シリア軍はアレッポ県、イドリブ県で6カ村を新たに制圧する一方、ロシア軍はイドリブ県アリーハー市などを爆撃、10人を殺害、病院を破壊(2020年1月30日)

アレッポ県では、SANA(1月30日付)によると、シリア軍がアレッポ市西部・南部郊外、ハーン・トゥーマーン村一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の拠点に対する攻撃を続けた。

シリア人権監視団によると、シリア軍と「イランの民兵」がアレッポ市南部郊外でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団に対する攻勢を続け、ハーリディーヤ村、ハーン・トゥーマーン村およびその近郊のブルグル工場を制圧した。

**

イドリブ県では、SANA(1月30日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、アブー・ズフール町近郊のサワーティル丘、ハルタミーヤ村を制圧した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、M5高速道路沿線で北進を続け、タッル・マルディーフ村、ジャウバース村、カムハーナ村を制圧し、サラーキブ市から2キロの地点に到達した。

一方、同監視団によると、ロシア軍戦闘機がアリーハー市、カフルラーター村、サラーキブ市近郊を爆撃し、アリーハー市では女性5人と子ども1人を浮く無住民7人が、カフルラーター村では子ども1人が、サラーキブ市近郊では男性1人が死亡した。

死亡したのは、ジューズィフ村から避難してきた国内避難民(IDPs)。

ドゥラル・シャーミーヤ(1月30日付)によると、ロシア軍戦闘機はまた、アリーハー市中心街のシャーミー病院を燃料気化爆弾で爆撃し、病院は利用不能となった。

なお、シリア人権監視団によると、イドリブ県での戦闘激化を受けて、30日だけで住民4万人以上がサラーキブ市、アリーハー市などから避難した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を42件(イドリブ県13件、ラタキア県19件、アレッポ県0件、ハマー県10件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を14件(イドリブ県2件、ラタキア県2件、アレッポ県10件、ハマー県0件)確認した。

AFP, January 30, 2020、ANHA, January 30, 2020、AP, January 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 30, 2020、Reuters, January 30, 2020、SANA, January 30, 2020、SOHR, January 30, 2020、UPI, January 30, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.