シリア北東部の国境地帯から米軍撤退、放棄された基地の写真が公開される(2019年10月7日)

ANHA(10月7日付)は、北・東シリア自治局の支配下にあるハサカ県(いわゆるジャズィーラ地方ハサカ地区)、ラッカ県タッル・アブヤド市一帯(ユーフラテス地域)の対トルコ国境地帯から米主導の有志連合が撤退を開始したと伝え、映像や写真を公開した。

同サイトはまた、ラアス・アイン(スィリー・カーニヤ)市の西約10キロの場所に位置するタッル・アルカム村にある有志連合の基地から、米軍部隊が完全に放棄したと伝え、写真を公開した。

ザマーン・ワスル(10月7日付)も、米軍がタッル・アブヤド市から撤退したとしたうえで、放棄された米軍基地の航空写真を掲載した。


ドゥラル・シャーミーヤ(10月7日付)も、米軍がトルコ国境地帯から撤退したと伝えた。

**

ドゥラル・シャーミーヤ(10月7日付)は複数の地元情報筋の話として、トルコ軍の侵攻が予想されるハサカ県ラアス・アイン市、ラッカ県タッル・アブヤド市などトルコ国境に近い都市の住民数十世帯が北・東シリア自治局支配地域を南に向かって避難したと伝えた。

避難した住民のなかには人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のメンバーやその家族だという。

**

スマート・ニュース(10月7日付)によると、タッル・アブヤド市で活動を続けてきた「国境なき医師団」の医療スタッフが同地から撤収した。

AFP, October 7, 2019、ANHA, October 7, 2019、AP, October 7, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 7, 2019、Reuters, October 7, 2019、SANA, October 7, 2019、SOHR, October 7, 2019、UPI, October 7, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.