アラビーヤ:反体制系政治評論家は「アサド大統領に代えてアスマー夫人を大統領にしようとするプランBが進行している」と主張(2021年1月14日)

アラビーヤ・チャンネル(1月14日付)は、アスマー・アフラス大統領夫人の写真がアサド大統領の写真とともに、大臣室や省庁の外壁などに設置されるようになっているとしたうえで、こうした動きが、アサド大統領に代えてアスマー夫人を大統領に据えることで、米国をはじめとする西側諸国の制裁を免れ、シリアでの危機が解決したことにしようとする秘密裏の計画の一環をなしているとの見方を示した。

All4syriaを運営するジャーナリストで政治評論家のアイマン・アブドゥンヌール氏は、アラビーヤ・チャンネルの電話取材に応じ、そのなかで次のように述べ、アサド大統領は自身の再出馬をめざしている一方、プラン2、ないしはBとして、アスマー夫人に交代するという計画も検討しているのだという。

「アサドはとどまりたい、続けたいと思っている」。ロシアの首都は最近になってそう知らせてきたが、「複数の競争相手」がいるなかでの大統領選挙への出馬といった何らかの装飾で「演出」する可能性もあるのだという」。

「ロシアは、大統領選挙でアサドに対する「協力な対抗馬」を立候補させようと「アレンジ」している。反体制派の有力人物の一人、ないしは、反体制派の元幹部をアサドの対抗馬にしようとしている…。だが、これは今のところ成功していないが…、「アレンジ」は今も続いている」。

「ロシアと米国がコンセンサスに達すれば、アスマー・アフラスという「選択肢」もある…。だが、アサドは、この選択肢を示していないが…、アスマー・アフラスの遊説や写真を増やすことで、この準備、ないしはプランBに向けた準備を開始した…。その準備は政府高官、そして彼らの執務室で現在行われており、彼女の写真が広く貼られるようになっている…。こうした動きは、代替案として行われているが、マスター・プランはアサドを政権の座にとどめることだ」。

アスマー夫人は、米国の「シーザー・シリア市民保護法」のもとで制裁対象となっているが、アブドゥンヌール氏によると、こうした措置は、アスマー夫人への交代を認めないという米国の意思を示しているという。

AFP, January 15, 2021、Alarabia, January 14, 2021、ANHA, January 15, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 15, 2021、Reuters, January 15, 2021、SANA, January 15, 2021、SOHR, January 15, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.