シリア日本大使館の辻昭弘臨時代理大使がアリー保健大臣、サーリフ非常事態災害大臣と会談(2025年9月10日)

保健省(フェイスブック)によると、ムスアブ・アリー保健大臣は、在シリア日本大使館の辻昭弘臨時代理大使を迎え、シリアにおける医療部門の現状とその支援方法について協議した。

アリー保健大臣は、保健省がすべての市民に包括的でアクセスしやすい医療サービスを提供することを目指していると強調し、優先事項として医療教育・訓練の水準向上、医療保険、デジタル化、医薬品の安定供給と製薬産業、そして感染症対策を挙げた。

また、計画実現を妨げる困難と課題について説明し、51以上の病院および数百の診療所が破壊されていることに加え、がん治療薬や麻酔薬といった一部の医薬品の供給難、戦略的な医療機器の不足などを指摘した。そのうえで、保健省と日本の関係機関との緊密な協力関係に触れ、日本がこの分野で果たせる支援の重要性を強調した。

これに対して、辻臨時代理大使は日本がシリア政府の努力を支持し、シリア国民への支援を継続する姿勢を確認した。さらに、日本は国際機関を通じて食糧、教育、保健、衛生の分野で多くの人道的援助を行ってきたと述べた。

また、医療分野の支援が日本の最優先事項のひとつであると述べ、現在ヒムス大病院の再建に取り組んでいることを明らかにした。

SANAによると、会談には、ズハイル・クラート国際協力計画局長をはじめ、複数の局長や関係者が出席した。

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非常事態災害省(フェイスブック)によると、ラーイド・サーリフ非常事態災害大臣は、辻臨時代理大使を迎えた。

会談では、両国間の協力の展望が話し合われ、サーリフ非常事態災害大臣は地雷対策や早期警報システムの開発、研修・能力構築プログラムに関する省の取り組みを紹介した。

さらに、地震観測や安全基準の分野での将来的な協力強化、および日本の長年の経験からの恩恵についても協議が行われた。

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