トルコがリビアに派遣したシリア人傭兵(国民軍)が音声声明でトルコへの不満を表明(2020年6月2日)

リビア国民軍(リビア武装部隊)総司令部は、トルコによってリビアに派遣されたシリア人傭兵(国民軍戦闘員)の音声声明を公開した。

音声声明は、国民軍に所属するハムザート師団の戦闘員がメディア関係者向けに発信したもの。

声明のなかで、この戦闘員は、トルコがリビアに派遣したシリア人戦闘員を見捨てたとしたうえで、「合意された契約では、そもそも(派遣期間は)3ヶ月だけだったが、誰からも見向きもされないままに、6ヶ月近くも駐留を余儀なくされている…。給与の受け取りでも問題が生じており、契約では、戦闘員1人に対して2,000ドルが支払われる予定だったが、現時点で6,000トルコ・リラしか受け取っていない」と訴えた。

そのうえで、トルコ軍の命令を受けてリビアに派遣され、首都トリポリ南のアイン・ザーラ町一帯での戦闘に加わっているシリア人を救出する呼びかけた。

AFP, June 2, 2020、ANHA, June 2, 2020、AP, June 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 2, 2020、Reuters, June 2, 2020、SANA, June 2, 2020、SOHR, June 2, 2020、UPI, June 2, 2020などをもとに作成。

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