シャルア移行期政権を支持する帰還・建設戦線はシャルア暫定大統領がロシアとのすべての既存の協定を順守すると発言したことを注視していると発表(2025年10月17日)

シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権を支持する帰還・建設戦線は声明を出し、アフマド・シャルア暫定大統領が15日のモスクワ訪問に際して、ロシアとのすべての既存の協定を順守すると発言したことを注視していると発表した。

声明は、この発言が示す協定の具体的内容が不透明であると指摘、前政権下で締結された軍事・経済・政治協定が、国家主権と意思決定の独立性に与えた影響を明確にする必要があると主張した。

また、移行期においては国民に対する説明責任と透明性の原則が不可欠であると強調、いかなる国際的合意や取り決めも公に明示すべきだと付言、過去数十年にわたり閉鎖性と不信を生み出してきた旧体制の手法から脱却し、国家と社会の間に新たな信頼と説明責任に基づく関係を築くべきだと訴えた。

さらに、外部勢力の干渉によって生じた悲劇や犠牲者を追悼し、関係国がシリア国民に対する人権侵害の法的・道義的責任を負うべきだと述べた。

そのうえで、移行期政権の外交政策は「新たな段階の精神」を体現すべきで、多様なパートナーシップを形成し、シリア国民の希望を支えた諸国との関係を広げるべきだと主張、国家主権を尊重し、意思決定の独立性を取り戻すことこそが新しい国家体制の基礎となると強調した。

最後に、シリアは現在、均衡の取れた独立外交を必要としており、互恵主義に基づく明確な方針の下で国際関係を再構築すべきで、国民の犠牲と志を尊重し、シリア国家の地位を回復し、再び国際社会の中で自然な役割を果たすことが求められると締めくくった。

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