イスラエル軍がレバノン領内をヘリコプターなどで攻撃(2020年8月26日)

レバノン軍は声明を出し、8月25日深夜から26日未明にかけて、イスラエル軍がレバノン領内のナバティーヤ県マルジャアユーン郡マイス・ジャバル村、フーラー村、ビント・ジュベイル郡のマールーン・ラース村、アイタルーン市一帯などにミサイル13発、照明弾117発、砲弾100発を打ち込んだと発表した。

声明によると、イスラエル軍のヘリコプター複数機は環境NGOの「国境なき緑」(Green Without Borders)の拠点複数カ所を爆撃、その後、ミサイル13発、照明弾117発、砲弾100発を領内に発射したという。

このうちミサイルは3発がビント・ジュベイル郡のラーミヤ村郊外、8発がアイター・ジャバル村郊外、2発がラーヒブ丘一帯に着弾した。

**

これに関して、イスラエル軍報道官は、安全保障事案が発生し、国境に近い軍の拠点1カ所に対して発砲があったと発表した。

この発砲による死傷者はなかったが、メナラの入植地一帯に展開するイスラエル軍がレバノン国境に向けて軽火器を発砲したと付言した。

イスラエル軍はまた、同地の道路を封鎖、住民に自宅にとどまるよう指示を出した。

また、休暇でイスラエル北部のホテルに滞在していたベンヤミン・ネタニヤフ首相は、現場に近い北部の基地に駆けつけた。

ネタニヤフ首相は「レバノン領内で発生することの責任はレバノン政府にある」と非難した。

**

ANHA(8月26日付)などによると、イスラエル軍はマナーラ入植地の有刺鉄線を撤去、軍部隊が同地で大規模な掃討を実施、国境地帯に白リン弾20発以上を発射した。

また、ヘリコプター複数機が国境地帯でヒズブッラーの監視拠点複数カ所に対する爆撃を行った。

AFP, August 26, 2020、ANHA, August 26, 2020、AP, August 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 26, 2020、Reuters, August 26, 2020、SANA, August 26, 2020、SOHR, August 26, 2020、UPI, August 26, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.