ロシア軍が「決戦」作戦司令室の支配下のラタキア県クルド山地方を爆撃、親政権民兵はイドリブ県でトルコ軍の車列を砲撃(2020年12月28日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村一帯を2度にわたって爆撃した。

シリア軍もカッバーナ村一帯を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアーフィス村一帯に進攻、「決戦」作戦司令室が迎撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村、カンスフラ村一帯、バーラ村、フライフィル村を砲撃した。

一方、「決戦」作戦司令室は、シリア政府の支配下にあるミラージャ村、ダール・カビーラ村を砲撃した。

このほか、ドゥラル・シャーミーヤ(12月28日付)によると、親政権民兵が、ザーウィヤ山地方のバーラ村に設置されている軍事拠点に向かっていたトルコ軍の車列に向けて砲撃を行った。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原各所を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を23件(イドリブ県14件、ラタキア県5件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は17件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を5件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, December 28, 2020、ANHA, December 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 28, 2020、Reuters, December 28, 2020、SANA, December 28, 2020、SOHR, December 28, 2020などをもとに作成。

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