トルコ軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるアレッポ県西部の3カ所から拠点を撤収(2021年3月10日)

アレッポ県では、ザイトゥーン(3月10日付)によると、トルコ軍が「決戦」作戦司令室の支配下にある県西部のカフル・ナースィフ村、イビーン・スィムアーン村、バータブー村に設置していた拠点を撤収させた。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

撤収された拠点は、2020年2月末から3月初めのシリア・ロシア軍と「決戦」作戦司令室・トルコ軍の戦闘に際して設置されたもの。

「不要となった」ために撤収されたという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市一帯を砲撃した。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカフル・ウワイド村、スフーフン村、ハルーバ村、ファッティーラ村、バーラ村一帯、カンスフラ村、フライフィル村、バイニーン村、ルワイハ村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるウンム・ワラド村でシリア政府との和解に応じた元反体制武装集団メンバー1人とその子供1人が、正体不明の武装集団の襲撃を受けて、死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を45件(イドリブ県23件、ラタキア県15件、アレッポ県2件、ハマー県5件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は39件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を25件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, March 10, 2021、ANHA, March 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 10, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, March 10, 2021、Reuters, March 10, 2021、SANA, March 10, 2021、SOHR, March 10, 2021、Zaytun, March 10, 2021などをもとに作成。

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