レバノン南部・イスラエル北部でヒズブッラーが主導するレバノン・イスラーム抵抗とイスラエル軍の交戦続き、双方に死傷者(2023年10月17日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官は、17日のレバノン北部・イスラエル南部の戦況についてX(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で以下の通り発表した。

午前6時頃:イスラエル軍の陣地複数ヵ所がレバノン領からの軽火器での攻撃を受けるとともに、イスラエル軍の戦車にむけて対戦車砲が発射されたが、被害はなかったと発表。

午前8時半頃:イスラエル軍がレバノン領内から破壊分子の潜入を阻止し、4人を殺害したと発表。

午後3時頃:レバノン領内から対戦車ミサイル2発が国境地帯に設置されているイスラエル軍の陣地に向けて発射されるとともに、軽火器での発砲を受け、これに対してイスラエル軍はヒズブッラーの陣地複数ヵ所を砲撃したと発表。

午後6時頃:レバノン方面からイスラエル領空に無人航空機(ドローン)1機が飛来、イスラエル軍がこれを迎撃したと発表。

午後7時頃:イスラエル軍がヒズブッラーの標的複数ヵ所を攻撃したと発表。

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これに対して、レバノンのヒズブッラーが主導するレバノン・イスラーム抵抗は、イスラエル北部のメトゥラ町に展開するイスラエル軍の車輌を対戦車ミサイルで攻撃したと伝え、その映像を公開した。

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レバノンのヒズブッラーが主導するレバノン・イスラーム抵抗は声明を出し、イスラエル北部にあるラミーム兵舎をミサイル攻撃し、イスラエル軍の戦車1輌を破壊、メトゥラ町でもイスラエル軍の車輌をミサイル攻撃し、これを撃破したと発表した。

また、ザルイート、サドフ、ジャル・ダイル、マーリキーヤ、ビルカト・リーシャーに対して攻撃を行ったと発表した。

さらに、バイヤード・ブライダー陣地に集結しているイスラエル軍部隊やバラーニート兵舎をミサイル攻撃し、兵士を負傷させたと発表した。

レバノン・イスラーム抵抗はまた別の声明を出し、「イスラエル軍がレバノン領内から破壊分子の潜入を阻止し、4人を殺害したとのイスラエル軍報道官の発表に関して、5名がジハードの義務を果たしているなかで死亡したと発表した。





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ナハールネット(10月17日付)によると、パレスチナのハマースによる「アクサーの大洪水」開始以降、イスラエル軍との戦闘で死亡したレバノン・イスラーム抵抗の戦闘員は9人となった。

また、ラミーム兵舎では、ヒズブッラーの攻撃によりイスラエル軍の予備役2人と民間人1人が負傷したほか、アルマー・シャアブ村(南部県スール郡)に対するイスラエル軍の夜間の爆撃でレバノン人4人が死亡した。

NNA(10月17日付)は、ザヒーラ村(南部県スール郡)一帯がイスラエル軍の砲撃を受け、住民らが死傷したと伝えた。

同通信社によると、イスラエル軍は白リン弾を使用し、民間人を標的とした。

AFP, October 17, 2023、ANHA, October 17, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 17, 2023、‘Inab Baladi, October 17, 2023、Qanat al-Manar, October 17, 2023、NNA, October 17, 2023、Reuters, October 17, 2023、SANA, October 17, 2023、SOHR, October 17, 2023などをもとに作成。

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