ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県、ハマー県を 爆撃する一方、シリア軍はハマー県、アレッポ県でシャーム解放機構が主導する反体制派のドローンを迎撃、撃墜(2023年10月27日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構の支配下にあるアルバイーン山地方の住宅街を4発の震盪ミサイルで爆撃した。

シリア軍もシャーム解放機構の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村一帯を砲撃、「決戦」作戦司令室の戦闘員1人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア人権監視団が29日に発表したところによると、ミラージャ村一帯に対するシリア軍の砲撃で負傷していた新興のアル=カーイダ系組織のアンサール・タウヒードのメンバー1人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構の支配下にあるファターティラ村一帯、サルマーニーヤ村を爆撃した。

一方、シリア軍防空部隊は、ミスヤーフ市近郊の上空に飛来したシャーム解放機構の無人航空機(ドローン)1機を迎撃した。

ドローンは同地のシリア軍の陣地複数ヶ所を爆撃しようとしていた。

シャーム解放機構のドローンはまた、サーリミーヤ村、サルハブ市、ダイル・シャミール村、ジュッブ・ラムラ町の上空にも複数機が飛来した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシャーム解放機構の支配下にあるクバイナ丘一帯を爆撃した。

一方、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるトルコマン山地方のバイダー村に一帯に潜入し、シリア軍と交戦、シリア軍兵士3人を殺害、3人を負傷させた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ国際空港に隣接するナイラブ国際空港に接近した無人航空機(ドローン)2機を撃墜した。

ドローンは空港を爆撃しようとしていたという。

また、国民解放戦線がシリア政府の支配下にあるバーラー村一帯を砲撃した。

シリア軍も、シャーム解放機構の支配下にあるカフルタアール村、アブザムー町、カフルタアール村を砲撃した。

AFP, October 27, 2023、ANHA, October 27, 2023、‘Inab Baladi, October 27, 2023、Reuters, October 27, 2023、SANA, October 27, 2023、SOHR, October 27, 2023、October 29, 2023などをもとに作成。

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