人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、ハサカ県で16日午前7時30分、シリア政府と北・東シリア地域民主自治局の共同支配下にあるハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア地域民主自治局の支配下)にあるスィナーア刑務所(グワイラーン刑務所)が砲撃を受けたと発表した。
声明によると、砲撃は、「カリフの幼獣」と呼ばれるダーイシュの少年兵が収容されている区画を狙って行われ、収容者複数人が負傷した。
また、砲撃に併せて、収容されているダーイシュのメンバーらが脱獄を試みたが、シリア民主軍と内務治安部隊(アサーイシュ)がこれを阻止した。
ANHA(1月16日付)が伝えた。
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シリア人権監視団によると、誰が砲撃を行ったのかは不明だが、「イランの民兵」がハサカ市外から刑務所に隣接する米軍(有志連合)の軍事施設(基地)を狙ったものと見られるという。
同監視団によると、刑務所に隣接する米軍基地では、イスラエル・ハマース衝突が始まった10月以降、攻撃を回避するため、星条旗の掲揚をとりやめていたという。
また、15日には、ハイムー村に展開している米軍がタッル・バイダル村の基地に(一時)撤退した。
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一方、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の貨物車輌など25輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているハサカ県のワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)からシリア領内に新たに進入し、県内の米軍基地に向かった。
AFP, January 16, 2024、ANHA, January 16, 2024、‘Inab Baladi, January 16, 2024、Reuters, January 16, 2024、SANA, January 16, 2024、SOHR, January 16, 2024などをもとに作成。
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