イラン・イスラーム革命防衛隊は首都ダマスカスへのイスラエルの爆撃でイラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団のオミードワール諜報局長ら軍事顧問5人が死亡したと発表、ライースィー大統領は報復を示唆(2024年1月20日)

イラン・イスラーム革命防衛隊は声明を出し、「残忍で犯罪的なシオニスト政体(イスラエル)がシリアの首都ダマスカスを攻撃、侵略と簒奪を行う(シオニスト)政体の戦闘機の爆撃によって、多数のシリア軍兵士、そしてイラン・イスラーム共和国の軍事顧問5人が殉教した」と発表した。

イラン・イスラーム革命防衛隊はまた、別の声明で、イラン・イスラーム革命防衛隊の軍事顧問5人、(シーア派の)巡礼地の守護者複数、シリア軍兵士多数が殉教したとしたうえで、ホジャトッラー・オミードワール氏、アリー・アーガーザーデ氏、ホセイン・モハンマディー氏、サイード・カリーミー氏、モハンマド・エミーン・サマディー氏の殉教に哀悼の意を表明した。

タスニーム通信(1月20日付)などが伝えた。

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スカイ・ニュース(アラビア語版、1月20日付)などによると、このうちホジャトッラー・オミードワール氏は、ハーッジ・サーデク・オミードワールとして知られ、イラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団の諜報局長を務めていた。

オミードワール氏は、イランの首都テヘラン生まれで、昨年12月にイスラエル軍のシリア爆撃で殺害されたイラン・イスラーム革命防衛隊の幹部顧問レザー・ムーサヴィー氏に近いとされる人物。

シリア内戦初期に、シリア国内でシリアのアル=カーイダとして知られる国際テロ組織のシャームの民のヌスラ戦線(現シャーム解放機構)により、複数のイラン人とともに拉致された過去があり、シリア国内に違法に設置されている米軍基地への攻撃を計画、指揮していたとされる。

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イランのエブラーヒーム・ライースィー大統領は、イスラエル軍の爆撃を国際法違反だと非難したうえで、「こうしたテロ行為や犯罪行為が続くことに、イランが反応しないことはない」と表明、報復を示唆した。

IRIB(1月20日付)が伝えた。

AFP, January 20, 2024、ANHA, January 20, 2024、‘Inab Baladi, January 20, 2024、IRIB, January 20, 2024、Reuters, January 20, 2024、SANA, January 20, 2024、Sky News Arabia, January 20, 2024、SOHR, January 20, 2024、Tasnim, January 20, 2024などをもとに作成。

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