負傷した( シリア人権監視団によると、その後死者は4人となった)。

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ロシア当事者和解調整センターのオレグ・グリノフ副センター長は、19日午前0時26分から27分にかけて、イスラエル空軍所属のF-16戦闘機2機がダマスカス郊外県の貯蔵施設を爆撃し、シリア軍兵士2人が負傷し、物的被害が発生したと発表した。

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イスラエルのアルマー研究教育センターはツイッターのアカウント(https://twitter.com/Israel_Alma_org/)を通じて、イスラエル軍が「イランの回廊の一部」を通じて輸送された武器や装備、迎撃を行った対空ミサイル砲台を狙う一方、シリア軍防空部隊が発射した地対空ミサイル1つがクドスィーヤー市・サブーラ町間に着弾したとの見方を示した。

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ドゥラル・シャーミーヤ(7月19日付)は複数の地元筋の話として、サッブーラ町近郊の複数ヵ所が狙われ、ヒクマト・アスアド・ウライシャという名のシリア軍兵士が死亡したと伝えた。

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外務在外居住者省は声明を出し、イスラエル軍の爆撃を「国際の平和と安全を真に脅かす脅威」と非難、国連に対してこうした犯罪政策を停止させるためイスラエルに圧力をかけるよう訴えた。

SANA(7月19日付)が伝えた。

AFP, July 19, 2023、ANHA, July 19, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2023、‘Inab Baladi, July 19, 2023、Reuters, July 19, 2023、RIA Novosti, July 19, 2023、SANA, July 19, 2023、SOHR, July 19, 2023、July 22, 2023などをもとに作成。

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