英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから90日目となる6月3日、ロシア軍が爆撃を実施した。
ロシア軍が北西部を爆撃するのは2日に続いて2日連続。
**
ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(イドリブ県5件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。
**
ハマー県では、シリア人権監視団、ANHA(6月3日付)によると、ロシア戦闘機が未明に、ガーブ平原のカルクール村からイドリブ県のザイズーン火力発電所にいたる地域を4回にわたって爆撃した。
ロシア軍戦闘機はまた、晩にもガーブ平原に爆撃を行った。
**
イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山一帯のクーフキーン村、ハッルーズ村、バーラ村砲撃した。
「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。
ロシア軍の爆撃とシリア軍の砲撃を受け、ザーウィヤ山地方の住民が避難を開始した。
AFP, June 3, 2020、ANHA, June 3, 2020、AP, June 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 3, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 3, 2020、Reuters, June 3, 2020、SANA, June 3, 2020、SOHR, June 3, 2020、UPI, June 3, 2020などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.