
ANHAは、8月30日深夜、北・東シリア地域民主自治局の支配下にあるアレッポ県のティシュリーン・ダム周辺が無人航空機による爆撃を受けたと伝えた。
また、ハサカ県タッル・タムル町近郊のタッル・ラバン村一帯に「トルコ占領軍の傭兵」(シリア国民軍諸派)が潜入を試み、シリア民主軍に所属するタッル・タムル軍事評議会がこれを阻止したと伝えた。
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シリア人権監視団によると、爆撃はトルコの自爆型無人航空機によるもので、大きな爆発音が確認されたが、人的被害は報告されなかった。
同監視団によると、この爆撃と同時に、アレッポ県ダイル・ハーフィル市方面で、シリア民主軍とシリア国民軍諸派が交戦、双方が中・重火器を用いて攻撃を行った。
一方、テル・ラバン村一帯での戦闘では、シリア国民軍諸派の戦闘員少なくとも2人が負傷した。
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これに関して、SANAは、シリア軍部隊が、アレッポ県のタッル・マーイズ村に設置されている軍拠点へ侵入を試みた「クルド民兵」(シリア民主軍)を要撃、潜入を阻止したと伝えた。
また、軍事筋がSANAに対して明らかにしたところによると、シリア民主軍の別の部隊が、ウンム・ティーナ村とダイル・ハーフィル市に集結し、要撃に遭った部隊の撤退を支援するために、タッル・マーイズ村にあるシリア軍の複数の拠点を攻撃した。
同筋によると、シリア軍側は当初は軽火器で対応していたが、クルド民主軍側の砲撃が続たため、重火器を用いて応戦、タッル・マーイズ村の拠点に増援部隊も派遣された。

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これに対して、シリア民主軍はフェイスブックを通じて広報センターの声明を発表し、SANAの報道を「完全なでっちあげ」、「単なるメディアの欺瞞」と批判、シリア民主軍の関与を否定、戦闘はアフマド・シャルア移行期政権に属する派閥間で続いている勢力争いに過ぎず、これをシリア民主軍との交戦であるかのように歪めて報道していると主張した。
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