シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから110日目を迎えた8月19日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。
シリア軍戦闘機による爆撃回数は70回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」30発を投下、ロシア軍も50回の爆撃を行った。
またシリア軍の地上部隊による砲撃は600発以上におよんだ。
シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より71人(民間人5人(うち女性0人、子供0人)、シリア軍兵士25人、反体制武装集団戦闘員41人)増えて3,663人となった。
うち、950人が民間人(女性172人、子供237人を含む)、1,253人がシリア軍兵士、1,460人が反体制武装集団戦闘員。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍と親政権民兵がハーン・シャイフーン市内への進攻を開始し、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などらなる「必勝」作戦司令室との激しい交戦の末、市内北部と東部の複数の街区を制圧した。
同地制圧は、反体制武装集団の撤退を受けたものだという。
ムラースィルーン(8月19日付)によると、これにより、シリア軍はアレッポ市とハマー市を結ぶM5高速道路を寸断することに成功した。
シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がヒーシュ村、マアッラト・ヌウマーン市、ハーン・シャイフーン市、タマーニア町、マアッルシューリーン村、ハーミディーヤ村、マアッラト・ハルマ村、タフターヤー村、マウカ村、ジャバーラー村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターで県南部各所に「樽爆弾」を投下した。
またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。
ロシア軍もヒーシュ村、マアッラト・ヌウマーン市、ダイル・シャルキー村、カフルナブル市、ハーン・シャイフーン市を爆撃した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラターミナ町、カフルズィーター市、ムーリク市に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯を砲撃した。
ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を36件(アレッポ県13件、ラタキア県20件、イドリブ県3件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を9件(アレッポ県5件、ハマー県4件)確認した。
AFP, August 19, 2019、ANHA, August 19, 2019、AP, August 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 19, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 19, 2019、Murasilun, August 19, 2019、Reuters, August 19, 2019、SANA, August 19, 2019、SOHR, August 19, 2019、UPI, August 19, 2019などをもとに作成。
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