ロシア軍戦闘機、「イランの民兵」所属と思われるドローンがイドリブ県各所を爆撃(2020年9月11日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから189日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機1機が、シャーム解放機構によって軍事・治安権限が掌握されているイドリブ市とシャイフ・ユースフ村の間に位置する地域に対して2度にわたる爆撃を実施した。

ドゥラル・シャーミーヤ(9月11日付)によると、ロシア軍戦闘機が爆撃したのは、シャイフ・ユースフ村近郊と、アラブ・サイード村近郊。

また、シリア人権監視団によると、「イランの民兵」所属と思われる所属不明の無人航空機(ドローン)1機が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村一帯に爆弾10発以上を投下した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

さらに、シリア軍がザーウィヤ山地方のスフーフン村、カンスフラ村、ファッティーラ村、フライフィル村、ルワイハ村一帯を砲撃した。

このほか、所属不明の無人航空機(ドローン)1機がトルコのハタイ県に近い国境地帯上空に飛来した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が県西部のバーラー村近郊で士官と思われるシリア軍兵士1人を殺害した。

これに対して、シリア軍はカフル・ハラブ村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、新興のアル=カーイダ系組織の一つアンサール・イスラームがシリア政府支配下のガーブ平原の灌漑計画地区を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ムサイフラ町とキヒール村を結ぶ街道で総合治安、の支援者が正体不明の武装集団の発砲を受けて、死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県0件、ラタキア県1件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, September 11, 2020、ANHA, September 11, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 11, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 11, 2020、Reuters, September 11, 2020、SANA, September 11, 2020、SOHR, September 11, 2020などをもとに作成。

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