シリア軍と「決戦」作戦司令室がイドリブ県で交戦(2020年8月23日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから170日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府支配下のサラーキブ市南からマアッラト・ヌウマーン市にいたるM5高速道路沿線を激しく砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、ファッティーラ村、サラーキブ市近郊のカフルバッティーフ村県南部のマアッルバリート村、カドゥーラ村などをを砲撃した。

シリア軍また、これに先立ち、「決戦」作戦司令室の支配下にあるハザーリーン村を熱誘導ミサイルで攻撃し、戦闘員6人を殺傷した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約70輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認した。

AFP, August 23, 2020、ANHA, August 23, 2020、AP, August 23, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 23, 2020、Reuters, August 23, 2020、SANA, August 23, 2020、SOHR, August 23, 2020、UPI, August 23, 2020などをもとに作成。

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