シリア軍は「決戦」作戦司令室支配下のイドリブ県とアレッポ県を砲撃(2020年9月19日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから196日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のハザーリーン村、ファッティーラ村、フライフィル村、カンスフラ村、スフーフン村、バイニーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるカフルナブル市、ハントゥーティーン村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原の灌漑計画地区、サルマーニーヤ村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ミーズナーズ村近郊でシリア軍1人が「決戦」作戦司令室に狙撃され、死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配下のダルアー市アルバイーン地区で、軍事情報局の局員1人が何者かによって殺害され、遺体で発見された。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、マッザ86地区で車に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

AFP, September 19, 2020、ANHA, September 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 19, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 19, 2020、Reuters, September 19, 2020、SANA, September 19, 2020、SOHR, September 19, 2020などをもとに作成。

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