シリア民主軍は、フェイスブックを通じて、同軍の軍事評議会が、各地域の軍事評議会およびその関連機関の指導者が定例会合を開催、マズルーム・アブディー総司令官と総司令部メンバーもこれに出席した。
アブディー総司令官は、シリア全体、に北東部における最新の政治・軍事情勢について説明し、3月10日の合意条項に基づきアフマド・シャルア移行期政権との交渉を継続していることを強調した。
また、現行の停戦維持の重要性を指摘、北東部を争いに誘い込もうとする挑発に乗らないことの必要性を訴えた。
会合では、シリア軍への統合計画を含む組織内部の課題も議論され、シャルア移行期政権との対話と交渉への準備態勢、関係委員会との即時調整への準備状況が確認された。
さらに、シリア民主軍が北東部をはじめとする地域の多様な構成体から成る「包括的で国民的な部隊」であることが改めて示された。
テロ対策をめぐっては、ダーイシュ(イスラーム国)によるテロ活動が北東部各所で増加していることに警鐘を鳴らし、引き続き「テロとの戦い」を継続する方針を確認、有志連合との協力を強化し、ダーイシュの完全撲滅を目指すとともに、収容施設の安全性を高めることも議題として提起された。
このほか、軍務への復帰が遅れている者に対する恩赦を発表し、社会復帰の機会を与えることを決定するとともに、部隊の質的向上や訓練強化などについて意見が交わされた。
最後に、軍事評議会は、シリアの安定と国民の安全を保障する「確固たる選択肢」として政治的解決に専念することを再確認した。
また、北東部の治安と社会的平和を守り、共存の原則に基づきすべての構成体の権利を保障する重要性を強調した。
さらに、国際社会のパートナーとの協力を継続し、安定の定着と包括的平和プロセスの推進に寄与する姿勢を改めて示した。
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