ロシア軍がアレッポ県西部とイドリブ県を爆撃し民間人5人死亡、シャーム解放機構、国民解放戦線などからなる「決戦」作戦司令室もイドリブ県での攻勢を続ける(2020年1月18日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がバーラー村、カフルナーハー村、アレッポ市ムハンディスィーン地区(第1ムハンディスィーン地区)郊外、CHEMCO地区、ズィルバ村、マンスーラ村、カフルジューム村を爆撃し、バーラー村では男性1人とその妻、そして子ども2人の合わせて4人が、ムハンディスィーン地区でも男性1人が死亡した。

なお、アレッポ市西部郊外一帯での戦闘激化を受け、6,000世帯以上が避難した。

このなかには、イドリブ県、ハマー県などから避難してきた国内避難民(IDPs)数百人も含まれているという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構や国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室が17日に奪還したムサイティフ丘一帯に、シリア軍が進攻、激しい戦闘が発生した。

反体制武装集団はまた、ザハビーヤ村、マガーラト・ミールザー村、カトラ村にあるシリア軍の拠点を砲撃した。

これに対して、ロシア軍戦闘機は、マアッルシャムシャ村、タッル・マンス村、マアッルシューリーン村、マアッラト・ヌウマーン市一帯、アブー・ジュライフ村一帯、ムサイティフ丘を爆撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア駐留ロシア軍司令室が設置されているフマイミーム航空基地に近いジャブラ市近郊が迫撃を受けた。

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SANA(1月17日付)は、イドリブ県アブー・ズフール町近郊、同県フバイト村、アレッポ県ハーディル村の3カ所に1月13日に設置された人道回廊に関して、反体制武装集団があらゆる手段を駆使して、住民の脱出を阻止し続けている、と伝えた。

AFP, January 18, 2020、ANHA, January 18, 2020、AP, January 18, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 18, 2020、Reuters, January 18, 2020、SANA, January 18, 2020、SOHR, January 18, 2020、UPI, January 18, 2020などをもとに作成。

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