アサド大統領は、イドリブ県南部のフバイト村一帯やハマー県北部の前線を視察し、将兵らと面談した。
視察には、アリー・アブドゥッラー・アイユーブ国防大臣やシリア軍司令官が同行した。
アサド大統領は次のようにトルコを批判し、前線の将兵を鼓舞した。
「(レジェップ・タイイップ・)エルドアン(大統領)は盗人だ。工場、穀物、石油をこれまでに盗み、今度は領土を盗もうとしている…。イドリブ前線は、彼ら(トルコ)にとっての前哨地であるがゆえにきわめて重要だ。一方、東部(シリア北東部)での戦闘は、軍を分断するのが狙いだ…。だから、我々はいつも、イドリブでの戦いを決着させることがシリア全土における混乱とテロを終わらせる礎になると考えている」。
また、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍や北・東シリア自治局を主導する民主統一党(PYD)については次のように述べて非難した。
「攻撃や盗みに直面したら、互いに支え合い、連携し合わなければならない。だが、一部のシリア人は、とくに戦争勃発後最初の数年間、そうしなかった。我々は彼ら(クルド民族主義勢力)に「外国ではなく、軍、人民、そして祖国に賭けろ」と言ってきた。だが、呼びかけへの応えはなく、彼らは米国に賭けるようになった…。彼らは反逆し、領土を手渡した…。彼らが戦い、防衛にあたっているという美談を長年にわたって耳にしてきたが、我々が最近になって目にしているのは、彼らが支配しているとされる地域の大部分を、トルコが米国の計画に沿って数日で制圧しているという事態だ」。
AFP, October 22, 2019、ANHA, October 22, 2019、AP, October 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, October 22, 2019、Reuters, October 22, 2019、SANA, October 22, 2019、SOHR, October 22, 2019、UPI, October 22, 2019などをもとに作成。
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