英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから63日目となる5月7日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。
トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍とトルコ軍がM4高速道路のタルナバ村からアリーハー市近郊に至る区間で合同パトロールを実施した。
パトロールの実施に合わせて、ロシア軍の無人航空機(ドローン)複数機が、バーラ村、アリーハー市、マストゥーマ村などの上空を旋回し、偵察活動を行った。
一方、シャーム解放機構は、ザーウィヤ山地方のカンスフラ村一帯に展開するシリア軍部隊を砲撃し、シリア軍側に複数の死傷者が出た。
ドゥラル・シャーミーヤ(5月7日付)によると、シャーム解放機構はカンスフラ村一帯に潜入しようとしたシリア軍部隊を迎撃し、兵士らを殺傷したという。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、治安当局がムサーラマ家の青年を逮捕したことに抗議するデモがダルアー市内で発生した。
デモ参加者は、ダルアー市ダルアー・バラド地区とマハッタ地区を結ぶ街道を、タイヤを燃やすなどして封鎖した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バイト・ジン村で何者かがシリア軍第4師団の兵士を襲撃、殺害した。
AFP, May 7, 2020、ANHA, May 7, 2020、AP, May 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 7, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 7, 2020、Reuters, May 7, 2020、SANA, May 7, 2020、SOHR, May 7, 2020、UPI, May 7, 2020などをもとに作成。
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