シリア軍は「決戦」作戦司令室支配下のイドリブ県に350発以上の砲弾を浴びせる(2020年9月13日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから191日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のフライフィル村、ファッティーラ村、カフル・ウワイド村、スフーフン村、カンスフラ村、バーラ村、シャンナーン村、バイニーン村、サルジャ村などを砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍が撃った砲弾の数は350発以上に達した。

シリア軍はまた、ハーン・シャイフーン市一帯およびマアッラト・ヌウマーン市一帯に増援部隊を派遣した。

これに対して、シャーム解放機構は、シリア政府支配下のハザーリーン村一帯を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、スーラ町でシリア軍第5軍団に所属する武装集団が、地元の部族民兵と交戦し、第5軍団の兵士2人が死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤ(9月13日付)によると、交戦したのは第5軍団に所属する第8旅団と地元の部族民兵で、部族民兵側も1人が死亡したという。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, September 13, 2020、ANHA, September 13, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 13, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 13, 2020、Reuters, September 13, 2020、SANA, September 13, 2020、SOHR, September 13, 2020などをもとに作成。

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