シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県ザーウィヤ山地方を砲撃し、女性1人死亡(2020年10月10日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから217日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンサフラ村、スフーフン村、カフル・ウワイド村、バーラ村、バイルーン村を砲撃し、バーラ村で女性1人が死亡した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるサラーキブ市、ハザーリーン村を砲撃した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌複数輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のカストゥーン村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるクルド山のシャルフ砦などを砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャジャラ村で9日深夜、麻薬密売人が何者かによって殺害された。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を33件(イドリブ県16件、ラタキア県12件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は33件(イドリブ県16件、ラタキア県12件、アレッポ県2件、ハマー県3件)。

一方、トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, October 10, 2020、ANHA, October 10, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 10, 2020、Reuters, October 10, 2020、SANA, October 10, 2020、SOHR, October 10, 2020などをもとに作成。

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