英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから67日目となる5月11日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を10件(場所は明示せず)確認した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が新興のアル=カーイダ系組織からなる「信者を煽れ」作戦司令室との激しい戦闘の末、10日に奪われていたガーブ平原のタンジャラ村、マナーラ村を奪還した。
2日におよぶ戦闘では、シリア軍兵士36人、「信者を煽れ」作戦司令室戦闘員19人が死亡した。
これに関して、シリア軍筋は、SANA(5月11日付)に対して、シリア軍部隊がタンジャラ村にある「テロ・グループ」の拠点を攻撃し、大打撃を与えたことを明らかにした。
同筋によると、10日午前、フッラース・ディーン機構とトルキスタン・イスラーム党からなる「テロ・グループ」がタンジャラ村のシリア軍拠点を襲撃、これを制圧したが、シリア軍が直ちに応戦し、拠点を奪還したという。
一方、シリア軍は、ザーウィヤ山地方のフライフィル村一帯で塹壕を掘削していたシャーム解放機構の重機を攻撃した。
これにより、シャーム解放機構のメンバー2人が負傷したという。
また、ジスル・シュグール市近郊にあるシャーム解放機構の検問所が正体不明の武装集団の襲撃を受け、戦闘となった。
このほか、トルコ軍は、兵站物資などを積んだ車輌約55輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に二度に分けて新たに進入させた。
AFP, May 11, 2020、ANHA, May 11, 2020、AP, May 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 11, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 11, 2020、Reuters, May 11, 2020、SANA, May 11, 2020、SOHR, May 11, 2020、UPI, May 11, 2020などをもとに作成。
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