ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が会談し、イドリブ県での停戦の必要を改めて強調(2020年1月8日)

シリアの首都ダマスカスを1月7日に電撃訪問し、同日晩に空路でトルコのイスタンブールに移動していたロシアのヴラジミール・プーチン大統領が、同地でトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と会談した。


会談は、ロシアからトルコへの天然ガスを供給するための新パイプライン「トルコ・ストリーム」の開通記念式典に先立って行われた。

イスタンブール市内のハリジュ会議センターで非公式で約1時間半にわたって行われた会談で、エルドアン大統領はプーチン大統領に、トルコの東地中海政策の方針をまとめた「Strategic Step on the Eastern Mediterranean Equation: The Turkey-Libya Deal」と題された英語とトルコ語による冊子を献呈した。

両首脳はまた、「トルコ・ストリーム」の開通記念式典後にも短時間の会談を行った。

会談後の共同声明で、両首脳は、シリア情勢への対応について、停戦にかかる合意のすべての条項を実施することで、イドリブ県での停戦を確保する必要を確認する、と表明した。

また、シリアの主権、独立、政治的統合の保護、領土保全を遵守する必要があると強調、すべてのシリア人に対して、差別や政治的変更のない無条件の人道支援を増加させるよう呼びかけた。

さらに、シリアにおけるあらゆるテロと戦い、分離主義的アジェンダを抑止する決意を表明、「2018年9月17日に両国間で締結されたMOU(了解覚書)と、トルコ国境からYPG(人民防衛隊)の武器を撤収することを定めた(2019年)10月22日の合意を遵守する重要性を確認している」と付言した。

一方、リビア情勢については、12日午前0時に停戦するようリビアのすべての当事者に呼びかけた。

アナトリア通信(1月8日付)が伝えた。

AFP, January 8, 2020、Anadolu Ajansı, January 8, 2020、ANHA, January 8, 2020、AP, January 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 8, 2020、Reuters, January 8, 2020、SANA, January 8, 2020、SOHR, January 8, 2020、UPI, January 8, 2020などをもとに作成。

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