ロシア軍がアレッポ市西部を激しく爆撃し住民20人死亡、反体制派もアレッポ市を砲撃し住民3人死亡(2020年1月21日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカフルナーハー村、カフルダーイル村、マンスーラ村、アレッポ市西部郊外のインドミー工場、イルハーブ村、アブザムー町、タカード村、第46中隊基地一帯、シャイフ・バラカート山、ジャドラーヤー村、カフル・ヌーラーン村を爆撃し、カフルタアール村では女性1人と子ども6人を含む9人が、ジャドラーヤーではハマー県からの国内避難民(IDPs)の女性2人が、イルハーブ村ではイドリブ県(フバイト村)からのIDPsの女性1人が、タカード村では子ども1人が、カフルヌーラーン村ではイドリブ県からのIDPsの一家7人(子ども3人を含む)が死亡した。

シリア軍もヘリコプターがアレッポ市記者協会地区、ハーン・アサル村を「樽爆弾」で爆撃した。

一方、SANA(1月21日付)やシリア人権監視団によると、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団がアレッポ市のザフラー協会地区、ハラブ・ジャディーダ地区を砲撃し、女性2人を含む住民3人が死亡、3人が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、マアッルディブサ村にある「決戦」作戦司令室(シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)など)の拠点を爆撃し、戦闘員11人を殺害した。

ロシア軍はまたカフルルーマー村、ハーン・スブル村、マアッラト・ヌウマーン市、タッル・マンス村、マアッルシューリーン村、マアッル・シャマーリーン村、ムアスラーン村、バーラ村一帯、アブー・ジュライフ村を爆撃し、バーラ村では男性2人が死亡した。

これに対して、「決戦」作戦司令室は、アブー・ダフナ村一帯のシリア軍拠点を攻撃し、兵士3人を殺害した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる反体制武装集団がトルコマン山地方のアティーラ村一帯に進軍し、シリア軍2人を殺害した。

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SANA(1月21日付)は、イドリブ県アブー・ズフール町近郊、同県フバイト村、アレッポ県ハーディル村の3カ所に1月13日に設置された人道回廊に関して、反体制武装集団が住民の脱出を阻止し続け、「人間の盾」として利用している、と伝えた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県16件、ラタキア県11件、アレッポ県6件、ハマー県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を37件(イドリブ県15件、ラタキア県0件、アレッポ県22件、ハマー県0件)確認した。

AFP, January 21, 2020、ANHA, January 21, 2020、AP, January 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 21, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 21, 2020、Reuters, January 21, 2020、SANA, January 21, 2020、SOHR, January 21, 2020、UPI, January 21, 2020などをもとに作成。

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